BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

1回戦4~7Rのピットから

●4R

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 1回戦オープニングは、ディフェンディングチャンピオンの田村隆信が1着! 明日の準々決勝の1号艇をさっそく手に入れた。チャンピオンベルトの防衛に向けて、まずは順調な発進だ。

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 その田村よりも、2着の新田雄史のほうが勝ち上がってホッとした様子を見せていた。出迎えた同地区の選手に対して微笑を浮かべる。というか、ちょっとニヤけているようにも見える(笑)。

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 3着は上平真二。上平は控室に戻るまでヘルメットをかぶったままだったので、その表情をうかがうことはできなかったが、エンジン吊りの面々が穏やかな様子ではあった。6号艇3着での勝ち上がりはなかなかデカい。

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 敗者では、菊地孝平がとにかく苦笑い。この一発で敗退が確定してしまうのだから、残酷なルールとは言いつつ、その洗礼を受けたことに「やっちまった」感を漂わせる菊地なのであった。独特なルール、特にグレードレースはこの一戦のみに適用されるルールだから、敗退側に回ったこともそういうものと受け止めているという印象。

●5R

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 深谷知博が逃げ切りで勝ち上がり。ピットに戻った直後は粛々としていたが、3着で勝ち上がった平山智加に祝福を受けると、ニッコリ! 平山もまた笑顔を見せて、健闘をたたえ合うと同時に、勝ち上がりを喜び合うシーンになっている。深谷の弾けるような笑顔を見ると、やはり1号艇にはそれなりにプレッシャーがあるだろうか。

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 2着は池田浩二で、エンジン吊りの間は磯部誠に話しかけ続け、そして磯部は笑い続けていた。テンションの高い会話となっていたものと思われる。

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 敗退組では、上條暢嵩が菊地同様に苦笑い連発なのであった。池上一摩カメラマンが「みんなこのルールをまあまあ楽しんでいる感じっすね」と感想を漏らしていたが、勝ち上がりに成功するにせよ、失敗するにせよ、このルールの醍醐味というか厳しさというか、ともかく新鮮な感情を味わっているようには見えるのであった。

●6R

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 あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!
 対岸のビジョンに1~3着の確定が表示された瞬間、ピットには大きな叫びが轟いた(たぶんニッシーニャ)。丸野一樹が3着に逆転浮上したのだ。写真判定になったこのレース、林美憲のほうが優勢にも見えたが、わずかに丸野が先行してゴールイン。3周ホームでは5番手だった丸野が、1周後には2つ着を上げていたのだから、ピットにはざわめきが起こっていた。
 丸野はレース直後こそ淡々と振舞っていたが、着替えを終えてモーター格納作業のため整備室に入るとガッツポーズ! 上條暢嵩に向けてのものだったようだ。3着とはいえ、価値ありまくりの3着だから、会心の3着ですね!

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 勝ったのは寺田祥。レース後、何かと話しかけていたのは寺田千恵。蒲郡から、やけにこのザ・寺田ーズを頻繁に見かけるようになったなあ。
 2着は村田修次。名人が枠を活かしての勝ち上がりだ。エンジン吊りのあと、先輩たちにはもちろん、桐生順平など後輩に対しても、丁寧に頭を下げていたのが印象に残った。この名人、ひとつも尊大ではないのだ。

●7R

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 徳増秀樹がイン圧勝で勝ち上がり。レース後はとにかく表情を変えず、笑顔が見えないどころか、歓喜だの安堵だのといった感情もまるで見せないのであった。エンジン吊りに出てきた菊地孝平らも同様で、なんだか勝って当たり前みたいな雰囲気なのである。もちろんそんなわけがなく、徳増も気を緩めずにいただけであろうが、なんとなく余裕のようなものが感じられた。

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 2番手争いは混戦となり、平高奈菜が浮上。女子で2人目の勝ち上がりだ。展開に恵まれた感もあるからか、悪戯っ子のような目つきで周囲を見回す平高。ラッキーはラッキーだろうが、トーナメントは運も大事! これで波に乗っていきたいところ。

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 残念だったのは篠崎元志。勝ち上がり権利の位置にいたものの、2周1マークでもつれて後退してしまった。その際に接触があったようで、ボートは修理室へと運び込まれている。元志はエンジン吊りやボートのチェックの間、呆然と立ち尽くしており、地元のビッグレースで初日にして敗退したことの大きさを受け止めているようであった。12Rにはドリームマッチが待っている。これをリベンジマッチにせよ!(黒須田)