BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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児島グラチャンTOPICS 4日目後半

THE勝負駆け・後半戦
最後に笑ったのは……?


【9R終了時】

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 予選18位=準優ボーダー争いは前半戦からじりじりとラインが下がり、9R終了時には6・00に満たない4人までが準優圏内という混戦モードに突入。4Rの6着で絶望的と思われた湯川浩司も9Rのイン逃げ=5・67で暫定16位まで盛り返した。10R以降の悲喜こもごもの勝負駆けを、レースごとに振り返っておこう(想定ボーダーを高めの6・00に設定)

【10R】
①魚谷智之 2着6・00
②白井英治 完走当確、1着トップ確定
③仲谷颯仁 2着6・00
④高野哲史 完走当確
⑤新田雄史 ―
⑥長田頼宗 完走当確

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 速報でも伝えたが、まずは予選トップ争いの大一番。オールスターに続いて2号艇の白井がチャレンジしたが、【1着条件】の牙城を崩せず3着敗退。この3着で「予選2位以内=準優1号艇」を確定させたものの、もっとも頂点に近づく予選トップの権利は12Rの峰に推移した。

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 一方、準優ボーダー争いは魚谷がインからガッチリ逃げきって文句なしの当確ランプ点灯。同じく2着で6・00だった仲谷は、渾身のまくり差しが弾かれる形でV戦線から離脱した。なかなかの健脚だっただけに残念だ。

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 同県の魚谷に追随して2着入線したのは、今シリーズの台風の目・高野! 初日からオール3連対=7・60という高率で予選を終え、準優1号艇の可能性を秘めながら後続のレースを見守る立場となった。

【11R】
①毒島 誠 1着6・00
②前本泰和 完走当確、2着で準優1号艇確定
③磯部 誠 4着6・20
④石野貴之 ―
⑤稲田浩二 ―
⑥寺田 祥 ―

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 ふたりだけが準優ボーダー勝負駆けという「嵐の前の静けさ」的なレースは、そんな必死のパッチのふたりが見事にワンツー決着を決めた。特に毒島は、前半2Rでコンマ03スタートから5コースまくり差し1着を決め、さらにここも逃げきっての大逆転予選突破! 昨日の35位から20人近くをゴボー抜きしての準優入りは、さすがの底力と言うしかない。6Rの4カドからまくり差しで勝負駆けを成功させた徳増秀樹とともに、今日のMVP候補とお伝えしておく。

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 2着の磯部は余裕たっぷりの予選突破として、ある意味、惜しいチャンスを逃したのが2コース前本だった。レース自体もスリットからグングン伸びて毒島を圧迫しながらの差しハンドル。その舳先はわずかに届かず、さらには磯部にも交わされて「2着以内で準優1号艇」という特別な勝負駆けにもタッチの差で届かなかった。もちろん、パワー的には準優でもかなり優位な存在なので、これをもって「V戦線から遠ざかった」と言うつもりはないのだが。

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 そしてそして、この結果を受けて準優1号艇に当確ランプを点したのが、10R2着の高野哲史!!!! 去年の鳴門オーシャンの優出も驚かされたが、2度目のSG参戦でまさか本当に準優1号艇を勝ち獲ってしまった。あれよあれよの下克上、いやぁ、恐れ入りました!

【12R】
①菊地孝平 2着6・00
②峰 竜太 完走当確、2着以内でトップ
③岡崎恭裕 2着6・17
④篠崎仁志 3着6・00
⑤上野真之介 3着6・00
⑥山口 剛 5着6・00

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 勝負駆け名物「全員の希望条件が絶対に満たされることのない残酷なサバイバル戦」が、最終12Rに待ち受けていた。そんな6人の内面の火花が何かしらの化学反応を起こしたのか、ピット離れで仁志が後手を踏んで6コース回り~その影響で123564の横一線のオールスロー発進~3コース岡崎がドカ遅れ&隣の峰も慎重な起こしでスリット凹み、という乱戦気配が漂うレースになった。

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 そんな中、インからコンマ08の鋭いスタートを決めた菊地が、しっかりと逃げきってまずはイチ抜けが確定。昨日から何気にリズムを崩していた菊地だが、決めるときは決める。前検から私が惚れ込んでいるパンチ力抜群の36号機は、準優4号艇でその抜群パワーを魅せつけてくれることだろう。
 で、2着争いでもっとも気になったのは「2着なら予選トップ」の峰だったが、スタートの遅れがモロに響いてバックでは大きく引き離された5番手に。ここからターンマークごとにじわりじわり追い込んだが、さすがに相手も必死にこれをブロックして4着が精一杯だった。
 この瞬間、予選トップは10R3着で結果待ちの身の上だった白井英治にスライド。白井としては自力で決めきれなかった悔しさがあるだろうが、オールスターのトップ対決の雪辱を果たす結末となった。

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 2着を取りきったのは、中凹みの隊形を利して4コースから鋭く差し込んだ上野。攻めやすい展開だったとは言え、この男のダッシュからの差しハンドルは師匠・峰譲りの速さを誇る。機力的に直線足はほとんど期待できないが、明日も4、5コースあたりから的確な捌きを見せてくれるだろう。
 3着でノルマの6・00に到達したのは篠崎仁志。当欄で何度か書いてきたとおり、前検でバカに良く見えた出足系統は他の面々に追いつかれ、準優ではほとんど目立つレベルではなくなった。が、この3着によって明日は「4号艇・菊地の外」というポジションをGET。ややパワーは劣化しても、シリーズの流れ的にはまったく軽視できない存在だと思っている。(photos/チャーリー池上、text/畠山)