BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――わりと静か

 峰竜太が本体整備。これで6回目? コメントは相変わらず景気がいいものだが、昨日の4着を受けて、やはり上積みが必要と感じたか。悲壮感があるわけではないが、表情はさらに引き締まって見える。6号艇で登場の今日、枠番通りの着を獲ってしまえば黄金のヘルメットへの道が閉ざされる可能性が濃くなるだけに、重要な一日という感覚はありそうだ。

 大きな動きを見せていたのは、ほぼ峰だけ。それがトライアル組の様子である。平本真之が整備室の出入口脇にボートを置いて装着作業をしていたので、彼もまた本体整備を行なった可能性はある。平本は初戦5着で、峰よりもさらに厳しい状況なだけに、さらに本体に喝を入れていてもおかしくない。いずれにしても峰よりはかなり早く作業を終わらせており、こちらに気づいて笑顔を向けてくるあたりはいつも通りだ。

 上條暢嵩がプラグを外して、整備室で作業を行なった。モーターにはプロペラが装着されておらず、調整の準備も整っている様子。序盤の時間帯に上條が動きを見せたのは、今節初めてのこと。上條も平本と同じく初戦は5着。今日も外枠での登場となる。6号艇と5号艇で1stを突破し、2ndでもここまで6号艇と5号艇。外枠ばかりで戦っているわけだが、ここらで抽選も含めて流れを変えたいところだ。

 あとはおおむねプロペラ調整。あるいはペラ室でも姿を見ていないかのどちらかだ。ペラ室では馬場貴也と毒島誠が隣同士で調整。ペラ室の、装着場から見て左の奥のポジションだ。これは初日から馬場と毒島が陣取っていた場所で、2ndがスタートしても変わっていないことになる。ちなみに、馬場と同期で、また毒島とも仲の良い長田頼宗も節間通してその位置で見かける。

 毒島と同支部の土屋智則は、毒島の位置とは対角線、すなわち装着場から見て右手前のポジションでペラ調整だ。別に仲が悪いとかではなく、ここに集っているのは西山貴浩、池永太、柳生泰二。すなわち97期軍団が陣取っているのである。やはり同期の存在というのは心強いものなのだ。

 では関浩哉は、というと、序盤の時間帯には調整する様子は見かけていない。昨日までを思い出すと、真ん中あたりのやや右寄り、だったような気がする。まあ、今日の後半にも観察してみよう。関は1号艇で第2戦を戦うわけだが、1stですでに経験しているだけに、妙な緊張感のようなものは見られない(もちろん、戦いに臨む緊張感はしっかり抱いているだろう)。初戦6着をしっかり巻き返すためにも、ここは取りこぼせない戦いだ。

 茅原悠紀は左手前の真ん中より、といったあたりでペラと向き合っていた。周囲には特に仲間はおらず、淡々と、しかし力強い目つきで調整を施している。茅原は、1R発売中の時点ではトライアル組で唯一、ボートを係留所につけている(2R発売中に、本体整備を終えた峰が着水)。序盤の時間帯に水面に出ていく姿は見ていないが、今日は明るいうちから水面で乗り込む茅原を見ることができるかも。

 シリーズ。1R発売中に試運転を行なった新田雄史が、ボートを陸に上げるや整備室の前に運び、本体を外し始めていた。ここまでやや冴えない成績となってしまっており、準優進出は厳しい状況。それでも、今日乗った手応えでも整備の必要を感じれば、妥協なく本体を割るわけである。10R1回乗りと時間もあるなかで、少しでも上積みをはかろうと奮闘するわけだ。

 1Rで1号艇ながらS後手もあって6着に敗れた遠藤エミも、レース後に本体を外している。ボートのカウルには「Test Ride」と書かれた艇番がついており、整備の後にも乗り込もうという腹だ。遠藤も準優進出は厳しい状況で、それでも明日からの勝負を投げるつもりなど毛頭なく、パワーアップをはかり、さらに水面に出ようとしているわけだ。今節は残念だが、次節のクイーンズクライマックスにいいリズムで乗り込むためにも、明日からの2日間は重要。意地を見せる節終盤となってほしい。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)