BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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福岡QCシリーズ戦TOPICS 初日

ヒロイン跋扈

 年の瀬・女子フェスの開幕日は、1R川野芽唯の逃走からインコース8勝の固め打ち。開催地が昔から「インが弱いレース場」で知られる福岡だけに、穴党にとってはちょいと肩透かしの1日だったかも。

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 ただ、その8勝の内容はいわゆる「イン速攻」とは呼びにくいレースが多かった。ほとんどの選手が博多名物「うねり」と強風を警戒し、初動から極端に減速してスローモーに旋回している間にイン選手がコースの利で先頭に立つ、みたいな。逃げというより「逃がし」と呼びたくなるレースばかりだった。まあ、住之江GPの6日間の残像が脳裏に焼き付いていて、そのギャップが私の視覚を狂わせているのかも知れないけれど……。

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 そんな中、強いインコースを攻め潰した選手が4人。まずは、3Rで5コース一撃まくりを決めたのが五反田忍だ。忍さんと言えば、必殺技は4カド絞めまくり。私も「4カドまくり怪獣」として何年も前から惚れ込んでいるのだが、まさかカドでもない5コースから一気に絞めまくるとは……。波に乗ったら手が付けられないタイプだけに、今日のおっかなびっくり水面で豪快に攻めきった忍さんは今節の核弾頭になるかも?? 明日の3R1号艇はもちろん、8R3号艇での自力攻めは警戒を深めておきたい。

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 続く4R、3コースから「抜き」で勝った平田さやかは、実戦足がピッカピカに光っていた。スリット近辺からの行き足は軽快そのもの。内2艇を伸びなり攻め潰したターン回りも、しっかりサイドが掛かって申し分なし。その直後にバランスを逸して2番手に後退したが、そこからの伸び返し~2マークの差しハンドル~舟が返ってからの押し足ともに秀逸だった。2連対率27%ながら、三島敬一郎が秘密兵器として10基+1に推挙した75号機は、やはりタダ者ではなかった。
 後半9Rもインからしっかり押しきって開幕2連勝とした平田。2年前に徳山で悲願のデビュー初Vを遂げたのも、このQCシリーズ戦だった。初日から優勝云々を語るのはせっかちすぎるが、今日の鬼足を見た限りでは「大晦日に2度目のV」というデジャヴがあっても不思議じゃないだろう。

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 11Rで金星を挙げたのは、地元の藤崎小百合。このレースは2号艇に高田ひかるがいるだけで波乱の香りが漂っていたが、その強力なまくり怪獣を3コースから2段まくりで引き波にハメ込んでしまった。初戦の4Rは2マークで前出・平田の逆転差しを喫した藤崎だったが、そのウップンを晴らして余りある2段ツケマイだった。

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 そしてそして、最終ドリーム戦を3コースから豪快にまくりきったのが松本晶恵だ。スタート突出の一撃まくりだっただけにパワー云々は語りにくいが、とにかくスリット~1マークの気迫が凄まじい。昨日も書いたけど、「私はここにいる選手じゃない!」という雄叫びが記者席まで聞こえるような自力まくりだった。前半6Rのイン逃げも含め、初日11・00のロケットスタートを決めた松本。同じく連勝の平田、1・2着発進の五反田と藤崎の進軍が楽しみではあるが、彼女たちの眼前に仁王立ちするこの女傑がやはり優勝の最有力候補と見て間違いないだろう。

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 以上、波乱の立役者を列挙したが、実戦パワーで「おおおっ!!」と唸らされたのが、地元の中川りな70号機だ。今日のレースを振り返ると、まず7Rのイン戦は3コースの薮内瑞希に完全にまくられながら、くるり小回りで伸び返してあっという間に1着奪還。でもって、12Rドリーム戦は前出・松本のまくりに2コースから飛びついて徹底抗戦。結局は力づくでねじ伏せられ、大敗必至の態勢に思えたものだが、そこからまたくるり反転して2着に粘り込んでしまった。
 つまりは2戦連続で「まくられ残し・超伸び返し」の鬼足披露。もちろん、伸び盛りのターンスピードがあればこそ、という俊敏な小回りではあったが、それにしてものサイドの掛かり~出口の押し足だった。連続大敗でも不思議じゃない展開から1・2着をもぎ取った中川は、明日の12R6号艇でも絶好の狙い目とお伝えしておく。(photos/シギー中尾、text/畠山)