BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――準決勝に向けて

 3日連続12R1号艇。つまり、メインカードの主役を3日続けて張る。枠番が勝ち上がりの着順によって決まるシステムとはいえ、いわば予選道中において、ましてやビッグレースでは、なかなかないことだ。レース番号を決める裁量は番組編成員の方にあるのだから、選考順位1位の1号艇だからといってなにも連日12Rに組まなくても問題はない。事実、1回戦は選考順位2位の深谷知博の1号艇が5Rに組まれるなど、番組順は選考順位を取っ払って決められていた。
 それだけ、丸野一樹に対するびわこの期待が大きいということだ!
 もちろん丸野自身、それを肌で感じ、そして光栄と感じている。昨日一昨日はさすがにプレッシャーがあったというが、今日のところはそうでもないそうだ。まあ、昨日一昨日は逃げれば次の日も1号艇が決まっていた。しかし明日は違う。枠番はすべて抽選で決まるのだから。逆に言えば、決勝に進めさえすれば、今日3着であっても明日また1号艇を引く可能性があるということだ。そうした状況や、昨日一昨日をクリアしたことが、丸野の肩の力を抜けさせたようだ。もちろん、今日も逃げ切って明日の決勝に進むと、丸野は気合を高めている。準決勝に向けて、朝からしっかりと調整を進めているぞ。

 整備室を覗けば、深谷知博が本体整備。昨日は1マークでは逃げたものの、2周1マークでまさかの逆転を喫した。足的にはどうも厳しい雰囲気で、3号艇となった準決勝を前にモーターにカツを入れているというわけだ。部品交換などについては直前情報をご確認ください。とにかく、昨日のリベンジを果たして決勝に進むべく、本体としっかり向き合っているのである。

 宮地元輝のボートにもモーターは乗っておらず、どうも装着場からの死角にいるようで、作業自体は視認できていないが、整備室を出入りする姿は見かけている。形としては繰り上がりでの準決勝行きだが、いざ水面に出ればそんなことは関係ない。むしろ、いったんは2番手を走った準々決勝の雪辱を果たすつもりマンマンだろう。

 序盤の時間帯ではっきりと調整する様子を確認できたのは、実はその3人だけだった。あとは石野貴之が2R発売中に着水と、昨日同様に早い動き出しを見せていたのが非常に印象的だったくらいか。石野は結局、1回戦から準決勝まですべて外枠。それでここまで勝ち残っているのだからお見事だ。しっかり乗り込んでパワーを引き出すことが結果につながっていると見るべきかも。ちなみに、雨が降るとモーターも濡れるので試運転を控え気味になる選手もいるようだが、石野はまったく意に介さないという。雨くらいで影響を受けることなどないと、自身が雨に濡れることも気にせずに、走るべき時は走るのである。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)