●11Ｒ
池田浩二が逃げ切って、決勝進出一番乗り。さすがに笑顔満開で、馬場貴也と言葉を掛け合いながら頬が緩む。馬場のほうはといえば、苦笑いなのだが……。ただし、勝利者インタビューに向かう頃には、頬も引き締まっていた。これで１回戦、準々決勝、準決勝とイン逃げ３連勝ながら、明日の枠番は好枠とは限らない。まだまだ心から笑うには早いといったところか。
深谷知博が２着。足的にはいまひとつかと思われていたが、部品交換でしっかりパワーを上積みさせたということだろう。こちらもやはり笑顔。底上げできたこともあわせて、気分が上向いているのは間違いない。馬場とも笑顔で語り合い、やっぱり馬場は苦笑い……。
３着は桐生順平だ。先行する羽野直也を捌き切ったハンドルワーク、コース獲り、駆け引きはもう見事の一言。ピットに上がると真っ先に羽野のもとに向かって、右手を掲げる。羽野としては一枚上手の捌きを見せつけられ、素直に頭を下げるしかなかっただろう。そして桐生は、濱野谷憲吾に言葉をかけられてこれまた笑顔爆発！ この大会は、３着であっても決勝ポールポジションの可能性があるのだから、羽野を抜いたことはまさしく会心であっただろう。同期の鎌倉涼に声をかけられたときも笑みを浮かべていて、やはり気分上々で明日に向かえそうだ。
●12Ｒ
丸野一樹が逃げ切りで、見事に３日連続メインカード１号艇の３連勝を決めた。ピットに戻った丸野は、今日もホッとした表情。先に書いてしまうが、枠番抽選で引いた決勝の枠は２号艇、選考順位１位だとしても３連勝が決勝戦ポールポジションには結びつかない。ならば２着でも３着でも決勝に残れれば、という発想もあっておかしくないわけだが、しかしいざ水面に出れば勝利しか頭にはないだろう。地元ビッグでの12Ｒ１号艇ということで、責任感のようなものもあっただろう。決勝進出で最低ノルマはクリア、前のレースで馬場が敗れていたこともあって、さらに安堵の思いは強かったはず。明日は黒カポックだが、チャンピオンベルト防衛を狙って、全力を尽くすはずだ。
２着は松井繁。３連続２着での決勝進出だが、今日は昨日一昨日と比べて、かなり神妙なレース後であった。決勝進出で、湧き上がる感情をぐっと抑えているのだとしたら、これぞ王者の振る舞いである。ただ、カポックを脱ぎ終わると上條暢嵩を促して抽選会場へと急ぐ姿も。王者もあみだマシーン、楽しみにしていたのかも!?（笑）
そう、３着は松井の大阪支部の後輩でもある上條暢嵩。連日、笑顔が目立っていたレース後、今日も穏やかな笑みを浮かべているのだった。池田浩二に決勝進出をからかわれると、さらに目が細くなる。なかなかの豪華メンバーとなった決勝で、さらに大きな笑顔をレース後に魅せたい。
●あみだマシーン
というわけで、決勝メンバーが出揃って、スーパーあみだマシーンによる枠番抽選！ ディフェンディングチャンピオンの丸野以外は全員が、この大会では初の体験となる。抽選会が始まった当初は、例年にも増してみな神妙な雰囲気だったが、あみだが完成するとザワザワザワ。王者も池田も桐生も、ニコニコ顔で会話を交わしていた。
あみだがスタートして、行き着いた先はあみだ表の上から上條、桐生、深谷、丸野、松井、池田。上から枠番をオープンしていくと、上條③→桐生④→深谷⑤→丸野②→松井①→⑥に！
印象的な光景はというと「４号艇を引いてわざとらしく（？）ガッツポーズを見せた桐生」「最後に①と⑥が残って、思い切り笑い合う松井と池田」「１号艇が出て、力強いガッツポーズを見せた王者」「いちばん下に号艇札を置き、そこに自身が辿り着いて、出たのが⑥だったので『俺が置いたところだ』と自重する池田」といったところか。枠番が開き始めるとみんなが笑顔で、今回もとっても楽しいスーパーあみだマシーンでした！（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 池上一摩 ＴＥＸＴ／黒須田）
