BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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光って見えるジャンパー!4日目前半のピットから

 雨が降ったらSGジャンパー着るっていう法則があるんですか? と池上カメラマンが聞いてくる。そんな法則あるかい! と思うのだが、たしかに高田ひかるがSGジャンパーを着用しているのである。今節、高田がこれを着るのは初めて。昨年のオールスターでゲットした、SGレーサーの証しを雨がそぼ降る今日、ついに袖を通したわけだ。

 よく見ると、守屋美穂も! 守屋はすでにSG経験も豊富になっているが、初めてSGジャンパーを着ているのを見たのは、去年のグランプリ最終日だった。あの日は雪が降っていたなあ。今日の雨もまた冷たく、気温はそこまで低くはないが、やはり冷え冷えしているピットなのである。ということはつまり、SGジャンパーは防寒効果も強力なんじゃないか、という推測が成り立つ。たしかに厚手に見えるしね。もっとも、この舞台で見るSGジャンパーは崇高なる鎧のようにも見えて、プライドも感じさせるし、威圧感もあるように感じられる。所持選手はじゃんじゃん着て、精神的に優位を保つのも悪くないと思う。いや、むしろそれでいいんじゃないか。

 そうなると、遠藤エミがグランプリジャンパーを着ていたのがまた嬉しい! レディースオールスターの舞台でグランプリジャンパーを見ると、約1年前のあの偉業がさらに輝きをまとって思い出されるというものだ。遠藤も今節は着用するのが今日が初めてで、やっぱり防寒のためという説が有力のような気もするが、しかしこのジャンパーを持つ唯一の女子レーサーなのだから、誇りをもって着てほしいと思うわけである。

 で、その遠藤と高憧四季が試運転ピットで話し込んでいるのを見ると、これは高憧にとっても励みになるのでは、と思ったりして。遠藤と足合わせをして、その手応えを話すこと自体、実に光栄なことであろうと想像するわけだが、その話している相手はグランプリレーサーなのだ。若い高憧もきっと憧れ、夢見ている舞台だと思えば、そこに大きな意味を見出したくなるのは自然なことだろう。
 決して簡単なことではないが、女子レーサー、特に若手の女子にはやはりSG、GPを目指してほしい! 今戦っている相手が決して低くはないハードルを越えていった選手なのだと実感し、しかし怯むことなく接して、いつか続く存在になってもらいたいですね。

 1Rは川井萌が逃げ切って1着。エース機を駆る中田夕貴に迫られたが、2マークは全速で握って見事振り切り! したがえた相手には、昨年のレディースチャンピオンを制し、約2週間後にはSGクラシックに登場予定の香川素子もいたのだから、この勝利は価値がある。ここまでゴンロクを並べて苦戦気味だった川井にとっては、憂鬱を吹き飛ばす勝利にもなっただろう。そんな川井を出迎え、拳を突き出してグータッチを要求したのは長嶋万記。SGを何度も経験した同支部の先輩だ。長嶋の表情がまた柔らかく、川井もつられたように微笑みを浮かべた。SGレーサーの薫陶を受けて、大きく羽ばたいてくださいね!(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)