BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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勝負駆けです!の4日目後半のピットから

 4日目はやはり、個人戦の勝負駆けの色合いが強くなるというもの。それぞれに団体戦の意識はあるだろうし、控室へ戻ればチームごとの悲喜があったりするのだろうが、やはり準優に乗れるか乗れないかは非常に重要だ。
 見事に勝負駆けを決めたのは田頭虎親! 今日は連勝で圏外からの下剋上を決めてみせた。特に前半は、強い追い風で握ったら流れやすい1マークを果敢に全速まくり! やや流れながらもきっちり先頭を掴んでいる。後半9Rも気合の伝わる全速逃げ! 男っぽい勝ちっぷりを見せつけた。特に後半は状況をある程度把握していたものと思われ、レース後は実に明るい表情で仲間たちと声を掛け合った。そのなかには、この結果で得点率順位を逆転された安河内健もいて、そのあたりは団体戦意識も滲んでいたものなのかもしれない。

 10Rは平山智加が逃げて勝負駆け成功。ボーダーが昨日から下がらなければ、今日は連勝でもやや厳しいという立場だった。しかし、ボーダーが下がった! 2着1着でまとめたことで、準優圏内に浮上! JLCの勝利者インタビューでは「敗者戦を頑張ろうと思っていた」と語っていたそうで、平山自身も半ば予選突破は諦めモードであったようだが、それでもしっかり勝ちにいくレースをしたことが準優進出につながった。やはり強者が強者らしいレースをすれば、こうして結果がついてくることもあるということだ。

 実は、ボーダーを下げたのは高田ひかるだった。9Rは4カドから握ったものの、3コースの中村が握り返してきたことで流れ、5着大敗を喫してしまったのだ。高田は前半も4着で、まさかの得点率下落。平山に逆転されることになってしまった。9Rのレース後は、唇をかみしめるような表情で、何度も水面を見やっていた高田。強い追い風は決して高田向きの条件ではないだけに、勝負の日にこういう気候になってしまうとは、運もなかったというしかないだろう。

 さて、準優ボーダーの勝負駆けと同様に、注目されるのは予選トップの勝負駆け。8Rでは、鎌倉涼が2コースから差し切って、女子トップだけではなく、全体の得点率トップを早々と確定させた。これで、準優も逃げ切れば優勝戦1号艇! 前回の芦屋大会も全体トップで優勝戦1号艇だったのだから、素晴らしいの一語である。
 ただ、芦屋では結局優勝を逃し、団体戦もルーキーズに敗れてしまった。鎌倉自身、当然それを意識していて、「リベンジしたいですね!」と力強く語っている。この大会は過去2回出場していて、どっちも団体戦では負けてるんですよね。今回はなんとしても10万円をゲットしたいところでしょう。

 11Rでは中亮太が逃げ切り。これで男子トップを確定させた。序盤はピット離れが注目されたが、回り足を求めていって、そこが来たと同時に、バナレ自体はそこまでではなくなったとか。しかし、準優1号艇なら、飛ぶようなバナレは必要ない。しっかり出て、インを主張して逃げるだけだ。ヤングダービーの水神祭でさんざんお茶らけていたように、コミカルな素顔が中のひとつの持ち味だが、実際のところは非常に真面目なところがあって、準優1号艇となれば気合で逃げるだけだろう。個人優勝を果たしたら、思い切りはっちゃけてくださいね!(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)