BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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優勝戦 私的回顧

ブッ差し!!

12R団体・優勝戦
①鎌倉 涼(大阪)02!!
②中 亮太(福岡)09
③末永和也(佐賀)09
④平川香織(埼玉)20
⑤中村桃佳(香川)16
⑥安河内健(佐賀)22

 中クンがブッ差した。
 スリットラインは↑御覧のとおりの鎌倉突出! 直前の11Rで同じ紅組の1号艇・平高奈菜が越えてはならない一線を越えた(コンマ01のF)というのに、この電撃スリットはどうだ。「女は度胸」と呼ぶべき凄まじい踏み込みだった。

 こうなっちゃえば、昨日に続いてイン逃げ圧勝でしょうな。
 スタンドに佇む私は、まるで他人事のように心の中でつぶやく。私が期待したダッシュ3人は、スタートで絶望的だったから。あとは主役・鎌倉の独演会と団体戦ポイントの行方を見守るだけ。

 そう決めつけていたらば、1マークの出口から鋭く舳先を突き出したのは、ややスタートで後手を踏んだ中クンだった。
 あらら、へぇぇ。
 スタンドの低い位置から2艇の旋回~交錯はよく見えなかったが、まさかの“逆転劇”。あとでリプレイを見たらば、ちょっと鎌倉が1マークに寄りすぎ握りすぎの嫌いもあったか。ただ、それにしてものスピーディーなブッ差しだった。全11回の優勝戦で個人の頂点に立ったのはルーキー10人に対してレディーひとり……女傑・鎌倉であってもこの残念な流れを変えることはできなかった。

「今節はバッチリ仕上がりました。もう、このまま(福岡まで)乗って帰ります!!」
 表彰ステージに立った勝者は、さっそくギャグをぶちかます。初日・開会式のドリーム選手インタビューでは「女子の皆さんが強くて強くてかなわないので、僕も美容整形で女(紅組)になります!」。

 さすが西山貴浩のお気に入り。だがしかし、紅組に移籍するどころか6日間を通じて白組の旗手として活躍し、最終バトルも白組・逆転優勝の立役者となった。個人はもちろん、団体戦も合わせて文句なしの大会MVPですな。オリラジのパーフェクトヒューマン中田に似た風貌も込み込みで、西山級のスターレーサーになると予言しておこう。うん、あとはもう、この大会で私が便利に使っている常套句を、このMVPにも捧げるのみ。
 中亮太にとって、このデビュー2度目の優勝は単なる通過点に過ぎない。
 そうそう、同期の安河内健、平川香織もお疲れさまでした!

     ☆
 閑話休題。今日の私は平川~桃佳~ヤスケンのアウトラインを応援しつつ、心の中では「どーせ強い強い鎌倉が逃げきるでしょ。でもって、前節の深谷知博52号機に続く【夫婦で同じモーター引いて2節連続V】なんて出来すぎの離れ業をやっちゃうんでしょ」なんて思っていた。だから、予定稿というか、前もって私なりに計算してたんですよ。この偉業が達成される確率はどれくらいなのか。せっかく計算してもったいないので、そっくりコピペしておきますね!

『夫・深谷52号機~妻・鎌倉52号機の連続Vの確率』

①任意のボートレーサーA(ここでは深谷)がどこかしらの場で優勝する単純確率=各シリーズの出場選手は50人前後だから、約1/50。
      ↓
②A選手と関連のある特定選手B(ここでは鎌倉)が、次の節に同じレース場に斡旋される単純確率=選手の総数は約1600人で、そのうちの50人前後が次節に斡旋されるから約50/1600。
      ↓
③さらに前検でB選手がA選手と同じモーターを引く単純確率=モーター数は各場によって異なるがザックリ70個平均として約1/70。
      ↓
④さらにBが優勝する単純確率=①と同じく約1/50

 これだけの確率がすべて重なると「任意のA選手と特定関係のB選手が同じモーターで2節連続優勝する」という事象が発生する。そのザックリとした確率は①×②×③×④で得られる。

【解】1/50×50/1600×1/70×1/50=1/5600000

 はい、本当に大雑把な計算だけど、任意のA選手にとって「560万節に1回しか起こり得ないミラクル現象」ってな感じの答が算出されました。時間でいうと、「4666年に1回」みたいな(笑)。さらに「特定関係=夫婦限定」とか「初下ろし~2節目のモーター限定」なんて縛りも入れたら、天文学的な数字になること間違いなし! こんだけのミラクル確率をブッ差して消滅させた中クン、深谷夫婦に負けないほど強くなりなさいよ~~!(photos/チャーリー池上、text/畠山)

 団体戦の最終ポイントは、こちらをどーぞ!