あおり運転はダメよ!!
by ニッシーニャ
いやあ、あおられた、あおられた（笑）。まずは１マーク、先マイした西山貴浩のふところに秋山直之のまくり差しが入った。西山はなんとか２マークで差し返しに成功したのだが、そこから秋山が猛追！ まさに秋山らしい“あおり運転”であり、交わされそうな瞬間もあった。なんとかしのぎ切って、ＪＬＣウィナーインタビューのカメラサインで秋山に抗議！（笑）いやいや、レースにおいてはあおり運転上等、何なら抜いたっていいのである。つまりは西山、秋山に敬意を表したというわけなのである。
というわけで、ピットに戻ってきた直後に、西山は秋山のもとに歩み寄って頭を下げたというわけなのだが、秋山はといえば、どちらが先輩か後輩かわからなくなるほどに、深々と、何度も何度も、西山に頭を下げ返すのであった。レース後に選手同士で声を掛け合うとき、秋山は相手が先輩ならもちろん、後輩であろうと「すみませんでした！」と丁寧に礼をする。抜き返しに失敗し、悔しさもあるだろうが、西山に対しても同様にふるまったというわけだ。ちなみに秋山は、坪井に声を掛けられたときにはなんだか申し訳なさそうに顔をしかめながら「すみませんでした！」と大声。それもまた秋山らしいというわけなのである。
２Ｒは岡崎恭裕が５コースまくり差し快勝で、序盤は福岡勢の連勝だった。ピットにあがってきたときにはクールな装いだった岡崎だが、桐生順平に称えられると思わず大きな笑顔がこぼれた。ここまでは内枠で結果が出ていなかっただけに、外枠での勝利は反撃への足がかりとなるだろう。後半は４カドが見込まれる４号艇、聡明な岡崎のコンピュータはどんな戦略をはじき出してくるか。
一瞬は３コースまくり差しが決まったかのようにも見えた磯部誠は、２着とはいえ、さすがに悔し気な表情も見せている。仲のいい西山が岡崎のエンジン吊りを終えたあとに磯部のもとに向かい、神妙な顔で話し込む様子もあった。ここまでオール３連対は悪くない成績、後半９Ｒの１号艇は必勝態勢で臨むことになる。
予選ロードは折り返し地点を過ぎて、それぞれがここまでの調整をさらに煮詰めていく段階。大きな整備をしている選手は少なくなってきていて、試運転とペラ調整の往復というのが圧倒的に主流となってきた。そんななか、地元の砦である寺田祥は今日も整備を行なったようで、１Ｒ発売中にはすでに整備室に姿はなかったが、１Ｒの締切が近づいてきたころにモーターを装着している。地元勢は寺田ひとりと孤軍奮闘。大きな期待もヒシヒシと感じながらの戦いであり、それだけにここまで５着→２着ではまったく納得していないはずだ。今日は内枠２走で１号艇も回ってきた。ある意味、寺田にとって今日は大事な大事な“勝負駆け”だ。（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 黒須田 ＴＥＸＴ／黒須田）
