BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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蒲郡ダービーTOPICS 2日目

3戦3勝と5戦5勝!

 先刻、かすりもしなかった『穴・極撰』の前フリで、ガマ水面の極端な特徴をお伝えした。
【18時以前のイン1着率40%ちょ⇒18時以降のナイター水面は70%弱!!】
 で、書いているうちに他のナイター場も気になったので、各場のイン1着率をざっくり調べてみた。列挙しておこう。

     総合 18時前⇒18時後
☆蒲郡  55%  40%⇒70%
★桐生  51%  42%⇒60%
★住之江 60%  55%⇒65%
★丸亀  54%  40%⇒68%
★下関  60%  53%⇒67%
★若松  55%  48%⇒62%
★大村  61%  52%⇒70%
(直近1年)

 うむ、どの場も大なり小なり18時以降(ほぼ後半戦)からインが強くなっているが、その強弱がもっとも劇的に変化するのはやはり蒲郡なのだな。「なんで?」って聞かれてもよく分からんけど、ガマ水面は夜が更けるほど風が弱化~静水面になる印象が強く、それが他場より爆発的にイン1着率を増幅させている原因ではなかろうか。
 能書きはともかく、「ガマの後半戦はインコースがやたらと強くなる」と脳みそに刻み込んでいただきたい。あ、だからこそ10万舟などの超大穴が飛び出すのも後半戦が多いのだが。

 さて、こんな余談っぽいことを書いてる場合じゃないか。2日目を終えて、記者席では不穏なざわざわ感が蔓延しつつある。ある27歳の若者が、昨日から無傷の3連勝でシリーズの先頭に躍り出たのだ。
4932 新開 航(福岡・118期)
 初日の6Rは2コースから鮮やかに差し抜けて快勝。今日の5Rはインコースから②菊地孝平、③濱野谷憲吾らのパワフル強豪を寄せつけずにイン逃げ圧勝。まあ、ここまでは強い勝ち方ながら「絶好枠に恵まれた連勝」程度で片づけたファンも少なくないだろう。正直、私もそのひとりだ。

 だがしかし、9Rの勝ちっぷりはガチでヤバかった。3コースから内2艇よりやや遅いスタート発進。インは『蒲郡愛』にめらめら燃える赤岩善生、2コースは今をときめく福岡の若きエース羽野直也。スタート隊形を見る限り、この人気ツートップに付け入る隙はなさそうだった。
 それが、10秒後にはその両雄を真っ二つに切り裂いていた。1マーク直前、同県の羽野先輩に有無をも言わせぬツケマイを浴びせつつ、あまりサイドを掛けないスムーズな旋回で赤岩の内を一気通貫! 羽野キュンのお株を奪う早くて速い旋回は、先輩をちょいと驚かせたのではなかろうか。
「回り足がいいので……たまたまです」
 レース後のインタビュー、新開は笑顔ひとつ浮かべず謙虚な言葉を並べた。たまたまでSG3戦3勝ができるわけもなし。とは言え、この若武者のサプライズなレーサー人生を考えれば、この程度の成績は驚くに値しないのかも知れないな。

 118期では宮之原・板橋・栗城という花形トリオの影に隠れ、あまり目立たない存在だった。それがいざデビューしてみたらば、同期の誰よりも早い4走目での水神祭(栗城が12走目、板橋29走目、宮之原37走目)。でもって、その2連単の配当は歴史を覆すような57万……
 あ、ついつい口ならぬ手が滑ってしまった。ここであんまり書きすぎると、もしかしたら最終日の某私的回顧のネタが減ってしまうかも、なので今日はここまでにしておこう。デビュー後に同期の全員を出し抜き、今日は同県の若きエースを出し抜いたサプライズ男がどこまで暴れまくるか。とりあえずは明日の【11R6号艇】に注目していただきたい。

 その他のトピックとしては、「昨日は①-②ばっかだったのに、今日の後半は①=③が連発した」とか、「パワー相場が昨日までと激変した感あり、私・畠山は疑心暗鬼の心境に陥った」とか、そんな感じか。

 あ、それから「枠が良かったから」と言われたらそれまでだが、今日は「大阪支部カルテット」が大活躍。2レースの③田中信一郎が怒涛の強まくりを決めるや、それが引き金となって3R①山崎郡~4R①西村拓也があれよあれよのイン逃げで浪速駅伝3連勝。
 後半10Rも①石野貴之が力強いイン逃げで、今日は無傷の4戦4勝とした。で、さらに12Rの③西村が勝ったりすれば5戦5勝のグランドスラムとなるのだが

(間)
 はい、実は↑ここまで書いて12Rを観戦。正直、「なるのだが」の後にはネガティヴな言葉が並ぶ予想だったのだが、なんとなんと西村が凄まじい3コースのまくり差しで完勝!! 今日は4人で5戦5勝という離れ業をやってのけたのだった。ニシタク君、途中までとは言え、こんな不信感たっぷりの予定稿を書いちゃって、ごめんなさい!><

(photos/シギ―中尾、text/畠山)