BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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宮島レディースオールスターTOPICS 2日目

★エリート軍団の刺客

 まずは、彼女について書かねばなるまい。初日から無傷の2連勝を遂げた118期の戸敷晃美! 昨日は3コースから豪快にまくって181倍、今日は2コースからズッボリ差し抜けて150倍。昨日、「過去2大会の穴女は勝浦真帆」などと書いたが、今節の万舟レディーは文句なしに晃美さんとお伝えしておこう。

 118期といえば宮之原・栗城・新開・板橋・関野文らを擁するエリート期なのだが、やまと学校時代の戸敷は肌寒い境遇だった。リーグ勝率3.95は同期25人中の下から3番目。8.12の首席・宮之原は別格として、6.99の関野からも千切り捨てられていた。初出走から238走目(2年3カ月)を要した水神祭も、同期のワースト3番目(未勝利で引退したふたりを除く)。

 つまり、118期の中では落ちこぼれと呼ぶべき存在だったのだが、デビューから8年が過ぎた今日、彼女を当時と同じ目線で見るファン・関係者は誰一人としていないだろう。GⅡで2戦2勝だし、1年半前には初優出・初優勝も遂げているし、時を前後してA2まで駆け上がってるし。去年のF2が災いしてB級に降級したが、もはや宮島の水面を走る彼女は「118期エリート軍団の中でも上位の存在」と肝に銘じるべきだろう。
 守屋美穂に次ぐ暫定2位の戸敷の明日は、【3R4号艇・11R5号艇】の2回走。2度のダッシュ戦でどこまでポイントを加算できるか、「遅れてきた才媛」のスタートに注目したい。

★瓜みっつ???

 宮島の水面を沸かせているのは、半年後輩の119期も同じこと。いや、それ以上か。昨日の10Rで同期の精神的なリーダー格・土屋南が3コースから豪快にまくりきったと思いきや、同じ27歳の“同級生”も黙ってはいなかった。

【5R】まるで昨日の南に挑戦状を叩きつけるように、③西橋奈未が3コースからウルトラ豪快な一撃まくり! 南とまったく同じような航跡で、南の勝ち時計1分49秒5をコンマ2秒だけ上回った。

【7R】まるで前記のふたりに挑戦状を叩きつけるように、③實森美祐が3コースから超ウルトラ豪快な一撃まくり!! 南・西橋とまったく同じような航跡で、西橋の勝ち時計1分49秒3をコンマ1秒だけ上回った。
 いやぁぁぁぁ、マジで3つのレースの1マークをランダムに見せられたら、どれが南でどれが西橋でどれが實森だが、まったく区別がつかないかも? 興味のある読者におかれては、まるでデ・ジャヴのような“瓜みっつ”のリプレイを見比べてくださいね!

 そうそう、西橋に至っては他のレースでも大暴れ。昨日のドリーム戦の最終ターンマークでSGレーサー遠藤エミを強ツケマイで攻め潰すわ、今日の11Rは櫻本あゆみの豪快なまくりを浴びて必敗形のバック2番手からまたまた猛烈な強ツケマイで逆転の1着をもぎ取るわ、現実離れとも呼ぶべき大技でV戦線の最前線に浮上した。

「西橋、ちょっとモノが違うかもっ!?」
 私と黒須田はいささか呆然とその光景を見つめていたのだが、南と實森はまったく違う色の眼光で同期のライバルを見据えたことだろう。
「アンタにできるなら、私にできないはずがない!!」
 やたらと結束の強い119期の女傑トリオは、まさに切磋琢磨しながら今節も強くなっているのである。

★世にも不思議なモーター物語

 オカルトっぽい話も少々。前検日にも触れたのだが、今季の宮島モーターには実に不思議な“縛り”が隠されている。“呪い”と呼ぶべきか。それは……
「初下ろしから半年=22節も稼働しているのに、いまだ複数回優勝したモーターは出現していない」

 天文学的な数字になるので計算しないけど、これって単純な確率論としてもなかなかにミラクルな事象である。さらにモーターは超抜~ワースト級まで大きなパワー差があるから、通常は3カ月10節ほどで最低でも2Vに輝くモーターが出現しやすい。場合によっては3V、4Vまで偏ることもある。それなのに、今季の宮島では2Vモーターが出現しないまま22節まで消化されてしまったのである。
 ではでは、果たして今節はどっちに転ぶのか。何かしらの呪いの伝播のように、今節も別のモーターが頂点に立つのか。それとも、ようやく23節目にして2Vモーターが出現するのか。あなたは、どっちだと思いますか?
 ってなわけで、初下ろしから前節までに優勝したモーターと今節のパートナーを列挙しておこう。

◎宮島の1Vモーター

11岩崎、13平川、15勝浦、16薮内、19松本、21西村、23堀之内、25藤原、27喜多須、28関野、31今井、35寺田千、39平高、50土屋、59安井、65佐々木、66宇恵、73守屋、75寺田空、76井上、77渡邉、78櫻本

 こうして並べると、3連勝の守屋美穂73号機や実力者の寺田千恵35号機、岩崎芳美11号機などが目白押しで、「今節こそは!」と思われるだろう。だがしかし、2日目終了時点で予選10位に入っているのは守屋と勝浦真帆15号機のみ。その他は、すべて優勝ゼロのモーターが占拠しているのだ。こちらも並べておこう

◎予選10位以内に食い込んでいる0Vモーター

 戸敷26号機、西橋64号機、實森33号機、長嶋80号機、香川32号機、日高18号機、魚谷38号機、米丸52号機、(その他、遠藤67号機、落合53号機など)

 ふふふふふ、さあさあ、あなたはどっち派??(photos/チャーリー池上、text/畠山)