BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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明日は勝負駆け!の3日目後半のピットから

 守屋美穂、5連勝! いやあ、止まらない。10Rは3コースからまくり差した中谷朋子に先行されたものの、2マークで逆転。足はもちろんなのだが、初動のハンドルも早く、機技が見事に噛み合った逆転劇だったと言えよう。
 ピットでは守屋や仲間たちの笑顔があふれる、前半2Rによく似た光景になっていたのだが、今回の笑顔は「あまりの強さにウケちゃってる」感じ。佐々木裕美など「スゴッ!」と言ってから爆笑していたし、何より守屋自身がアンビリーバブル的に笑っていたのだから途轍もない。

 なにしろ、中谷自身、悔しい2着となったはずなのに、守屋と顔を合わせたときには笑みがこぼれていた。前半の前付け1着よりも、むしろスマイルの度合いは大きかったようにも見えた。中谷としても会心のまくり差しだったと思うのだが、それをいとも簡単に追い抜いていった守屋の足色には、脱帽するしかなかったかもしれない。

 守屋は明日、予選ラスト1走で、に残っているのは6号艇。パーフェクトへは高い高いハードルだ。それだけにむしろ楽しみ! 緑のカポックで何を見せてくれるだろう。

 9Rでも3コースまくり差しが勝利を掴みかけた。野田なづきだ。バックでは先行していたものの、2マークで内から川野芽唯が仕掛け、これが好旋回となって逆転を許してしまっている。野田は一気に3番手まで後退し、追いかけたものの悔しい3着。レース後はさすがに厳しい表情を見せており、落胆がありありとうかがえたのだった。

 川野と野田の競りの間隙を突いて先頭に立ったのが、インから差されてしまっていた櫻本あゆみ。プロレス好きの櫻本としては、起死回生のローリングクラッチホールド炸裂!? 奇しくも9、10Rで101期の同期生が続けて逆転勝利をおさめたことになる。櫻本はこの勝利で明日の勝負駆けの条件が楽になったのだから、大きな勝利だった。レース後はタッグパートナーの松本晶恵とともに爽快な笑顔を見せていたぞ。明日の勝負駆けで繰り出す必殺技は何だ!?

 さてさて、今日も今日とて、午後の時間帯は試運転花盛り。若手を中心に、「試」の艇番をつけて水面を駆けまわる選手たちが多かった。7Rで1号艇ながら大敗した安井瑞紀は、レース後はプロペラ調整を行ない、9R発売中に大急ぎで水面へ。宮島の試運転タイムは原則10Rまでと定められているので、あまり時間が残されていないなか、慌てたように水面に降りて行っている。なんとか今日の雪辱を果たさんと、上積みを狙っているわけだ。

 やはり1号艇で大敗を喫している刑部亜里紗も、水面で見られたひとり。予選突破はかなり厳しい状況だが、今日の借りは明日にでも返したいところではある。。

 明日は勝負駆けとなる神里琴音も懸命な試運転。1号艇も控えているだけに、何としても予選突破の思いは強いだろう。前回のびわこ大会では3日目に1号艇で大敗し、ポイント争いから一気に後退してしまっている。今回は予選ラストが1号艇。まずは前半5号艇を切り抜けて、ヒリヒリする白カポックの戦いに臨みたい。

 そして、遠藤エミも遅くまで試運転をしているのだった。今日は6号艇5着で、得点率は6点を切った。明日はやや厳しい条件で勝負駆けに臨むことになるだけに、パワーアップは急務だ。遠藤といえば、レース前にもギリギリまで試運転とペラ調整を続ける一人だが、今日はレース後もとことん、同じ動きを見せていたというわけだ。遠藤としては、ただ予選突破してOKという立場のレーサーでもない。明日は1号艇と3号艇と悪くない枠で、一気のランクアップを目論んでくることだろう。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)