BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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ルーキーズが沸き立つ2日目後半のピットから

 鰐部太空海、6コースまくり一撃! お見事! 初日からいい伸びを見せていた鰐部は、6コースまくりを意識して伸びを仕上げ、目論み通りにまくり切った。足の性質を活かし、腹を据えた思い切りのいいレースぶりで勝利をもぎ取ったのだから、これはもうアッパレの一語だ。間違いなく本日のMVP!

 出迎えたのは中野仁照。昨日の記事にも書いた、大きなアクションでぴょんぴょんと跳ねて鰐部のもとへ。ジンテルくん、おもろいわー。ふたりは登番1番違いの同期生にして同支部。とびきり仲がいい二人の交歓は、実に瑞々しく好もしい光景であった。してやったりの表情の鰐部は、その後も充実感あふれる表情。心中が手に取るように伝わってくる、そんな若者らしい振る舞いはやっぱり気持ちいいですね!

 登玉隼百も好調で、今日は連勝を決めている。10Rは逃げ切り勝ち、ということもあってか、かなり淡々とした様子であった。でも、JLCのウィナーインタビューを見たら、やっぱり気持ちは弾んでいたんですかね。顔つきは淡々と真面目な感じなのに、しれっとギャグっぽい言葉を挟んでくる。この男、なんだかもっと奥がありそうだなあ。ここまで名前をあげた鰐部、中野、登玉が現時点ではルーキーを牽引する状況。水面でも陸の上でもおおいに盛り上げちゃってください!

 今日は団体戦でもルーキーズがリードする展開で、特に中盤戦は見せ場をレディースはなかなか作れなかった。10Rでは富樫麗加が2番手を走ったものの、三馬崇史の切り返しを捌こうとしてキャビり、大きく後退。2番手をキープしたとしてもポイントはルーキーズに持っていかれる様相ではあったものの、単純にターンミスと着を落としたことは痛恨のようであった。

 9Rでは、鰐部のまくりに冷静に対処した平田さやかは2着に粘ったが、大豆生田蒼は猛追実らず5着。女子が内枠を占めたこのレースは何としてもポイントをキープしたかったはずで、鰐部にまくられたことはともかくとして、展開に呑まれて大きな着となったことは無念の一語。レース後の大豆生田は、やはり精気を欠く雰囲気となっている。

 8Rでは中澤宏奈が6着大敗。地元で冴えないレースが続く。レース後には、重鎮・田村美和が中澤に寄り添っている。おそらくアドバイスであろう、田村が中澤に真剣な表情で語りかけ、中澤がうなずく。田村が蓄積してきた経験を授けられることで、リズムを反転させたいところだ。

 この8Rレディース軍で最もキャリアが浅いのが山下奈緒。この山下に寄り添ったのが、高憧四季と上田紗奈だ。年齢のことを言っては失礼だが、高憧も上田も年下の先輩なんですね。しかし、すでに女子ビッグでも戦っている高憧と上田の言葉に、山下も神妙に聞き入る。山下は、デビュー以来4勝をあげていて、うち2勝が江戸川なんですね! 本人は苦手感覚があるようだが、実際は乗りこなしている!? 先輩の言葉と江戸川実績がうまく噛み合って、どこかでアピールできる走りを見せてほしいもの。

 このレースでいったんは連絡みもありそうだった小池礼乃は、2周1マークでもつれるようにして後退。坂本雄紀との競り合いのなかで、展開を捌き切れなかったことは、屈辱的でもあろう。そんな小池には、同支部同期の中川りなが寄り添った。盟友と言うべき中川の言葉が、小池を癒やすことになっただろうか。

 そうそう、今節はレディースではありながら、世代としてはルーキー世代という選手も少なくない。というわけで、これまでのレディースvsルーキーズよりも男子と女子の絡みを多く見るような気がします。たとえば、6コースからまくった鰐部を宮崎安奈が称えていたり。128期の同期生なんですよね。あと、これは今節最年少組の133期生、河内一馬&金子龍斗と樫葉新心とか。団体戦だからライバル同士ではありながらも、やはり同期生というのは心安いもの。水面ではバトルを繰り広げても、陸の上では“同窓会”が展開されたりするわけである。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)