BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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鳴門レディースvsルーキーズTOPICS 2日目

ルーキーズの大逆襲

 この大会は年に2度ある「ボートレーサーの大運動会」?? 2日目の今日も紅白対抗の団体戦にピンスポットを当てつつ、私・畠山なりの雑感をあれこれ添付していきたい。

★2日目の団体戦

※簡単な勝利チームの見分け方。
A=1・2着または1・3着を占拠すれば文句なしの勝利。
B=それ以外は6着を取らなかったチームが勝利。
(スタート事故や失格、反則等のアクシデントを除く)

【5R/紅組が好枠】

 昨日まで7-1と絶好調・紅組のシード戦で、今日もレディース3騎が好発進。特に③西村美智子がバチッと決めて外の白組を完封か?と思いきや、実況アナさんの長く悲痛な唸り声とともに西村=フライングのアナウンス。レースとしてはバック直線で1-2態勢(通常なら紅組の完勝)が出来上がったが、Fの罰則優先で白組がシリーズ初のブレークポイントを獲得した。【白組1-0】

※チョイメモ/昨日の飛田江己に続いて、紅組の西村も副賞10万円の権利を剥奪されてしまった(涙)。西村は昨日まで過去10年で10F。極めて正確に「1年1回ペース」を維持していたが、今年は1月の早い段階で禁断の領域に踏み込んでしまった。『まくり怪獣・美智子さま』をこよなく愛する畠山は「団体戦の4号艇⇒一撃4カドまくり」を楽しみに待っていたのだが、ちゅっと怪しい雲行きになってしまったなぁ……。

【6R/紅組が好枠】

 思わぬブレーク勝ちで白組が勢いに乗るかと思いきや、やはり今節の紅組は選手層が分厚い。①細川裕子が逃げるところ、3コース専属のまくり怪獣③関野文が豪快な握りマイで肉薄! 絞めまくりではなく放物線を描く追い抜きまくりだったから、細川も体を残してあっという間に1=3隊形(紅組の必勝形)が完成した。関野の「インを殺さない握りマイ」は、団体戦の3コースとして教科書に載せたいほどの天晴れな攻撃だった(笑)。【紅組1-1】
※チョイメモ/ターン出口で一瞬だけ関野が出切ったように見えたが、その後のストレート足は細川20号機に分があった。前検でトップ指名した私の見立てほどのパンチ力はないものの、互角以上に戦えるレベルでまずは一安心。2マークの出口から関野をスンッと突き放した押し足もゴキゲンで、今日は及第点のA(出A・直Aのバランス型)を授けたい。

【7R/白組が好枠】

 6R関野の3コースまくりを「天晴れ」とするなら、このレースの③濱野斗馬のまくりは団体戦としては「喝!!」。内2艇をゴリゴリに押しつぶすような絞めまくりで、1・2号艇殲滅⇒紅組ブレークになっても不思議じゃない強引な攻めだった。幸い②仲本舜が昨日に続く素晴らしい道中の立ち回りで3番手に進出。団体勝利の方程式1・3着を築いてコトなきを得た。【白組2-1】
※チョイメモ/団体戦では「喝」とした斗馬まくりだが、個人戦としては特大の「天晴れ」だ。妥協のない1着取りで無傷の3連勝とし、シリーズリーダーの座を堅持。このままトップで準優1着なら、団体戦にも多大なアドバンテージをもたらす「ファイナル1号艇」を勝ち取ることができる。ポイント合戦で劣勢な白組としては、「斗馬にこのままトップを独走してもらう」というのも有力な作戦でもあるのだ。

【8R/紅組が好枠】

 いよいよ本格的な白組の逆襲が始まった。このレースは不利な外枠から、⑤宮脇遼太が華々しい個人技でバック突き抜けた。スタートからして泣く子も黙るコンマ01。他の5艇もすべてゼロ台だったが、スリット後の勢いも宮脇がピカイチ。速くて大きな放物線を描き、艇団のど真ん中を一瞬にして切り裂いた。なんちゅう切れ味!! 2着はインから①大豆生田蒼がしぶとく残したが、3着に④渡邉健が飛び込み2レース連続の1・3着を築きあげた。【白組3-1】
※チョイメモ/2020年11月デビューから、22年1月の初勝利まで1年2カ月を要した宮脇クン。以来2年間で30勝目の区切りとなったが、そのうち5コース6勝となかなかの5コース巧者。内訳は【まくり2勝・まくり差し3勝・抜き1勝】で、今日の豪快な攻めっぷりがデータにも表れている(←レース後のチェックで初めて知りましたw)。今節はもう5コースがないかもだが、「宮脇の5コースは軽視禁物!」と肝に銘じておきたい。

【9R/白組が好枠】

 シード番組でさらに加速したい白組だが、紅組も黙ってはいない。人気の盲点だった④藤堂里香が4カドから伸びなり一気の絞めまくり!! これは恐れ入った。「藤堂さんのまくり」といえば3コースが主流で、4コースまくりは昨日までデビュー16年ちょいで3勝のみ。そんな超レアな勝負手を繰り出すあたり、やはり「団体戦」の意識が強かったかも? 果敢な絞めまくりだったから、⑤高憧四季~⑥平高奈菜もそれぞれの差し場を見出して3・4番手をキープ。2着は取りきれなかったが、「どっちが先着しても1・3着で紅組必勝」の構図を作り上げた。【紅組2-3】

※チョイメモ/「どっちが先着しても」の四季vs奈菜は、個人戦としては火の出るようなデッドヒート。2周1マーク、四季がやや行き場を逸して減速した瞬間、奈菜がえぐり込むような全速差しで体を入れ替えた。紅組のエースとしての貫禄を見せつける逆転劇ではあったが、現状の足色はやや物足りないところ。むしろ再逆転を狙って縋りついた四季18号機の方が全体的に優勢な見え方だった。この大会の2度目のVへ、もうひとパンチ付けたいところだ。

【10R/紅組が好枠】

 8R・9Rと連続した外枠勝利=ブレーク合戦はまだ終わらない。このレースも4カドの④相馬翔がスタートを張り込んで一気に絞めまくり! この猛攻を紅組の団長②岩崎芳美~①池田浩美が捨て身で抵抗し、3艇が流れ飛ぶ乱戦に。その間に③喜多須杏奈と⑤若林樹蘭がズボズボ差し抜けてバック一騎打ち。わずかなリードを杏奈が守りきったが、残念なことに1マークで徹底抗戦した内2艇に追撃の余力なし。岩崎4着・池田6着という重い着順に甘んじ、白組に再度のブレークを与えた。【白組4-2】
※チョイメモ/若林はこれで3戦連続の2着! 白組としては「ピンピンピンの斗馬が大将、222の若林が副将」というスッキリした布陣が出来上がったのではなかろうか(笑)。さらに333がいれば完璧すぎる布陣なのだが、残念ながらそこまで出来過ぎの選手はいなかった(笑)。

【11R/白組が好枠】

 3連続の番狂わせから一転、このレースは①為本智也が逃げて②垂水悠が差して③山崎祥が握って、早々に上位グループを形成。ここに4カドから④今井美亜が必死に食らいついたが、団体戦としては何がどうあっても白組勝利という盤石の城を築き上げた。結局、今井の追撃も完封し、今日イチ鉄板の123ダァーー決着。【白組5-2】
※チョイメモ/先に「若林樹蘭が副将」などと決めつけたが、なんのなんの、逃げた為本はドリーム4着から今日は2・1着と尻上がり。垂水は352着とムラがあるもののチルト3度の勝負手があるから大外枠でも不気味。さらに3着の山崎は昨日の6コース3着~今日も1・3着と実に安定した走りっぷり。斗馬の大将は動かないとして、白組の副将・先鋒あたりはまだまだ予断を許さない状況だ。

【12R/紅組が好枠】

 昨日の紅組7-1とは真逆の展開を見せる2日目。最後の最後は、団体戦として実にスリリングな展開になった。まず4カドから怪しく飛び出したのは、沖縄のイケメンにしてデビュー1勝の④城間盛渚クン。ただ、ちょっとした閉めまくりは③西岡成美に完全ブロックされて万事休す。その間に①海野ゆかりが逃げて②堀之内紀代子が差して、文句なしの紅組必勝隊形が出来上がった、かに見えた。
 だがしかし、城間クンの絞めまくりは無駄ではなかったのだな。外から⑤小林孝彰~⑥香川颯太が展開を突く差しハンドルで追走。1周2マーク、最内からじんわり伸びた颯太が堀之内に艇を合わせて抜き去り、一気に紅組必勝の布陣を崩落した。堀之内は大外にぶん流れて最後方まで後退。そのまま禁断の6着に甘んじ、白組のサヨナラ逆転ホームランとなった。【白組6-2】
※チョイメモ/ここにも白組の副将候補がもうひとり。昨日から1・2・2着と活躍している小林16号機は、おそらく節イチ級のパワーだ。ターン回り~出口の押し足が強力だし、引き波も苦にしないし、突き抜けるほどではないもののスリット近辺の行き足も上位級。つまりは全部の足が強力なバランス型で、たとえば優勝戦の3号艇になったりしたら外の紅組を止める防波堤にもなりえるだろう。

 ってな流れで、2日間の総合ポイントはこうだ。

   ★合計ポイント★
 紅組97白組

 あっという間に白組が肉薄!! ぶっちゃけ、両チームの内枠シードは【紅組10vs白組6】だからして、事実上の逆転と言ってもいいんではなかろうか。3日目はシード番組が4対4の中でどっちサイドに揺れるのか。明日も両軍の戦いぶりに注目したい。(photos/チャーリー池上、text/畠山)