想像はしていたけれども、早くから着水して試運転に励む準優組が少なくない。レディースチャンピオン初出場にして準優進出を果たした平川香織もその一人。立場的にはチャレンジャーだろうだから、やれることはやり尽くして、全力で臨むというところか。エンジン吊りでの様子などを見ると明るさがあり、緊張している様子はうかがえない。
三浦永理も早くから下ろしていた一人。予選突破を果たしたのだから悲観するような足ではなかろうが、もうワンパンチ欲しいのも確かで、そのあたりを模索する作業だろうか。
細川裕子も同様。ターン回りは軽快と見え、細川にとってはある種の生命線でもあるが、準優前にさらに万全を期したいところだろう。すれ違いざまに挨拶をしてくれたのだが、実にハツラツとしていて、気分上々という雰囲気と思えた。
早朝からピットで撮影していた中尾カメラマンによると、渡邉優美はピット入りしてさっそくボートを整備室に持ち込み、調整を行なっていたそうだ。レースが始まってピットに行ってみると、すでにボートは着水されていて、試運転を行なっていた。２Ｒ発売中にはいったんボートを陸に上げ、ペラを外して調整に取り掛かる。表情はかなり引き締まっており、やはり気合は節イチと見える。
そうしたなかで、普段なら朝からボートを係留所につけている遠藤エミのボートが装着場にあったのである。ペラ調整所で姿は見たが、遠藤のルーティンである、調整して係留所に降りていき、乗って、またペラ調整所へ、という動きが早い時間帯には見られなかったのである。足にかなりの手応えあり、そう思えるのだがどうか。だとするなら、連覇はかなりの高確率とも思えてくるわけである。３Ｒは本番待機室で仲間とともにレース観戦していたが、ここで遠藤の姿を見るのは少なくとも今節は初めてだ。
ところで今日は最終日前日ということで、ボート洗浄日なのである。１Ｒと２Ｒは全員が２回乗りなので行なわれなかったが、３Ｒは１回乗りの今井裕梨のボートを洗浄。さらに初日に途中帰郷した中里優子のボート（113番）、交換になった浜田亜理沙の元のボート（170番）も一緒に洗浄されている。選手が集合して一気に洗浄作業は行なわれ、もちろん準優組も一般戦組も関係ない。今井のボートには群馬支部勢が集結し、もちろん櫻本あゆみも土屋千明も参加しているわけである。
130番と170番は特に支部など関係なく、若手が中心に洗浄。ここには渡邉も参加していて、これは地元勢としての責務といった感じか。準優組はほかに平山智加の姿も見えていた。あと、ベテランなのに岩崎芳美が参加。にこやかにボートを洗っているのだった。
そして、寺田千恵も参加しようと足を止めていたのだから頭が下がる。もはや大勢が参加していて入り込む隙間がほぼなかったので、じゃあいっかと後輩たちに任せる格好になっていたが、隙あらば参加しようという姿勢が素敵だなと思った次第であります。そういう先輩に私もなりたい。（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 池上一摩 ＴＥＸＴ／黒須田）
