BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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強風に立ち向かう準優組!5日目前半のピットから

 昨日に比べるとかなり風が強く吹く蒲郡水面。安定板は着いていないが、水面はなかなかの波立ちだ。昨日のYouTube「週刊BOATBoy」でインタビューに登場してくれた守屋美穂は「乗り心地がまるでダメ」と嘆いていたわけだが、「この風と水面で、もっと乗り心地が……」と苦笑い。すでにボートは係留所にあったので、試運転をしてみての感想ということになるだろうか。もちろん諦めることなどまったくなく、調整所に根を下ろしてプロペラと向き合っている。9Rまでに不安を解消すべく、ペラとも水面とも真っ向勝負である。

 というわけで、ペラ調整所にこもっているのは守屋だけではない。というより、この荒れ水面を乗りこなさんと、準優組(だけではないが)の多くがペラ調整に勤しんでいる前半のピットなのである。だから、装着場や係留所は閑散とした雰囲気であり、準優組に関しては試運転をしている選手もあまり見かけなかった。係留所には準優組のボートが守屋のそれを含めて何艇かあるのだが、序盤の時間帯に水面に出ていったのを見たのは山下友貴のみ。つまり、“朝特訓”で乗ったあとに調整所に入って、ハンマーを振るっているというわけなのである。

 装着場にボートをあげている準優組も多い。とにもかくにもペラ調整優先、といった面々だろう。事実、準優組のボートを見ると、すべてプロペラが外れていた。荒れ水面の攻略策を練っているのだろう。そのなかでもいち早く動いたのは松本晶恵。ペラ調整に一区切りをつけるとモーターに装着。そのままリフトへとボートを運び、水面へと飛び出していった。松本といえば、レースギリギリまで試運転とペラ調整を続けている、ギリペラ勢の一人。9Rまでに、その動きを続けることになるのだろう。

 大山千広もボート回りで作業を行なっており、着水は近いだろうと思わせる様子を見せていた。昨日も書いたが、長欠からの復帰戦となった今節、しっかりと予選を突破したのは本当にたいしたものだ。しかし、ここまで来たからには、もうレース勘がどうのこうのとは言っていられない。今日は優出に向けて全力投球するのみだ。その気合に期待しよう。

 そして、次に動いたのが予選トップの遠藤エミ。この人は舞台がどこであろうと、予選トップと好調だろうと、本当に動きは変わらないのである。3R発売中には着水しており、ここからはやはり試運転とペラ調整を出番まで続けていくはずだ。いつでもどこでも、決して油断などすることなく、ひたすら全力投球。そこに遠藤エミの強さの根源がある。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)