BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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優勝戦 私的回顧

強すぎて強すぎて

12R優勝戦
①遠藤エミ(滋賀) 11
②渡邉優美(福岡)   11
③櫻本あゆみ(群馬)13
④藤原菜希(東京) 09
⑤浜田亜理沙(埼玉)12
⑥細川裕子(愛知)   16

 史上最強女子レーサー遠藤エミが勝った。もぉぉぉ、当たり前に強かった。北口榛花や藤波朱理と同じくらい強かった。今節、どんだけ強かったかというと
相棒18号機は「虎に翼」の抜群機(実況さん、ナイス!)だし、

それを5日目までに自称「節イチ」まで育てあげたし、

準優はケタチの上りタイムでぶっ千切ったし、

なんなら今日は準優のコンマ14より早い絶品スタートだったし、

4カド菜希が絞め込むのが見えたのに焦らず騒がずターンマークを舐めるような完璧なインモンキーだったし

これで直近4年で3度目のレディチャン制覇だし、

今年の獲得賞金4352万円も浜田を1000万ほど追い抜いて女子のダントツ1位に君臨したわけだ。

 以上、あまりにワンサイドの完勝すぎて書くべき要素が少ないので、上げ底のようにシギ―中尾の写真を使わせてもらった(笑)。これ以上、何を書けばエミの強さを増幅できるだろうか。あ、もうひとつだけ。
この優勝で来年のSGクラシックの権利もガッチリ掴んだし!

 エミにとって、今日の金メダルでコレがいちばん嬉しい“副賞”だったかも? うん、コレも毎年のように書いてきた気がするな。ガチで書くことがなくなった。そもそも、こんな最強の金メダリストを舟券で蹴とばした私に、能書きを語る資格すらありませんわな。今日のところは、これで筆を置かせていただこう。
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 と思ったけど、ちょこっとだけ蛇足をば。今節の売上(約98億円)は目標の110億円を大幅に下回った。ハナから目標設定が高すぎたのかもだが、大きな要因のひとつとして守屋美穂、田口節子、西橋奈未、高田ひかる、香川素子、中村桃佳、鎌倉涼など、多くのドル箱スターの不在があったのではないか。
 とりわけ、4月の児島GIの準優でFを切ったあの選手の不在が、売上に与えた影響は少なくないはずだ。SGオールスターのドリーム戦に選ばれるような大スターは、それぞれ多大な固定ファンを抱えている。私の周囲にも、熱狂的な彼女推しが何人もいる。そして
「見ててください」
 と言ってくれる彼女を見れない今節、熱量ダダ下がりで「優勝戦だけちょこっと参加します」みたいなメールをくれる輩が多かった。

 果たして、これてでいいのだろうか。
 多摩川オールスターの最終日と同じようなことを、また思う。私が危惧するのは今節の売上への影響だけでなく、そうしたファンの熱量のダダ下がりが、ボートレースへの熱量のダダ下がりに直結するのではないか、というあたりだ。
 何度か書いてきたが、旬のスター選手はその時季時季の売上を左右するお宝商品だ。そのお宝をもっとも見えやすい棚から隠すのではなく、もっと別の視点からフライングのあれこれを見直す時期ではないだろうか。ここから先はオールスターの末尾と重なるので、今度こそ筆を置かせていただこう。(photos/シギ―中尾、text/畠山)