

海野康志郎がオレンジベスト! ピンクですけど、オレンジベスト。重量調整ベストの通称だ。つまり、海野の体重は52kgを切った! 出走表を確認すると、51・5kg。前検日に58kgで入ったのだから、ものすごい減量である。かつては60kg台で走ったこともある重量級の海野が、ここまで絞った。昨年夏頃から減量に取り組んできたのを、現場でではあるが見てきたが、ついにベストにまでなったか。その根性にはとにかくひれ伏すしかないし、そしてこの準優にどれだけの気合を込めているかを如実にあらわしていると言える。結果がどうとかではない。もうこの事実に尊敬するしかないのである。

誰もが気合を込めて臨んでいるSGだが、準優ともなればその度合いが一丁も二丁も引き上げられるような気がする。それをとりわけ感じたのは関浩哉。このところ以前よりもずっと逞しい顔つきになったと感じていたけれども、今日はそれをより強く感じたのだ。昨年のグランプリで準Vとなった後、関には「もうちょっと、ですかね」と問いかけられている。そのくだりはグランプリのピット記事にも記しているが、あのとき関のなかでSGへの思いが強まっているのだと伝わってきたものだ。あの準Vを経て、今年のSG戦線が始まりさらにそれが強くなってきたのではないか。僕はそんなふうに捉えている。今日の結果がどうなるかはともかく、決意をもって戦う準優になるのではないかと、そう思える関の表情だったのだ。

1号艇で準優を迎えた宮地元輝の表情もまた、昨日のレース後よりはずっと引き締まっている。ちょっと緊張しているのか、と思ったりもするが、やはりSG準優1号艇は特別なものであろう。しかも、予選2位ながら12Rに指名されたのだ。この男が意気に感じないわけがないではないか。SG準優1号艇はこれが初めてではないけれども、気持ちの入り方は以前よりも強くなっているかもしれない。

白井英治が朝からボートを水面に下ろし、試運転を行なっていた。前にも書いたことがあるが、白井は賞典レースのときでも動き出しは遅い部類。しかし今日は、朝イチから水面に出ているのだから、これはなかなかレアなケースだ。もちろんまずは、機力に対して気がかりな部分があるということが大きいだろう。同時に、それを何としても解消しようという白井の思いも感じざるをえない。

水面にはほとんど影響はないけれども、台風が再接近している5日目。気圧をはじめとする気象状況にしっかり対応する必要がある準優日である。ということもあってか、白井に限らず、普段よりも準優組の動き出しが早いようにも思える。馬場貴也もまた、1R発売中には試運転を行なっていて、つまり1号艇組が早々に水面に下りていたというわけである。

白井よりもさらに動き出しが遅いタイプである守田俊介もまた、2R発売中から水面に出ていく準備を始めていた。これもまたなかなか珍しい光景だ。ほかにも渡邉和将、仲谷颯仁の外枠組やも早くに水面に出ていて、石渡鉄兵は1R発売中からペラ調整に没頭している。塩田北斗や大上卓人も3R発売中あたりから調整を本格化させているようだった。

そんななかで、2日目からまったく変わらないのが峰竜太。今日もゲージ擦りのテーブルで作業をしているのだった。モーターへの信頼度がそれほど高いということだ。準優組で節イチはやはりこの男か。その余裕がまた非常に脅威なのである。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)