大村の整備室は、ピット(装着場)に足を踏み入れて
すぐの右手にある。ガラス張りということもあり、
まず目に飛び込んでくるのはここだ。
13日 山川美由紀 日高逸子
14日 山川美由紀
15日 山川美由紀
朝ピットに入り、最初に目に飛び込んできた選手たち。
そう、3日連続で山川だ。ということはつまり、
3日連続で山川は朝から本体整備をしているのである。
今日は、平山智加がその様子をすぐそばで見守っていた。
1R後には、レースを終えた西坂香松も駆けつけている。
若い2人には、その背中が大きな大きな糧となろう。
賞金女王決定戦トライアル最終戦。12聖女たちは、
勝利の執念を燃やしてラストバトルに向かう。
●決定戦●
雨模様なのは昨日と変わらないが、湿度が80%を超え、
気温も上がっている。こうなるとさすがに
感触も変わってくるだろうか。あるいは、それとは無関係なのか、
とにかく決定戦組の動き出しは今日も早い。
三浦永理や宇野弥生、横西奏恵などが1R発売中から
水面を駆けており、しかしこれは昨日も見た光景だったな、と思い出す。
寺田千恵もわりと早めに動いているが、
少しだけ表情に変化が生まれたように思えた。
「レース前になると顔が変わるって、よく言われる」とのことだが、
たしかにレースを目前に控えている時間帯には、
顔つきが相当に厳しくなる。目が合えば笑顔を向けてきたりもするが、コンマ15秒後には顔が険しくなっていたりするのだ。
今朝の寺田がまさしくそんな様子だった。
レースは6時間後なのに、すでに戦闘モードに突入している様子なのだ。これが決定戦勝負駆け、というものだろうか。
反対に、日高逸子はやけにリラックス模様。
ピンピンで得点トップ、優勝戦当確の余裕?
地上波放送MCの荻原次晴さんと記念撮影をしたり、
それを見て「私も~」とやって来た徳増宏美さんの
記念撮影のカメラマンを務めたりと、
なんとも微笑ましい時間を過ごしていた。
もちろん、調整もしっかり。気を緩めているわけではない。
ただ、寺田の表情とはいかにも対照的で、
感じ入るものがあったという次第である。
表情ががらりと変わっていたというなら、
田口節子をあげなければならない。
鬱々とした様子を見かけることが多い今節だったが、
今朝は楽しそうに笑っていたのだ。
その笑顔を引き出したのは、我らが池上カメラマンだ!
ももクロファン(モノノフと言わなきゃ怒られる?)の二人は、
女子王座のピットなどでも話し込んで盛り上がっていたものだが、
今節のももクロ談義を本日解禁!
節ちゃんらしい笑顔が爆発したのであった。
その様子に気づいた他のカメラマンさんたちも、
節ちゃんが笑うたびにシャッターを切りまくる。
節ちゃんの気持ちがほぐれて、それがレースに
好影響を与えたとするなら、チャーリーは影のMVPかも!?
●シリーズ戦●
決定戦は勝負駆けの今日、シリーズ戦は準優勝戦である。
通常と違い8Rに一発目が組まれているから、
準優に進出する選手たちの動きもやはり早い。
山下友貴、犬童千秋、喜多那由夏といったあたりが、
係留所からピットへと早足や駆け足でやってくるのを、
複数回目撃している。
整備でパワーアップをはかる選手ももちろんいる。
平高奈菜はギアケース調整。
田口、角ひとみら決定戦組に混じって、懸命の調整をしていた。
もともと気合ほとばしるタイプの平高だが、
準優ともなればさらに気合のレベルは上がる。
凛々しい目つきは、女性に言う言葉ではないかもしれないが、
なんともカッコいいものだった。
そうしたなか、武藤綾子が実に悠然としているのが印象に残る。
まだケブラー類を着用もしていないようで、
2R発走直前になって作業の準備を始めている。
パワーに不安なしか? 8R4号艇。
内に攻めっ気強い平高がいるだけに、
気になる存在になってきたぞ。
あと、海野ゆかりと岩崎芳美も急いだ様子が見えなかった。
準優1号艇の実力者、さすがの余裕である。
(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)