THE勝負駆け!!
“ゴボー抜き”トップ当選
誰が讃岐の『うどんボンバー美由紀』(←誰も言ってませんが)
を止められるというのか!?
9R、「ここを勝てば、無条件でトップ当選確定」という立場だった
山川美由紀。が、5号艇という予断を許さぬ枠番だ。
1着=予選トップも、逆に大敗なら
準優1号艇も危うくなるという正念場の一戦。
男女混合のGIも制しているこの女傑に、迷いはなかった。
5コースからコンマ11全速で、半艇身ほど覗いたスリット。
内の鎌倉涼に抵抗されたが、
これを叩き潰すようにして強引なまくり差しを繰り出した。
が、抵抗されて仕掛けが遅れた分だけ、
先行艇に届かない。逃げた水口由紀、差した角ひとみから、
2艇身ほど後方の3番手。
さすがに自力での予選トップ当選(1着限定)は苦しいか、
と見ていたバック中間。山川26号機が唸りをあげた。
伸びる、伸びる。讃岐うどんは延びないのが自慢、
としたものだが、この伸びはどうだ。
2マークの手前で楽々と2艇を捕まえ、
豪快なモンキーターンで突き抜けてしまった。
そのサイドの掛かり具合といったらもう、
讃岐名物『日の出製麺』釜玉うどんの如き
シッコシコの歯応えだったなあ。
決まり手は、「抜き」でもなんでもない「まくり差し」。
私の目には「ゴボー抜き」に見えたぞ。
うどんにゴボ天は欠かせないけど。
勝ちタイム1分48秒4は、
断然のシリーズレコードだった。
山川美由紀、10R以降を待たずに予選トップ確定!
次の10Rで当面のライバルだった平山智加が、
衝撃的な全速の6コース差しを決めた。
鵜飼菜穂子は、前付けイン奪取から2着に粘った。
が、どんなに頑張っても、
予選のシリーズリーダーにはなりえない戦いだった。
この10Rの段階で、準優1号艇になるべき3選手も
すべて確定してしまった。1位・山川、2位・平山、3位・鵜飼。
おやおや、これは……
私が前検でTOP3に指名した3人がそのままっ??
いや、別に自慢したいわけじゃないです。
自慢じゃないけど、SS山川、S平山・鵜飼で、
そのまま予選もトップ3ってあなた。
いや、本当に自慢するつもりなんか、
さらさらないんですってば、ムフフ。
え、それでなんで舟券がまったく当たらないのかっ?????……………………沈黙。
とにもかくにも、山川の足は(前検からw)凄いことになっている、
とお伝えしておきます。
執念のボーダー死守
18位ボーダーラインを巡る争いも、
今節は比較的穏やかだった。
昨日の19位以下から逆転で準優に進出したのは、
廣中智紗衣、守屋美穂、長嶋万記の3人のみ。
ともに昨日まで25位以内だったから、
起死回生の勝負駆け成功というイメージはない。
むしろ凄まじい「勝負駆け」のオーラを発していたのは、
18位圏内にいたふたりの元女王だ。
海野ゆかりと、寺田千恵。昨日まで
15位の海野と、18位のテラッチが、
このままの順位で満足するはずもない。
まずは6R、ワースト級のパワーに苦しみ続ける海野が、
クランクシャフトを交換してレースに臨む。
この“ギャンブル”がどこまで反映されたか微妙だが、
5コースから渡辺千草のまくりに連動して
渾身のまくり差しを決めた。
展開が味方したとはいえ、
見た目にも最悪なあのパワーで
節間3勝したのは凄すぎる。
さまざまな大整備も含め、執念の3勝、
根性の予選突破と言っていいだろう。
続く7Rは、2コースのテラッチが、
ゴリゴリグリグリと舳先を無理やり突っ込むような
差しハンドルで他を圧倒した。
これは執念や根性というより、
女王のプライドか。
「この私が、18位なんかで喜ぶわけがないじゃない!!」
そんなターンに見えたな。
その風情こそ違え、海野もテラッチも
鬼気迫るターンでポイント=順位を跳ね上げたのは、
流石の一語だ。
そして、勝負駆けの1日が終わってみれば……4
000番台が9人で、
3000番台も9人(実はひとりだけ2000番台がw)。
4000番台は、もちろん現役クイーン田口節子以外は
すべて女王経験のない“プリンセス”ばかり。
一方のベテラン勢には、
6人の元女王が含まれている。
その6人が準優の各レースに2人ずつ分かれて、
小娘たちを蹴散らすのか。
それとも、現役女王を擁するお姫様軍団が、
スピード満点のターンで元女王軍団に引導を渡すのか。
そんな視点で、準優~優勝戦を観戦するのも
なかなか楽しいと思うのだが、どうか。
私が応援するのは……
バレバレだけど、まだ内緒。
(photos/シギー中尾、text/H)