賞金王の勝負駆け状況
節間成績 21日 22日
⑨今垣光太郎 ⑤④⑥④⑥ 6137万→6152万
⑩山崎智也 ①④④④ 5946万→5956万
⑪白井英治 ⑤①⑤②① 5903万→5935万(智也と21万円差!!)
⑫池田浩二 F休み 5589万
――――――
池田との差 白井との差
13中島孝平 ①①②④ 5500万→5510万 -79万 -425万14辻 栄蔵 ⑤③⑤① 5246万→5266万 -323万 -669万15原田幸哉 ③⑥⑥④ 5109万→5118万 -471万 -817万16服部幸男 ④⑥①① 5028万→5047万 -541万 以下はチャレカ優勝のみ逆転
17菊地孝平…F休みで終戦
18吉田拡郎 ①②③④ 4930万→4940万 -649万
19平石和男 ④③⑥③ 4665万→4675万 -914万
20魚谷智之 ③⑤②⑤ 4651万→4659万 -930万(ほぼチャレカ優勝条件)
21齊藤 仁…以下はとにもかくにもチャレカ優勝条件。
※千円単位は切り捨て。
前半~V候補4人、戦線離脱~
波乱水上。賞金王ボーダー付近の有力どころが、
3日目にして続々とV戦線から消え去った。
まずは1R、4カド今垣光太郎が絶好の差し展開から、
引き波をまったく越えられずに4着敗退。初日から⑤④⑥④着では、
残り2戦での挽回は不可能だ。この着順どおりの、ひどすぎる足だ。
同体の敵と同じスピードで旋回しても、ターンの引き波で
ブレーキが掛かり、軽く2艇身はずり下がる。
S一撃ならともかく、少しでも揉まれたらアウト。
もちろん、よほど素性が悪いエンジンだったのだろうが、
3日間の整備で少しも良化できなかった(私の目にはそう映る)のが
気になる。このままだと、ヤバイぞ、光ちゃん!!
まあ、賞金ランク9位の今垣はここで予選落ちしても、
まだ90%以上の確率で賞金王への可能性が残されている。
2Rでは、賞金ランク15位の原田幸哉が4着に敗れ、
予選突破が絶望的になった。これすなわち、
賞金王への道も閉ざされたことになる。幸哉は初日から
自力まくりや突進、切り返しなど、随所に気合いのほとばしりを
見せた。勝負駆けスピリットに溢れていた。
が、そうした強攻策のすべてが裏目に出て、着を落としてしまった。
正味のパワーが足りなかったし、リズム・運も悪すぎた。
そして、このレースでは28位の濱野谷も予選落ちがほぼ確定した。
2連率53%の評判機をまったく生かせず⑤⑥③⑤着……
同じく50%超の中辻44号機がそのまま節イチ級のパワーを
披露しているだけに、その彼我の差は哀しいばかりだ。
「ここを優勝して、賞金王リベンジ&地元の総理杯チケット獲得
を成し遂げてくれ」 そんな東都ファンの夢が、わずか4戦で潰えた。
続く3R、昨日まで⑥⑥④着でもう3連勝するしかない赤岩善生が、
悲壮な覚悟で水面に臨んだ。ピストン2本、ピストンリング4本交換。
6号艇で2コース奪取。スリットはコンマ11、トップスタート。
今年最大の勝負駆けとして、やるべきことはすべてやった。
悲壮な覚悟を、すべて行動に替えた。
そして、その結果が6着だった。何をどう足掻いても、
ターンマークごとにずるずると後退していった。
2年連続で賞金ランク13位に泣いた悔しさを、
今年は最終日まで持ち込むことさえできなかった。
かけるべき言葉もないが、今日の赤岩は漢の勝負駆けに徹した、
と私は思う。結果が伴わなければ、まるで意味はないのだけれど。
後半~ふたりの再生~
4人の有力候補が散った前半戦。後半は、
一転してボーダー付近のレーサーに光明が射した。
再生の光、というべきか。
7R、重い着順を獲ればやはり賞金王戦線から脱落する
ランキング16位の服部幸男が、乾坤一擲の逃げを決めた。
実況アナが「ぐわあっ!!」という驚嘆の叫びを挙げたスタートは、
コンマ01!! パワー劣性を自覚しているであろう服部にとって、
勝つべき手段はスタートしかなかった。
行くしかないタッチスタートだった。
昨日の鮮やかなまくり差しに続く連勝で、
初日の④⑥という大きな借金を、ほぼ返済した。
それでも、明日の服部に残された枠番は、4号艇と6号艇。
崖っぷちの勝負駆けは続く。
続く8Rをコンマ08のトップSで逃げきったのが、
今節のキーマン白井英治だ。賞金ランク11位。
すぐ後ろをひた走る中島孝平などに、
追撃ミサイルをロックオンされている。
万が一にも予選落ちしてしまうと、そのミサイルの的中率は
格段に上昇してしまう。 そんな針のムシロの状況で、
今日の白井は前半の2着とこのイン逃げで18ポイントを上乗せした。
これはでかい。明日は2号艇で4着以内なら、準優当確ランプが点る。それは、賞金王への限りなく当確に近いランプでもある。
「悲願のSG初制覇は、賞金王決定戦かも」
時折、私はこんなことを考えるのだが、とりあえず一歩一歩、
白井は頂点への歩みを進めている。
中辻、トップ驀進!!
一方、賞金王へ優勝しかないランキング下位の中辻崇人が、
今日もガッチリ首位を守りきった。8Rの白井のイン逃げは許したものの、3コースから落ち着いた捌きで2着を取りきった。
3着の湯川浩司もかなりの上位級パワーだと思うのだが、
そのしつこい追撃を要所要所で突き放していた。
相変わらずの超抜、おそらく節イチ。
明日の中辻は9R5号艇の1回走。もちろん、
これを勝てば予選トップ通過だし、2着でも予選2位以内が確定する(12R6号艇の瓜生が1着だった場合のみ2位にダウン)。
パワーもリズムも文句なし。残るは、これから徐々に
押し寄せるであろう精神的重圧との戦いか。
ダービーではシリーズリーダーを守った川北浩貴が、
最後の最後でプレッシャーに負けた。今節のリーダーはいかに??
嗚呼、それにしても、勝負駆けデーだというのに、
万太郎が一本も出ないとは……惨敗っ!!
(photos/シギー中尾、text/H)