BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――朝! トライアル初戦の朝!

 

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「おはようございます!」 装着場の隅っこで

出走表を眺めていたら、元気な声がかかった。

顔をあげると笑顔の平山智加。思わず姿勢を正して、挨拶を返す。

う~ん、爽やかな朝だ。そして、智加ちゃん、素敵! 

昨日は神妙な表情も見かけたが、今朝はなんとも自然な笑顔。

いいトライアル初戦の朝を過ごせているようだ。 

さあ、賞金女王決定戦トライアルが始まる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●決定戦●  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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平山と対照的に見えたのは、やっぱり田口節子。

どこか思いつめたような表情にも見えてしまうのは、

昨日の様子が先入観としてあるからなのだろうか。 

試運転を終えた田口はギアケースを外して整備室に向かった。

ちょうどその頃、日高逸子と山川美由紀が本体整備中。

はからずも賞金トップ3が整備室で顔を合わせることとなっている。

3人で会話する様子もあったが、さすがに先輩との会話では

田口も柔らかな表情となっていた。  

 

 

 

 

 

 

 

 

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そう、山川と日高はいきなり本体に手をつけている。

作業の早さはさすがというほかないが、昨日の会見で

パワー不足を嘆いた両ベテランはさっそく上昇を期した動きを見せていたわけだ。ただ、日高も山川も表情に深刻さは

あまり感じられなかった。山川「優勝してよ!」

永井聖美「山川さんこそ!」山川「もっちろ~~~ん!」 

ピットにも響いた永井とのそんなやり取りはなんとも微笑ましいもので、声にも力強さがあった。

 

 

 

 

 

 

 

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白石桂三「おはよう」日高「あ、おはようございます。副会長!」  

公務でピットを訪れた白石桂三選手会副会長に日高は、

実に嬉しそうな表情を見せていた。「副会長!」には「よっ、副会長!」という冷やかしの響きも感じられたほどだった。

6月に副会長就任してから初対面なのかな? 

ともあれ、日高も山川も、パワー不足にもまったく下を向いてはいないのである。 トップ3に限らず、決定戦組の動き出しは早い。

1R発売中に試運転を繰り返し行なっている選手も多く、

少々ゆったりめの始動は寺田千恵くらいだっただろうか。  

 

 

 

 

 

 

 

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ただ、この後には多くの選手がペラ調整などに忙しくなることだろう。

角ひとみが日高に「まだわからない。だって今は暖かいでしょ」と

話していたように、今日は気温が高くなっているのだ。

これが11、12Rの時間帯にどうなるかは、

しばらく様子を見る必要があるだろう。

朝の段階で合わせた調整が、レース時にも合っているとは限らない。誰もが初めて体験する短期決戦、モーターが好調だろうと忙しい時間を全員が過ごすのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

●シリーズ戦● 

 

 

 

 

 

 

 

トライアルが始まるからといって、

シリーズ組の動きが変わるわけではない。

シリーズ組にとっては、大事な大事な予選3日目。

今後の進路が左右される一日だけに、

トライアル組がどうこうなど頭にはないだろう。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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本体整備は平田さやか。得点率的にはかなり苦しい状況となっているが、もちろん諦めてなどいない。山川美由紀より先に

整備室に入っていたのが平田で、懸命の整備を

1R発走直前まで続けていた。整備を終えてボートに装着を始めると、渡辺千草が様子をうかがいにきて、声をかける。

先輩も心配して、アドバイスを送ってもいたのだろう。

平田は4Rで2着。整備が効いたのだろうか。

だとするなら、今後のまくり屋・平田には要注意だ! 

なお、2R発売中には平高奈菜も本体をバラし始めていた。

それを西坂香松が見守っており、山川も含めて、

整備室が香川勢に独占されるという時間帯もあったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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1Rを走った垣内清美が、レース後に調整を始めている。

何の? ハンドルとモーターをつなぐワイヤーである。

1Rで違和感があったのだろう。カウリングの下を通っている

ワイヤーのねじを、ハンドルを回したりしながら調整。

締めているのか緩めているのかは、遠目には判断つかなかったが、

なるほど、こうした調整も選手たちは行なっているのである。

モーターもペラもハンドルも、すべてを万全にしようというのが、

選手たちの本能のようなものだろう。  

 

 

 

 

 

 

 

 

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さてさて、2Rで細川裕子が転覆。宇野弥生、

横西奏恵、香川素子が心配そうにレスキューに乗る細川を

見つめていた。静岡勢も係留所に走って様子をチェック。

レスキューの発着所には多くの選手が集結している。

細川は自力でレスキューを降りており、

ひとまず大きなケガはなさそうだった。

ベスト12圏内にいながら、F休み中に陥落。

そしてシリーズ戦は不本意な成績のうえに転覆。

散々な年の瀬になってしまっているが、

その鬱憤は残りのレースで返せ! 頑張れ!

 

 

 

 

(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)