BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――シリーズだって大一番!

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 昨年の決定戦で、中谷朋子の“とことん”調整する姿勢に感服した。それまで見落としていただけで、きっとそれが中谷のルーティンのはず。優勝戦に進むことはできなかったが、最後まであきらめず、投げ出さずに調整に駆けまわっている姿は感動的ですらあった。

 今朝、調整に走り回っている中谷の姿があった。決定戦だろうが一般戦だろうが、やはり中谷は同じ姿勢で戦っているのだ。赤岩善生が「自分はSGだろうが一般戦だろうが、やることは変わらない。常に同じ姿勢で、やるべきことをやるのだ」と語っていたものだが、それに通じるものが中谷にもある。こうした蓄積が昨年は中谷をベスト12に導いたのだろうし、来年の反攻に向けてのエネルギーとなっていくのだろう。

 

 

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 そうしてピット全体を眺め渡せば、今日はシリーズの初日なのである。シリーズ戦、ということじゃなくて、一節のスタートですね。初日はもちろん「慌ただしい一日」。中谷だけではなく、多くの選手が作業に走り回っている。

 1R後にピットに入ったのだが、オープニングで5着に敗れた柳澤千春が、さっそくモーターの点検、調整に入っていた。初戦で感じた違和感を、素早く確認、解消しようと動いたのだ。2走目が6Rと間近に迫っていることもあってか、柳澤の表情はなかなかシビアだった。こうした動きは、SGでもよく見かけるものである。

 

 

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 整備室では、早くも本体整備に着手している選手が。福島陽子と淺田千亜希だ。福島は7R、淺田は8Rとまあまあ時間は残っているが、決してのんびり整備できるシチュエーションではない。SGでは初日は外回りからという選手が多いように思えるが、今日のナデシコたちはさっそく本体に手をつけている選手が少なくないわけである。なにしろ、遠藤エミが4Rにピストンリングを交換して登場しているし、5Rの中里優子も同様だ。朝から部品交換に取り組んだわけだ。このあたり、男子トップクラスとは動きがやや違うように思える。

 

 

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 選手同士がもろもろ語り合っているのは、もちろんSGでも見かけるものでもある。でも、数人が輪になって、というのは女子のほうが多く見かけるかな。

 山口&銀河系混成トリオは、女子王座などでもよく見かけた。田口節子、佐々木裕美、片岡恵里だ。もう、仲良しオーラが出まくりだもんなあ。11年三国女子王座、優勝戦の先頭を走る田口を見つめながら、涙を流していたのが佐々木と片岡。麗しき女の友情を契り合う仲間なのである。

 

 

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 女子王座でも見かけるのは、「岡山会議」。なにしろ一大勢力の児島ナデシコ軍団だけに、レース後にはすぐに輪ができて、レースについて回顧しあい、アドバイスを送り合ったりしている。2R後でいえば、もちろん樋口由加里。田口、堀之内紀代子、喜井つかさらが樋口を取り囲み、会議をしているのだった。樋口は艇界一とも思えるほど背が低いので(谷川里江といい勝負?)、角度によっては樋口の姿がまったく見えなくなったりもするのだけど(笑)。明日からは、ここにてらっち&美菜ぎる闘志も加わるんでしょうね。

 さあ、今年も大一番が始まった。まずはシリーズ組の奮闘で熱くなりましょう!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田=中谷、柳澤、会議 TEXT/黒須田)