BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――絶対逃げます!

 

 

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 昨晩、豊橋駅近くのラーメン屋「みゆき」で夕飯を食ったのだが、そこにはなんと「ガリサワー」が! 開会式で「今節の僕は無色透明のガリです」といった守田俊介は、一部でガリ好きとして名が通っている。守田俊介を愛して20年の畠山、このメニューを見た途端に注文して一気飲み!「一気に逃げろ! スタートは揉むな!」ということらしい(笑)。

 というわけで、今朝さっそく守田に報告してまいりました。写真を見た守田は「うおぉぉっ!」と一声。「これ、少し甘くなるんでしょうねえ」とさすがのガリ通らしきコメントだ。畠山の想いを伝えると、守田は「絶対逃げますよ!」と力強く言い切る。気分も今日は最高とのことで、「超抜原田や前付けある中岡がいる昨日のほうが緊張しましたよ」とも言っていた。逃げ切れば、畠山は今日もガリサワーで祝杯をあげることだろう。俊介も次の浜名湖もしくは蒲郡遠征でぜひどうぞ。

 

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 その守田だが、なんと朝から激しく動いていた。これは実に珍しいことで、1R展示開始ごろにペラ調整を始めて、けっこう強く木槌を振り下ろしていた。それが終わると、水面へ出て試運転。昨日の会見では「明日は何もやらない」と言っていたのだが……。

 実は今日、気候が微妙に変わった。風は強めの追い風になり、気温が下がって、湿度も下がった。この影響か、明らかに回りすぎの症状になっており、ピット離れが怪しいというのだ。これを直すために、ペラを叩き、足を試した。「たぶんもう大丈夫です」とのことだから、その調整はうまくいったようである。万全の態勢で優勝戦に臨めそうだぞ。水神祭、かなり近づいた手応えを感じた次第だ。

 

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 守田だけでなく、優勝戦メンバーはいずれも早い動きを見せている。これも気候の変化に対応するためだろう。山田雄太もペラ調整を早くから始めていて、ボートは装着場だったので試運転はまだ先のことになりそうだが、知り尽くした浜名湖の気候をもとに、余念のない調整を続けていた。表情的には、ほどよい緊張感といった風情だ。

 

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 原田篤志も、守田とほぼ同時に、いちどボートを水面に下ろしている。ペラ調整も1R展示前からやっていた。表情も、昨日同様に鋭く、気合が入ったもの。「4日目に今村(豊)さんが帰るとき、メンタル面のアドバイスをいただいたんですよ。それが大きいですね。今日も気分は最高です!」。今日は坪井康晴、笠原亮と「昨日の準優は惜しかったね~」なんて話もしたのだが、二人とも「相手が悪かった」と苦笑するほど原田のパワーは抜群だ。そこにこのメンタル。「思い切って行きます!」の言葉がなんとも力強く響く。

 

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 この3人に比べて、大阪勢はわりとゆったりとした動きだ。朝の特訓前後にペラ調整をしていたということだが、僕がピットに入った1R展示20分前頃にはすでに姿がなかった。ただ、1R発売中には松井繁がいったんペラ室に向かう姿があった。ものの数分で出てきていたので、大きな調整というわけではなさそうだったが、かなり早めの時間帯に王者を見た、という印象が強い。

 

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 太田和美も1R発売中には装着場に顔を出しており、自艇のもとにいる時間がそれなりに長かった。それ以上の動きは見せそうになかったが、ノーハンマーと決めたときの太田はエンジン吊りくらいでしか姿を見かけないだけに、これも早い動きと映った。

 

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 石野貴之は、エンジン吊りで姿を見たが、オーシャンカップに比べればかなりリラックスしているように見える。まあ、状況を考えれば当たり前。ともかく、大阪3人は朝の作業のあとは、ゆっくりと時間を使っているようである。

 とまあ、それぞれに早く作業を始めたようでも、SG初制覇を狙う組と大阪組の動きはなんだか対照的だ。ただ共通している点があるとするなら、それぞれにいい精神状態で過ごしているようであること。優勝戦は、きっと好勝負になる!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)