BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――SGに出る、ということ

 

 

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 杉山裕也、SG初1着おめでとう! 2日目のオープニングは、SG初出場男の水神祭で始まった。レース後すぐに行なわれた水神祭の模様は後ほど別記事でお伝えするとして、先輩たちに囲まれた杉山の顔は実に晴れやかだったことをお知らせしておこう。

 1号艇はもちろん勝利のチャンスだが、昨日の流れを見れば、またここまでの鳴門の傾向を見れば、必ずしも盤石とは言い切れない。スリットでも谷村一哉にのぞかれている。そうしたなかで、2戦目にしてSG初勝利をあげたのだから、価値は高い。杉山にとって忘れられない1勝であることは間違いない。

 水神祭でもそうだったが、エンジン吊りを終えて勝利者インタビューまでに向かうまでの間、すれ違う人たち(選手以外でも)全員に「ありがとうございました」と頭を下げていた杉山。なんとも律儀な男だ。これからもSGでの活躍を見せてもらいたくなりますな。現在ダービー勝負駆け中。SGで勝率アップして、また福岡で会いましょう!

 

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 SG勝負駆けといえば、話題にのぼってはいないけれども、その決意で今節に臨んでいる男がいる。岡崎恭裕だ。岡崎のSG勝負駆けはボートレースメモリアル。福岡支部勢は、メモリアルでは若松、芦屋、福岡と3場×2=6名の枠があるわけだが、岡崎はまさかまさかの推薦漏れになっている。岡崎にとってこれは悔しい、悔しすぎる事態だ。しかし、メモリアルに出る手段はまだひとつ残っている。それがオーシャンカップ優勝だ。直前SG優勝者は優先出場権を与えられることになっている。グラチャンでの田村隆信と市橋卓士のような「地元SG出場勝負駆け」ほど目立ってはいないが、岡崎の気持ちは熱い。「今節は優勝しか考えてないです。何としても桐生に行きたい」と言葉も熱い。

 

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 昨日の11Rのまくり差しは鮮やかだったが、JLCのインタビューでは「このままじゃダメ」という旨のコメントを残している。足に満足している様子がないのだ。「あれは足がいいってわけじゃないんですよ。誰かに当たりそうだったらやめようと思ってたんですけど、白井さんも意外と流れなかったし、行けると思って行ったんですけどね」。7Rで前本泰和に伸び返されて2着、その前本が芳しいコメントを残していないことからも、自分の足に疑問を感じたようだ。

 僕は、貪欲だからこその弱気コメントと見たぞ。絶対に優勝したい。だから超抜を求める。そこまでは行っていないからこその不満。ハードルを強烈に上げているということだ。もっともっと、を追求するその心意気や良し。今節の岡崎にはさらに注目してよさそうだ。

 

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 ピットでの様子が岡崎とは対照的なのは、原田幸哉。とにかく余裕なのだ。昨日も、手持ち無沙汰の様子でピットにあらわれ、整備室に入っては、特に何もせずに出てきて、また控室に戻る、なんて姿が何度も見られていた。今朝も同様。1Rスタート展示前にピットに入ったら、いきなりぶらぶらしている幸哉を発見。今日は12R1回乗りで急ぐ作業もないからか、実にのんびりした雰囲気を醸していた。

 2R発売中にはボートを着水しようとしてリフトのほうに運んでいったが、まさにそのとき、雨が突如降り出した。幸哉は笑って「雨降ってきたからやめよう」と引き返してくる。それも余裕のある行動に見える。

「気持ちに余裕を持たせようと思ってるんですよ。あくせくしないように、ね」

 ようするにメンタルをうまく整えてレースに臨もう、ということだ。足の裏付けももちろんあると見ているが、たしかに余裕があるというのはポジティブなこと。岡崎の気合満点の走りとは性格が違うが、やはり注目しなければならない一人だと言えるだろう。

 

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 さてさて、昨夜は畠山と反省会、湯川浩司に「ウイスキーを呑め」と言われたことを話すと、じゃあハイボールな、と畠山も付き合ってくれることになった。しかし、マグロのカマ塩焼きが来たら、もういけない。こっそり日本酒を呑み始めたら、畠山に「バカヤロー! 湯川に謝れ!」と叱られた。ということで、今朝、湯川に日本酒飲んじゃいました、すみませんと謝ったら、大爆笑してくれた。これはお許しが出たと判断し、今夜も湯川の走りを語り合いながら日本酒いきたいと思います。湯川はここまで成績がやや冴えないが、最終日の夜に美味い酒が飲めるように頑張れ!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)