BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――大晦日の朝は静かに

 

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 さあ、今年最後の大一番。ピットは報道陣も増え、ファイナルの華やかさが増している。優出メンバーたちは、1号艇の松本晶恵にしても、朝はまだそれほどカタさは見えない。スッキリした表情で、大晦日の冷涼な朝を迎えている。その松本、まだ本格的な調整を始める前だった。始動はもう少し先になりそうな雰囲気だ。

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 プロペラ調整室には寺田千恵。朝の公開インタビューを終えて、すぐに調整に取り掛かっている。寺田の足もかなり良さそうだが、昨日は調整をやや外していたそうだ。トライアル第2戦が100点だとしたら、第3戦は70点と会見で言っていた。その部分をもう一丁煮詰めるために、早くからピッチを上げているわけだ。

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 遠藤エミも、1R発売中にはプロペラ室に入っている。その間に中尾カメラマンと話し込んだりしていて、どうやら急ピッチの調整というわけではなさそうだった。さすが今年のレディースリーダー、余裕がうかがえる。すでに貫録のようなものも身につけていると言ってもいいだろう。SGなどの大舞台経験がたくましさを植え付けたのかもしれない。

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 クイクラ組で最初に着水したのは竹井奈美。インタビューから戻るとすぐに着水の準備を始めて、2R発売中には下ろしている。竹井が丁寧に準備をしているところには、先輩の藤崎小百合が笑顔で歩み寄っていた。竹井の顔も自然とほころんで、しばし談笑の時を過ごす。そこにはまったくカタさは見られない。自然体で調整を進めることができるだろう。

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 クイクラ組のボートを見ると、1R発売中に平山智加のモーターにはプロペラが装着されたままだった。試運転に向かうつもりなのか、ゆったりと過ごして調整のタイミングを待っているのか、そのあたりはわからなかった。2R発走間近に装着場に出てきた姿を見かけたが、その段階では着水に向かう様子はなかった。エンジン吊りでは周囲の選手と笑顔を交わしており、リラックスしている雰囲気ではある。

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 長嶋万記も、モーターからペラは外されていたが、ペラ室の定位置に姿はなく、ほぼエンジン吊りで見かける程度。表情は、時に頬がきゅっと引き締まった感じにはなっていたが、全体的には柔らかい。レース直前にはきっと闘志あふれる顔つきになっているはずだが、そのスイッチが入るのはもう少し時間が経ってからになりそうだ。

 調整作業や試運転が本格的に始まるのはこれから! ピットもじわじわと緊張感が高まっていくだろう。

 

<シリーズ組>

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 シリーズ組も全体的にリラックスした雰囲気である。ただ、中尾カメラマンが「川野芽唯が見たことないような表情だなあ」とつぶやいていた。ファインダー越しに見えたものがあったのだろう。僕にはそこまでとは見えなかったが、たしかに若干のカタさは見て取れた。優勝戦1号艇は己との戦い。シリーズとはいえ、それと向き合わされるものだろう。

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 平高奈菜は、同期・津田裕絵と談笑する場面が。大瀧明日香にしろ、西村歩にしろ、エンジン吊りではやはり仲間と笑顔で会話しており、いずれも自然体の朝となっている。水口由紀も、淡々としたなかに余裕がうかがえる。

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 シリーズ組では、池田浩美が1R発売中から係留所で作業し、試運転も行なっていた。池田は準優でプロペラ交換。4日目の終盤の時間帯に、プロペラをやけに強くぶっ叩いている池田を見ていたのだが、新プロペラになったために、自分の形に叩き直していたのだろう。それをさらに煮詰めていくために、誰よりも早い作業となった。今日1日でどこまで仕上げていけるだろうか。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)