ここ何年かのグランプリ最終日の記事を見ていて改めて気づいたのだが、この日のピット記事、ずっと姫園淀仁が書いてきたんですね。BOATBoyは年末進行の大詰めで、グランプリの優勝戦レポートは突貫で入稿しなければならず、ワタシがこちらも書いていると進行に支障が出るので、姫園を呼び寄せて書いてもらっていたという次第。BOATBoyは残念ながら一時休刊中なので、今年はそちらの記事を作る必要がない。ちょいと寂しい事態でもあるわけだが、久しぶりのグランプリ最終日のピット記事、行かせていただきます!
というわけで、まずは目に飛び込んできたグランプリ仕様のカウルをまとったボートです! やっぱり特別な装飾を施された最高峰ボートを見るとテンションが上がりますね。
さて、グランプリファイナリストの序盤の動きをざっとまとめてしまおう。
①峰竜太……プロペラゲージを手に整備室へ。ゲージ調整か。
②西山貴浩……ボートにモーターが乗っておらず、エンジン吊りには整備室から登場。予告通りのピストンリング交換か。
③寺田祥……2R発売中にモーターを装着。そのままプロペラ調整室へ。
④新田雄史……1R発売中に着水。係留所で調整し、2R発売中に試運転。
⑤平本真之……早くからプロペラ調整。2R発売中に着水。
⑥松井繁……1R発売中に着水。試運転と調整。
真っ先に水面に出て行ったのは松井だ。節間毎日、朝から水面に出て、その感触をもとに懸命な調整を続けてきた。優勝戦の日も、やることは変わらない。いつも通り、だ。
新田は今日、なぜかグランプリジャンパーではなく、SGジャンパーを着用している。グランプリジャンパーは出場者にとっての誇りのようなもののはずなのに、優勝戦の日に着用しないことにどんな理由があるのだろうか。
こうしてみると、どちらかといえば静かな雰囲気ではあるものの、それぞれが序盤の時間帯から調整に着手している。そうしたなか唯一、峰はたとえばモーター、あるいはプロペラと、機力に関係してくる部分にはまだ手をつけていない。仕上がりに自信があるということだろう。峰にとって今日いちばん大事なのは、心の部分を調えることになっていくだろう。
シリーズ組も同様にまとめて。
①池田浩二……調整らしい調整をしている姿は見ていないが、2R発売中に全力疾走で整備室へと駆けこんでいった。30秒ほどで戻ってきたが。
②深川真二……1R発売中からプロペラ調整開始。
③坂口周……エンジン吊り以外では姿を見かけず。
④前本泰和……朝からプロペラ調整に励み、2R発売中に着水。金子龍介と足合わせをし、陸の上にて情報交換。
⑤秦英悟……1R発売中からプロペラ調整開始。同期の桐生順平とおそらくプロペラに関するものと思われる会話を交わしてもいた。
⑥石渡鉄兵……エンジン吊り以外では姿を見かけず。
グランプリ組より動き出しがゆったりと感じる。モチベーション云々の問題かどうかはわからないが、やはりグランプリ組より表情が穏やかなようにも思えた。
秦の「プロペラに関するものと思われる」という部分については、選手同士のモーターやペラ、あるいは旋回に関する会話って、専門的すぎて理解できないことが多々あるんです。我々に対するコメントは(つまりはファンに向けたコメントは)、わかりやすいよう噛み砕いているものだということだ。ちなみに、桐生が秦に何らかのアドバイスか情報をもらった、というような内容に聞こえました。
全体的な雰囲気を言えば、やはり序盤の時間帯は空気がまだまだ緩やかだ。今日は中盤の時間帯の記事もアップしたいと思います!(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)