BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――3日目朝の表情

 

f:id:boatrace-g-report:20171230120454j:plain

 1Rは小野生奈がイン逃げで1着。山口剛の差しを押さえつけ、振り切っての1着は、なかなか内容が濃いものだった。レース後は、平高奈菜らに祝福されて、充実し切った表情。これで2連勝となり、SGでもしっかり戦っているという実感も手にできていることだろう。予選突破に向けては、後半10Rが大きなカギを握ってきそうだが、怯まず全力で先輩たちにぶつかっていきたいところだ。

f:id:boatrace-g-report:20171230120507j:plain

 2着の山口剛も、振り切られた悔しさはあったはずだが、レース後は笑顔を見せている。西島義則もにこやかに声をかけており、ある程度は手応えを感じられるレースだっただろうか。これで初戦6着の分はある程度取り戻して、勝負駆けに望みをつなぐことができている。後半7Rは、さらにポイントを上積みしたいところだ。

f:id:boatrace-g-report:20171230120521j:plain

 一方、5着に敗れた赤岩善生は、予選突破がかなり難しくなってしまった。1マークは渾身のツケマイで強襲を見せたが、小野に受け止められて大敗。勝負手が実らなかったことも悔しかっただろうし、明日につなぐことができなかったことも痛かっただろう。レース後の赤岩は、憮然とした表情と疲れた表情が入り混じっていた。こういう状況になったからといって手を抜く男ではないが、今日は落胆しながら時間を過ごさねばならないのかもしれない。

f:id:boatrace-g-report:20171230120539j:plain

 2Rでは、前田将太が5着。ここである程度ポイントを取っておかないと「済んでしまう」ので、これは痛い大敗だ。済んでしまう、とは、選手たちの隠語で「勝負駆けが終わってしまう」などという意味で使われる言葉。岡崎恭裕がモニターでレースを見ながら、「前田、前田、行けぇ~。5等? 将太、これじゃあ済んでるじゃん」と声援を送っていた。岡崎のエールもむなしく、前田は5番手から順位を上げられずにゴール。レース後の表情はやはり冴えなかった。

f:id:boatrace-g-report:20171230120553j:plain

 このレース勝ったのは石野貴之だ。いや~、快勝ですね。アシが違った感じだ。凛々しい表情でピットで戻ってきた石野を、松井繁が笑顔で出迎える。王者も認める超抜モードだ。昨日のTOPICSで畠山が「Vモード突入」と書いていたが、まさに圧倒的な強さで突っ走るときの石野の表情がそこにある。ピットでの雰囲気的にも、Vモード突入なのだ。

f:id:boatrace-g-report:20171230120609j:plain

 さてさて、今朝も本体整備をする選手が見かけられた。SGの3日目朝としてはわりと珍しい光景だ。松村敏、太田和美、そして濱野谷憲吾。濱野谷は本当に、本体整備をする姿をよく見るようになった。もともとはペラ一辺倒と言ってもいい調整傾向だったが、今では整備室で姿を見るのが珍しいことではなくなった。昨日の6着が痛かった濱野谷は、本体整備で巻き返しをはかった。10R、ファンタジスタらしいレースを見せられるかどうか、注目!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)