BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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鳴門グラチャンTOPICS 2日目

整備の明暗

 

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 昨日の当欄で「齊藤仁35号機が、前節の途中でクランクシャフト以外のすべての部品を全とっかえ!!!! それが27%の低調機を激変させたのだろう」などと書いた。で、昨夜、ネットで前節のリプレイを見てみたら、予想どおり整備の前後で足色が一変していた。乗り手・山本浩輔の成績からして別物。整備前が62445着で、整備後は21233着のオール3連対!! レース内容も整備前はターンマークごとに滑ったりキャビったりでズルズル下がっていたのが、整備後は逆に4・5番手から凄まじい回り足で順位を上げるレースばかり。ストレートはほとんど変わらず、ターン回りで引き波を超えるパワーが半端なく上積みされた印象だ。昨日の仁も同様に回り足が強力に見えたから、動力系(ピストン、リング、シリンダーケースなど)が当たったのだろう。今日の仁も、しっかりした足取りで文句のない逃げきり勝ち。自らのバースデーに花を添えた仁は、明日以降も凄まじい回り足でファンをあっと言わせるだろう。

 

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 もうひとり、今日になって気配が一変した選手がいた。昨日までワースト級にしか見えなかった吉川元浩20号機。特にストレートが酷く、展示時計6秒92は初日のワースト記録でもあった。それが、ギヤケース交換一発で「当たり」を掴んだのだろう。今日の2Rの展示タイムは6秒78!! この時間帯はやたらとホーム追い風(バック向かい風)が強く、他の5選手は6秒88~7秒00(=湯川浩司)だったから断然の1番時計。「ギヤケース交換が当たると直線が軽くひとつふたつ変わる」という定説どおり、まさに一変したわけだ。このレースでは惜しくも4着止まりだったゲンコーだが、後半9Rは6コースからバックでぐんぐん伸びて3着入線。3連単533倍の大穴に貢献した(はい、ゲンコーの3着付けで私もこっそり……すいませんっ!!)。もちろん、明日の4R5号艇でも隙あらば狙ってみたい。

 

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 さらにもうひとり、齊藤仁35号機とほぼ同じくらいの大整備を施したのが寺田祥だ。ピストン2、リング4、シリンダーケース、ギヤケース、キャリアボデー……おそらく、昨日の7Rが終わってから取り掛かったのだろう。この整備情報を知らなかった私は、今朝の足合わせを見た瞬間「お、昨日より伸びがきたな、何かしら調整したのかな」などと思っていた。残念ながら今日の実戦では6着大敗だった寺ショー。が、5コースから自力で握っていった1マークは見せ場十分だった。まだ「当たり」とは言い切れないものの、こうした「ほぼほぼ全とっかえ」は前年度の上位エンジンを移植するケースが多く、「当たりになりやすい」という情報もある。ならば明日の寺ショーも軽視禁物、とお伝えしておこう。

 一方、整備で当たりとはならなかったのは山崎智也、毒島誠の群馬コンビか。ふたりとも早々にギヤケース交換に踏み切ったが、激変した気配はない。特に智也はストレートが弱く、整備が不発に終わったと見るべきだろう。毒島のほうはスリット付近で踏ん張りが利いているように見えるので、常に穴を警戒しておきたい。あ、黒須田情報では穴男の森高一真も、レース後に大整備に踏み切ったとか!? いつでもどこでもパワーが仕上がればすぐに大穴を開ける男だけに、明日からは目を皿にしてチェックしなければ!

 

愛知コンビ、勇躍!

 

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 2日目を終えて、シリーズを引っ張りそうな面々がソコソコ見えてきた。まず、昨日に続いて石野貴之28号。今日の7Rは2コースからゴキゲンな行き足で、インのミスター今村豊を一気に呑み込んでしまった。うーーん、今節の鉄人28号も日に日に無敵モードに近づいているのか。パワーの底力云々ではなく、石野が新型モーターの“何か”を掴んでいるのかも?? この1着で211=28点とした石野に残された枠は1・4・5号艇。明日の4・5枠をしっかり上位着でまとめれば……あさってには「逃げ3連発でSG連覇」という黄金のVロードが約束されるかもしれないな。

 

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 で、この石野とまったく同じ枠番で同じ着をゲットしているのが赤岩善生だ。昨日は6号艇の石野が大仕事をやらかしたが、今日の10Rの赤岩も凄まじかった。こと派手さでは、昨日の石野以上か。5コースの濱野谷憲吾が握ったのに連動しつつ、すぐに舳先をターンマーク方向に傾けてまくり差し一閃。ターンの出口で、すでに先頭に躍り出るほどの勢いだった。おそらく、3コース松井と濱野谷の握りマイに包まれた4コース徳増秀樹が眼前に見え、それをターゲットに鋭角かつスピーディなターンを心がけたのだと思う。かつて“鳴門キング”中道善博さんから「単純にひとりでターンするより、前に目標の選手がいてそれをまくり差すターンのほうが加速度が付きやすく、好旋回になりやすい」と聞いたことがあるが、まさに今日の赤岩の電撃ターンはそれだったのではないか。とにかく、今日のそれは赤岩のレーサー史に残る珠玉のターンだった、とお伝えしておこう。

 さてさて、3・2・6号艇を211で突き抜けた赤岩の明日は1号艇の1回走。ここでしっかり逃げきれば4走38点!! 準優入りを決めつつ、石野28号にも相応のプレッシャーを与えることができる。最近のSGでは予選ボーダー付近が多い赤岩だが、今節は本気で予選トップを狙ってくるだろう。

 

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 長崎支部だが、愛知出身の原田幸哉も不気味な存在だ。昨日の選手紹介で「今節は久しぶりにSGを獲りたいと思います!」とただひとりV宣言らしき言葉を発した幸哉。確かに昨日今日のレースぶりには、スリットから攻める姿勢がはっきり見えるし、それを支えるだけのパワフルさも感じさせる。今日の12Rもスリットからイン坪井康晴を煽る行き足で伸びていったし。差し損じて(伸びすぎたか)の4着は惜しいが、リズム&パワーはここ何年かのSGで最高ではないか。そんな妖しいムードを漂わせる幸哉も、明日は1号艇の1回走り。12Rで厳しい面々が揃ったが、ガッチリ逃げきって2141着とすれば有力なV候補のひとりになるだろう。(TEXT/畠山、PHOTOS/シギー中尾)