まずは恒例のグランプリ勝負駆け状況から。まだ初日ということで、それぞれの立ち位置と大まかな条件を表とともに記しておこう。
賞金ランキング
１石野貴之▲10870万円…2nd確定
２峰 竜太 10810万円…2nd確定
３白井英治 9438万円…2nd確定
４桐生順平 9197万円…2nd確定
５寺田 祥 8586万円…2nd確定
６松井 繁 7438万円…ＧＰ確定
…………
７井口佳典 7401万円…ＧＰ確定
８茅原悠紀 7220万円…ＧＰ確定
９菊地孝平 6946万円…ＧＰ確定
10深川真二▲6574万円…ＧＰ確定
11魚谷智之 6540万円…ＧＰ確定
12原田幸哉▲6286万円…ＧＰ当確
13田中信一郎6176万円…ＧＰ当確
14中田竜太（帰郷）6032万円…ＧＰ当確
15森高一真 5941万円…ＧＰ当確
16前本泰和 5666万円…優出完走当確、それ以外は？
17辻 栄蔵 5607万円…優出完走当確、それ以外は？
18坪井康晴▲5549万円…ひたすら相手待ち
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19篠崎仁志 5310万円…準Ｖ当確、優出③～⑥か選抜Ａ①～③か選抜Ｂ①で？
20毒島 誠 5208万円…準Ｖ当確、優出③～⑥か選抜Ａ①で？
21湯川浩司 5038万円…優勝確定、優出②～⑥で？
22新田雄史 5035万円…優勝確定、優出②～⑥で？
23前田将太 4926万円…優勝確定、優出②～④
25岡崎恭裕 4710万円…優勝確定、準Ｖで？
27篠崎元志 4571万円…優勝確定、準Ｖで？
28吉田拡郎…優勝のみ
29丸岡正典…優勝のみ
30今垣光太郎…優勝のみ
31石渡鉄兵…優勝のみ
32中島孝平…優勝のみ
33山崎智也…優勝のみ
35守田俊介…優勝のみ
37片岡雅裕…優勝のみ
39秋山直之…優勝のみ
40田村隆信…優勝のみ
42小野生奈…優勝のみ
45山田康二…優勝のみ
48三井所尊春…優勝のみ
※千円単位から切り捨て。▲印はチャレカ休み。優勝条件選手は金額を割愛します。
賞金ランクBEST18を巡る争いは、実質的に残り３議席の奪い合いと見ていいだろう。今年はジャストボーダー18位の坪井がＦ休みというのがミソで、圏外の選手はとにもかくにも坪井の賞金を超えなければならない。ただ、坪井と19位・仁志の差は270万円ほどもあり、そう簡単にまくりきれない状況でもある。
現時点で坪井を上回っている前本＆辻の広島コンビはかなり有利な立場なのだが、今日はそのふたりが揃って転覆（前本は選手責任、辻は責任外だが身体への影響も心配だ）。いきなり大きなビハインドを背負いつつ、ひたすら逃げ込みを狙うシリーズとなった。点数のリカバリーも重要だが、しっかり賞金を上積みしてほぼ安全圏の10位を確保したいところ。そういう意味では、広島コンビの「仁義なき戦い」という趣もあるな。
男前すぎる紅一点
女たちのＧⅡ争奪戦を尻目に、小野生奈がＳＧロードで逞しい存在感を見せつけた。今日の生奈は６Ｒ３号艇の１回走。まずは発走とともに観衆の目を奪う。鋭いピット離れから内隣の後輩・中田竜太を一気に締め込み、完全に出し抜いた。その後は中田が巻き返して枠なりに落ち着いたが、オレンジブイを回ってからも「２コースを取るぞ取るぞ」と牽制し続けたあたりはＳＧ常連のような貫禄すら感じさせた。
スタートは横一線のコンマ10発進。が、４カド松井繁35号機の伸び足が凄まじい。瞬く間に半艇身ほど出し抜いた王者は、力任せに生奈を潰しにかかった。対する生奈はすぐには退かず、舳先半分で抵抗してからの差しハンドル。松井の引き波を浴びながらの差しはさすがに力がなく、バックでは５番手に追いやられた。
が、そこからだ。軽量を生かしてじわじわ先団に追いすがり、２マークも艇団の真ん中を突くような全速ターンで４番手の松井に肉薄。キッチリ舳先を揃えると、２周１マークは渾身の強ツケマイで王者を引き波に沈めた。やられたらやり返す、超男前なリベンジターン！ その後も松井の追撃を完封しつつ、さらに３番手の中田にチャージを仕掛けたあたりも男前だったな。
結果だけを見れば、３号艇で４着。それを持ち上げるのは贔屓の引き倒しと叱られそうだが、王者とのガチの一騎打ちで競り勝ったのだから大目に見ていただきたい。明日はもう一段ハードルが上がる５号艇の１回走。20人の熱い視線を追い風に、女子レーサーの代表としてさらなる男前なレースを見せてもらいたい。
毒島、猛チャージ！
初日を終えての独断パワー評価を記しておく。節イチは昨日の◎そのままに毒島誠。今日は難しい枠番が２本並んだが、期待に違わぬ結果を残した。まずは５号艇の３Ｒ。枠なり５コースから自力攻めを予測していたが、まずは４カド守田俊介がスタートを張り込んで先攻め。これが３コースに引っ掛かるのを見てから、毒島はレバーを握ってまくり差しのハンドルを入れた。内の様子を見た分だけ攻めきれなかったものの、その後のパワー比べは文句なし。
とりわけ光ったのは１周２マークの攻防で、外から握って攻めた魚谷智之に艇を合わせて応戦。元々が不利な態勢での合わせマイだったし、先頭を走る新田雄史の引き波をまんまなぞる航跡でもあった。非力なパワーならキャビって大敗までありえたと思う。が、毒島13号機はその重そうな引き波を軽快に飛び越え、全速マイの魚谷よりも力強く前に突き進んでいた。もちろん、非凡なターンスピードもあってのことだが、その背中を押したのは13号機だと確信している。
後半の８Ｒも言うことなし。スリット同体の４コースからオーソドックスな２番差し。普通は届かずに良くて２、３着としたところだが、バック最内をぐんぐん伸びて今垣光太郎らを千切り捨てた。抽選運も含めてＳＧでのパワー出しに苦しみ続けてきた毒島だが、今節は初日から噴きまくっての２着１着。このまま優勝戦まで突っ走って、賞金ランク20位から一気に２ndボーダー付近まで飛躍する可能性は低くない、とお伝えしておく。もちろん昨日のＳランクからSSランクに昇格しておこう。
この毒島13号機を脅かすパワーは、田中信一郎49号機と見た。２Ｒで楽々２着を獲りきる姿は迫力満点だったし、後半７Ｒもあっという間にまくりきったパワーも凄まじかった。今日のところは、ブス＆信一郎の独壇場。もちろん松井35号機の巻き返しも怖いし、三井所尊春の伸びも捨てがたい。そして、明日は別々のレースに散らばるドリーム組も相応の活躍を見せるだろう（おそらく今日のドリーム戦はかなりパワーレベルが高かったと思う）。
さてさて、女子チャレカについても少々。
女子賞金ランキング
１小野生奈▲SGチャレカ参戦中 3844万円
２長嶋万記 3665万円…クイクラ確定
３遠藤エミ 3405万円…クイクラ確定
４寺田千恵 2879万円…クイクラ確定
５松本晶恵 2853万円…クイクラ確定
６山川美由紀2716万円…クイクラ確定
７細川裕子 2666万円…クイクラ確定
８海野ゆかり2661万円…クイクラ確定
９平高奈菜 2640万円…クイクラ当確
10川野芽唯 2591万円…クイクラ当確
11樋口由加里2398万円…準Ｖ確定、それ以外は?
12田口節子 2383万円…準Ｖ確定、それ以外は?
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13三浦永理 2263万円…優勝確定、優出完走か選抜上位着で？
14日高逸子 2210万円…優勝確定、優出完走で？
15竹井奈美 2158万円…優勝当確、優出完走で？
17岸 恵子 2089万円…優勝で？
18大瀧明日香2069万円…優勝で？
19谷川里江 2064万円…優勝で？
20守屋美穂 2033万円…優勝で？
21山下友貴 2020万円…優勝で？
22中村桃佳 1957万円…優勝で？
※千円単位から切り捨て
女子のクイーンズクライマックス勝負駆け状況は、ほぼほぼ残り２議席に絞られた。11位・樋口＆12位・田口の岡山コンビがこのまま逃げきるか。そのコンビのどちらか、または両方を圏外の選手がまくりきるか。樋口と田口は僅差なので、生き残るにはとにかく１円でも多く加算して優勝戦までに11位をキープしておきたいところ。うん、こっちは岡山同士の「仁義なき戦い」なのである。三浦、日高、竹井は優勝で大丈夫そうだが、それ以下の選手は優勝しても届かない可能性がある。特に最下位の中村は激辛の状況と言えるだろう。（text/畠山、photos/シギー中尾）
