BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――今日も気候一変

 

 今朝の雰囲気も、昨日と似ている。目立った動きはあまり見られないが、動きがありまくる。天候がまた一変して、みながみな、調整に忙しいから、それが目立った動きにならないという塩梅である。ただ、静けさとは無縁といった感じで、昨日よりもにぎわいがあるようにも思えた。予選後半に突入して、一日早い勝負駆けを戦う者もいる。予選上位を狙う面々にとっても、3日目は大切な一日。天候が変わったことで、調整ピッチがさらに上がったと見てもいいだろう。
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 そんななかで、新田雄史は実に穏やかな雰囲気。ここまで無傷の3連勝。だから余裕がある、というよりは、集中力がより増しているような印象を受ける。ピット内を移動しながらも思索にふけっている様子があるし、喫煙所で一息ついているときなどでも周囲と会話を交わすよりは黙々と考え込んでいるふうがある。昨日までもそんな様子が見られたが、3連勝にも浮足立っていないということだと思う。

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 係留所で作業をしていた赤岩善生に寺田祥が声をかけるという場面があった。寺田はにこにこで赤岩を手招きし、整備室へといざなう。整備巧者の赤岩に何かアドバイスを求めようということか。赤岩は仕方ないなあといった感じで寺田に続く。どうでもいいけど、寺田は「赤岩さん」と呼んでいるように聞こえた。寺田のほうが3つばかり年下だが、寺田81期、赤岩82期である。ま、空耳かもしれないけど。
 そんな具合に作業は続き、勝負の時はやってくる。今日もアツい一日になりそうだ。
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 1R、羽野直也が2着。6コースに出されながらもしっかり連対確保だ。レースを終えた羽野は、着替えを終えると、何はともあれピット内にいる九州勢に挨拶まわりを始めた。エンジン吊りを助けてもらったお礼で、これは羽野に限らずどの選手も行なうこと。それでも、「次に顔を合わせたときにお礼を言う」というパターンも多く、わざわざ先輩を探してまで挨拶に出向くというのは、新人らしさということになるかもしれない。
 全員に挨拶を終えると、羽野は篠崎仁志に歩み寄って、話し込んだ。記念に呼ばれるようになって、羽野は仁志に薫陶を受けるようになったという。層の厚い福岡支部、どの先輩と話しても勉強になることばかりだが、特に仁志の言葉に感じ入るところが多いようなのだ。SGの現場でも、羽野は仁志の言葉に力を得る。好調を維持している羽野だが、仁志にパワーをもらってますます活躍しそうな気がしてくる。

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 2Rでは、羽野とはレーサー人生を通してのライバルなるであろう仲谷颯仁が1着。4カドから攻めた今垣光太郎を止めての先まくりだった。レース後の仲谷には特に笑顔はなかったが、しかし充実感はあふれていた。羽野は仲谷とともにSGに参戦できる喜びを語っていたことがあったが、大舞台での切磋琢磨は彼らの成長速度をさらに早め、また伸びしろを大きくしていくことだろう。羽野は4走して②①④②着、仲谷は3走して④②①着。なんだか似たような成績になってきた。オールスターでより輝けるのはどっちだ!?(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)