BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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児島レディースオールスターTOPICS初日

ヒサカの進化

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 塩崎桐加の勢いが止まらない。昨年末の平和島クイクラシリーズ戦の優勝が大きなバネになったのだろう。年が明けた2月の浜名湖GI東海地区選では512142着で見事に予選6位突破! 準優は6着に散ったものの、記念常連の男子レーサーと互角に渡り合ったスピードは目を瞠るものがあった。
 そして今日の5Rは、2コースからの決め差し一撃。スタートで後手を踏んでも焦らず騒がず、ブイ際の最短コースをくるり旋回してイン清水沙樹を鮮やかに捕えきった。回り足を活かしたパワー勝ちにも見えたが、並々ならぬ旋回力があればこそ。サイドを掛けて鋭角にターンするのではなく、逆にサイドをほとんど掛けず滑らかに艇を反転させるような走法。だから先行艇の引き波もスムースに超えて、出口から押して行く足も力強い。

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 今日は差しだったが、まくった直後の旋回も同様に滑らかなので出口からグングン伸びて行くことが多い。男子レーサーで言うなら、毒島誠のような旋回スタイルなのかも知れない。とにかく、強豪ひしめく東海地区選での6位がフロックではない、と思わせるに充分な2コース差し抜けだった。
 26歳の伸び盛りがこれからどんだけ成長するか。去年11月1日から昨日までの来期適用勝率は7・10という高い数値に至っており、さらに勢いが増せば10月の児島ダービー(昨日まで6・95で94位)に手が届く可能性もある。明日の桐加は4&6号艇という試練の枠にチャレンジするのだが、現在のリズムと充実ぶりを踏まえて「どちらもしっかり舟券に絡んでくる」と予言しておこう。

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 さてさて、A1塩崎の強さはもはや全国に知れ渡っているからして、明日から穴を開けそうなB級レーサーを探してみよう。まず、スリット足で目を引いたのが勝浦真帆、新田有理、加藤綾の3人。地元の勝浦は「1年1組」の開幕レースを逃げきって、嬉しいGⅡ初勝利。F持ちながらコンマ10のトップスタートで先行し、そこからの行き足も迫力満点だった。5号艇だった後半11Rはさすがに相手が強く5着止まりも、宇野弥生をもう一歩まで追いつめた道中の足はやはり見るべきものがあった。明日の勝浦は4号艇の一発勝負。4カドからスリット同体の全速なら、一気の突き抜けがあっても不思議じゃないストレート足ではある。

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 新田有理のスリット足もかなりゴキゲンだ。新ペラに換わってパワーアップするレアケースかも? 今日の8Rは6コースから展開がなく5着止まりも、ストレートで先行艇に迫る足には「おっ」と思わせる雰囲気があった。有理もF持ちでスタートが課題になるが、しっかり踏み込んでくれれば明日の5号艇で大穴演出もありえるだろう。

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 そして、前検から妙に気になる加藤綾。今日の2Rはインコースで踏ん張りきれず、日高逸子ママの痛烈なまくりを浴びた。惨敗もありえる展開になったわけだが、そこから2番手の土屋千明を追い回した直線足はなかなかに侮れない。昨日も少し書いたように「スローで負けて、ダッシュでドカーン」は常に警戒しておきたい。明日の10R6号艇も、綾パンが舟券に絡むだけでオッズが跳ね上がることだろう。

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 ターン回りも含めて出足系統の強さを感じさせたB1レーサーは……前検で圧倒的なワースト時計だった三松直美。6秒90という鬼のような数字が災いして?今日の三松は3号艇ながらまったくの人気薄。正直、私も思いっきり軽視していたのだが、実戦足のしぶといこと! 3コースから握って付け回って捌いて差して、ベテランらしい自在な立ち回りで見事に2着を取りきった。1-3-2というフォーカスで約99倍という配当は、もちろん三松が一手に演出したものだ。私も含め、舐めきってすいまっせん!!
「三松さんは体重がアレなだけで、ターン捌きはA1と言っても言い過ぎじゃないっすよ」
 黒須田の口癖を今さらながら痛感した次第だ。今日の2着で明日から直美オッズは下落するだろうが、常に人気と足色はチェックしておきたい。あ、もちろん体重も!

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 それからそれからB級ではないのだが、A2の小池礼乃のレース足と高田ひかるのスリット足は「絶対に軽視禁物」と付け加えておこう。(photos/チャーリー池上、text/畠山)