BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

とこなめオーシャンカップTOPICS 2日目

天国パワーと地獄パワー

f:id:boatrace-g-report:20190711181103j:plain


 まずは、昨日の10Rでシリアスな事故に遭遇した岡崎恭裕の容体について簡潔に報告しておこう。
①鼻骨のヒビもしくは骨折
②目の上の切り傷
③本人は事故後も意識がハッキリしており、日常生活の範囲で支障はない。
 とのことで、残念な負傷欠場ではあったが、大惨事に至らなかったことは不幸中の幸いと言えるだろう。岡P、しっかり療養してまた溌剌としたレースを魅せてくれ!

f:id:boatrace-g-report:20190711181132j:plain


 前検から「今節のV争いの中心は瓜生と毒島」とブッてしまったので、今日もふたりのレースっぷりを記しておく。
★瓜生正義57号機…10・00(1位)
 まず、2R6号艇は泣く子も黙る最アウト6コースからのまくり差し一撃! 進入がもつれて展開に恵まれた勝利でもあったが、それにしてもの鮮やかな航跡だった。続く9Rは枠なり3コースから強ツケマイで迫ったが、イン湯川浩司にわずかに届かず2着まで。連勝こそ途切れたものの、ドリーム勝利から1号艇なしでの①12着はやはりV候補の筆頭格だ。現状のパワーは前検で私が惚れ込んだ行き足に関しては、やや期待外れ(過大評価?)。ただ、全体にバランスが取れて死角が見当たらず、オールマイティの瓜生にぴったりの舟足でSランクのままで過不足ないだろう。

f:id:boatrace-g-report:20190711181200j:plain


★毒島誠7号機…7・33(7位)

 昨日まで2・2着で、今日は試金石の6号艇。ピット離れは飛ばず6コースからのブイ差しとなったが、バック直線の4、5番手からグイグイ伸びて余力だっぷりの3着を取りきった。2着の菊地孝平よりストレートは明らかに上で、サイドの掛かりも秀逸。今日のレースをもってSランクに昇格しておきたい。2日間の成績では瓜生と大差に見えるが、毒島がすでに3・5・6枠を消化したことを加味すれば、数字ほどの開きはないはずだ。

f:id:boatrace-g-report:20190711181219j:plain


で、この勝手にV候補のふたりに割って入るのは、年間SG3冠を目指す吉川元浩だ。前検では瓜生より劣勢に見えたものだが、いざ走り出したら②11着で瓜生と同率の暫定2位! 今節もしっかり「当たり」の調整に行きついたか、足色も安定感があって最近の元浩らしい雰囲気を醸し出している。現状の見立ては上位の下あたりか。ただ、枠番的には1・2・3をすべて使いきって明日から試練の外枠行脚。パワー比較も含めて、瓜生・毒島よりもV確率はかなり低めに見積もってはいる。

f:id:boatrace-g-report:20190711181239j:plain


 そしてもうひとり、忘れちゃならないのが「地元の大スター」池田浩二だ。今年の2度の当地周年記念をまったく数字のない低調モーターで連覇! 今節も28%というワースト級を引いてしまった(クジ運、悪すぎ!)が、前検直後にピストン2個+リング4本+シリンダーケース=いわゆる「セット交換」で活を入れ、まるで別物の足色に変えてしまった。まったく目立たなかった前検がC~Bレベルとするなら、現状は上位レベルの行き足も含めて吉川と同じB+~Aはありそうだ。勝手知ったる我が家でさらに「当たり」の調整を見出せば、同一レース場での年間記念3連覇という偉業も十分にありえるだろう。

f:id:boatrace-g-report:20190711181258j:plain


 一方、V戦線とはほど遠い成績で苦しんでいる選手も現れた。筆頭は山崎智也。昨日の6・6着に続いて、今日の4Rもインコースからまくられ差されでズルズル後退、よもやの「666・オーメン」をやらかしてしまった。智也の33号機は42%の上位モーターで、これほど這い回る劣悪パワーではないはずなのだが……単にペラが合っていないのか、選手的あるいはモーター的に何かしらの見えない原因が潜んでいるのか、現状は謎としか言いようがない。現状、智也はかなりシビアなダービー勝負駆けで、このままのパワーでは今節中に赤信号が点ってしまうかも??

f:id:boatrace-g-report:20190711181318j:plain


 で、同じ群馬支部の金子拓矢50号機も迷走モードに突入している。前検から精彩を欠いていて、スリットからズリ下がる感じ。もちろん危機感を抱いたであろう本人も、日々さまざまな手術を施してきた。昨日はキャブレター、今日も再度のキャブレター(戻したかも)とギヤケース、キャリアボデーまで交換したが、レースを見る限り良化した雰囲気はまったく感じられない。相当な重症ではないかと思われるのだが、こうした這い回っている選手が何らかの“治療”で良化したときが大穴ゲットのチャンス。智也と拓矢の群馬コンビの気配は、常にチェックしておきたいところだ。
 参考までに、拓矢以外で大きな部品交換に踏みきった選手と私なりの短評を記しておく。

f:id:boatrace-g-report:20190711181340j:plain


★馬場貴也…昨日のギヤケース交換で小マシになったように見えたが、今日はギヤケース、キャリアボデー、電気一式の交換が実らず大差の6着。まったく回れていない感じだった。

★峰竜太…ドリーム戦の前にキャブレター、クランクシャフト、ギヤケース交換でD→B程度にアップしたと思う。今日はさらにキャリアボデー交換で酷かったサイドの掛かりがしっかり。現状の見立ては中堅上位レベルで、明日からの巻き返しが期待できる。
★池田浩二(前出)…セット交換でかなりアップ。
★茅原悠紀…池田に次ぐ2番目のセット交換でソコソコ戦える足に。ただ、引き波を超えるレース足が非力で中堅あるなし。
★徳増秀樹…3番目のセット交換で、これもワースト級から中の下あたりまで良化したか。が、全体的に非力感は否めない。
★市橋卓士…4番目のセット交換も、インで6着惨敗。さらに悪くしたかも?
★山口剛…今日になってピストン2個とリング4本を換えたがまったくダメそう。行き足はむしろ下落したと思う。
 などなど。悲喜こもごもの“手術”という感じだが、良化した選手もそうでない選手も舟券戦略の情報になりえる。明日以降も部品交換とその後の変化をチェックしたいと思う。(photos/シギー中尾、text/畠山)