ピットに到着した瞬間、整備室から平高奈菜が出て来た。
(暑い……)
口には出さないもののそんな素振り。平高は右手で額の汗をぬぐい、選手棟の方へ歩いていく。
余談になるが、整備室やペラ作業室は冷房完備。その外は蒸し風呂状態。普段はピット内で選手がいて雑談していたりするのだが、昨日と今日はそれも少なめ。冷房の効いているペラ作業室、仕事に必要な試運転、この往復が目立っている。
そんな暑いピットで、ベンチに座って何やら話をしていたのは、寺田千恵と海野ゆかりの女王経験者。「ようやく被写体を見つけた」とばかりに、カメラマンが二人の写真をバシャバシャと撮りまくる。
整備室でエンジンを触っていたのは向井美鈴。エース機を引いたが、初日は3着5着と微妙な成績。本人コメントでもあまりしっくりきていないようだった。手遅れになる前に、何か手を打ったのか。
向井の横に立って先輩の話を聞いているのは、山口支部の津田裕絵。こちらも好モーターである。津田は9R、向井は11Rの1回走り。今日で感触も結果も掴みたい。
姿は見なかったが山川美由紀のエンジンも整備室に入っていた。思えば昨年のレディースチャンピオンでも、初日に好成績を残していたが、早めにイチかバチかの部品交換を行ない、それが当たった。今日は12Rの1回乗り。時間は十分にある。
整備室には土屋千明もいた。初日成績は4着5着。試運転を終えた後、急いでギヤケースを外して整備室に入ったが、20分程度で出てきた。4R1回乗りなのでこちらは時間との戦いになる。
そうこうするうちに1Rが発走。今日も地元の1号艇・宇野弥生が制した。出迎えた谷川と嬉しそうに微笑みあう宇野。
それに対して憂い顔なのは守屋美穂。勝率7点台、男女混合G2を制した格上選手なのだが、これで初日から4着4着5着。7人が参戦している岡山支部なのだが、ここまであまり元気がない。
と思いきや、2Rは樋口由加里と堀之内紀代子、岡山両者がワンツーフィニッシュ。女王経験者が3人もピットにいる岡山支部。女子王国にようやくエンジンがかかったか。
(TEXT姫園 PHOTO池上一摩・中尾茂幸≪宇野、守屋≫)