初日、2日目とオープニングカードは地元選手が勝利した。しかし3日目1Rは1号艇の細川裕子が敗戦し、3連勝とはいかず。しかも道中で岩崎芳美との大競りになって消波装置に激突し、ピットに緊張感が走った。
「走ってますか!?」
係員に艇が動いているかを確認しながらペラ小屋から真っ先に駆けだしてくる大山千広。その瞬間、細川の艇が動き出して選手たちは一安心。
不完走処分にはなったが、ピットに上がって来た姿を見る限りは、体も大丈夫そう。外へ張り飛ばした岩崎は細川に平謝り。細川も勝負のアヤだからとばかりに笑顔で許していた。
これで岩崎は不良航法を取られてマイナス7点の減点。細川も不完走の上にボート変更とペラ交換を余儀なくされている。どちらにとっても痛いレースになった。
整備室でエンジンを触っていたのは、やはり後半1回組。魚谷香織はボートごと持ち込んで整備。1R終了後水面へ出ていく。
日高逸子も整備室におり、1R終了後にペラを装着。検査員に
「触ると熱いですよ!」
と声をかけていたので、ペラに焼きを入れていた模様。思えば今節は、レース後に「ペラが開く」というコメントが多く出ている。
ピットでは初出場で躍進中の藤原菜希と清水沙樹が立ち話。東京の先輩後輩なのだが、遠目に見ているとなぜか藤原が先輩のようにみえてくる。よくよく考えてみると、藤原は昭和61年4月生まれの33歳、清水は昭和62年2月生まれの32歳。同学年なのだ。でも、どちらも30代には見えない。
オープニングカードは落としたが、2Rは地元の大瀧明日香が鮮やかな2コース差し切って1着。意気揚々と引き上げてくる。
それとは対照的に5着に敗れた金田幸子は節間成績が6着6着5着とほぼ終戦モード。オレンジベストを地面に引きずり、トボトボと歩く姿は悲痛だった。昨日みせていた写真のような金ちゃんスマイルをレース後にもう一度見たいぞ!
通常のレースに比べるとレディースチャンピオンはピットに笑顔が多い。「勝負事だから笑うな」というのはもはや古い考え。先日もスマイル・シンデレラこと渋野日向子が、「笑う門には福来る」を証明している。
昨日連勝の遠藤エミ。愛機に手を乗せながらスマイル!
地元の重鎮・谷川里江もスマイル!
背の低さを考えると、本当に大男に鷲づかみにされているよう。
同じくベテランの角ひとみもスマイル!
好機を引いた向井美鈴と、予選突破がみえてきた廣中智紗衣のスマイル!
初参戦で好調の藤原菜希と、原田佑実のスマイル!
整備室にいても水野望美はスマイル!
我々も舟券を当ててスマイル! といきたいものです。
(TEXT姫園 PHOTO池上一摩)