BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――緊張感あり

f:id:boatrace-g-report:20190918115639j:plain

 ある元選手曰く「いつも1走目は緊張する」。キャリアを重ねても、シリーズ初戦は不安は消えない、ということだ。前検や試運転である程度の手応えを掴んでいても、実戦でどうかというのはレースを走らなければ確たる手応えとはならない。というわけで、まず1走するまでは緊張感がどうしても生じる、というわけだ。
 というわけなのかどうか、朝のピットはちょっとピリピリした雰囲気と感じた。昨日は居酒屋の話で盛り上がった中田達也も、顔がビシッと引き締まった。レースが終われば、また美味い酒と肴の話になるかもしれないが、初戦の前にそんなものは頭から消えている。

f:id:boatrace-g-report:20190918115712j:plain

 早いレースに出走する面々は特に緊張感が強いという感じ。選手紹介では見事な切り返しコメントを発した川原祐明も、そのときの笑顔とはなんとも対照的な顔つきだった。2Rで初陣を1号艇で迎える佐藤隆太郎も、目つきが実に鋭い。もともと切れ長の目ではあるが、力強さが昨日とはまるで違っていた。

f:id:boatrace-g-report:20190918115746j:plain

 安河内将の表情も鋭い。ただこれは緊張感というよりは、強い気合のように感じられた。最後のヤングダービーということを選手紹介で口にしていたように、この一戦に懸ける思いはかなりのものということか。昨年の浜名湖ヤングダービーではもっと穏やかだったという記憶があるだけに、その変化には感じるものがある。

f:id:boatrace-g-report:20190918115807j:plain

 気合がハッキリと表に見えるのは西野雄貴。西野も今年でヤングダービー卒業だ。もともと気合の入った顔つきであるが、初日を迎えてさらにスイッチが入ったという印象。彼ら若者が、闘志を表に出して作業に臨んでいる姿はなんとも気持ちがいい! 空回りとかそんなことは気にせず(それも若さの特権!)、思いっ切り力を込めて戦ってほしい!

f:id:boatrace-g-report:20190918115832j:plain

 1Rは山崎郡が逃げ切り。山崎もまた気合が伝わってくる表情を見せる男だが、勝利を飾っても険しいというか厳しいというか、力強い顔つきのままであった。そしてもちろん、安堵も伝わってくる。戦った5人に頭を下げて回ると、ふーっと息をつく。まだ仕上がり切っているはずもない初戦での1号艇は、ひときわ不安も大きくなるだろうから、勝ち切れたことでホッとするのも当然だろう。

f:id:boatrace-g-report:20190918115852j:plain

 2Rの佐藤隆太郎も同じような雰囲気であった。こちらはGⅠの初陣でもあったわけで、しかも前評判の高い41号機・渡邉和将が3コースにいるという一戦。安堵感は山崎よりも大きかったかも。

f:id:boatrace-g-report:20190918115914j:plain

 渡邉は4着。2番手を競り負けたばかりか、最後は竹田和哉に3番手をも奪われてしまっている。強パワーの片鱗が感じられないレースぶりに、レース後の渡邉は顔を歪ませ、何度も首をひねっていた。2走目の6Rでどこまで巻き返せるか。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)

f:id:boatrace-g-report:20190918115938j:plain

木村仁紀はカポックをモーターにかぶせてました。直射日光がモーターに当たるのを避けようということだろう。夏の丸亀でよく見ます。

f:id:boatrace-g-report:20190918120040j:plain

1Rを勝った山崎郡は上條嘉嗣のもとに駆けつけ、話し込んだ。暢嵩も「兄貴と一緒に走れるのが心強い」と言っているし、上條兄が大阪軍団の精神的支柱になっているようだ。