トライアル組は朝から調整に余念がない。大きな作業をしているのはまず大山千広。今日も本体整備だ。昨日のリング交換が失敗だった、と語っていた大山が本体に手をつけるのは予想通り。1R発売中には切り上げて水面に向かっており、試運転の結果、さらなる整備が入ることもあるかもしれない。
田口節子も本体をバラしていた。洗浄室というプレートが掛けられた部屋を出入りしていたので、単なる洗浄かとも思っていたのだが、その後ピストンリングを手にしている姿が。もしかしたら交換があるのかもしれない(交換しても、もとに戻す可能性もある)。直前情報に注意してほしい。
遠藤エミはキャブレター調整だ。テーブルをはさんで整備士さんがその様子を見守っており、時折ある部分を指さしてアドバイスを送ったりしていた。まるでマンツーマンの指導のようにも見えた。
今井美亜は今日もプロペラと必死に向き合っている。その今井を心配してか、岩崎芳美がやってきて、隣に座った。その瞬間、カメラマンたちのシャッターがカシャカシャと音を立てる。それに気づいた岩崎は、すっと身を引いて、どうぞお撮りくださいと笑う。岩崎さん、素敵です(笑)。被写体の今井は照れくさそうに笑いながらゲージを当てていた。
松本晶恵も神妙にプロペラ叩き。昨年のティアラ戴冠女王は、今年は対照的に機力に苦しんでいる。昨日もギリギリまでプロペラを叩いていたひとりだし、それで結果を出すことができなかった悔しさがある。今日もとことん、調整所に陣取ることになるだろう。
そのころ、水面にいたのが平高奈菜。昨日は整備でやや上向いたようだが、なにしろ初戦6着、今日はさらなる上積みが欲しいところ。2R発売中にはいったん切り上げて調整に向かっているのだが、JLC解説者の徳増宏美さんと会話している間の表情はもうひとつ冴えがなかった。試運転の手応えは満足できるものではなかったか。
そんななかで寺田千恵は余裕がうかがえる。調整を始めたのは2R発売中で、その前にはスポーツ報知の藤原記者の取材を受けながら、その周辺にいた報道陣やレンズを向けるカメラマンたちを爆笑させる軽口を飛ばしている。もちろん調整は真剣だが、気分上々の様子は伝わってきた。藤原記者が何の取材をしたかは明日あたりの紙面をお楽しみに。
守屋美穂は、キャブレター調整を終え装着した遠藤とスポーツ紙を読んでいた。ミポリンがスポーツ紙を開く姿はかわいかったです(笑)。ニコニコと見入っているのは何の記事かいな、とそーっと後ろに回って覗いてみると、やっぱりのボート面。さすがです! あ、どのスポーツ紙かチェックするの忘れた。いずれにしても、装着場のど真ん中でスポーツ紙を開いているシーンはかなり珍しいものなのであります。
シリーズ組。1R、高田ひかるが向井美鈴のツケマイを受け止めてバック並走、2マークは先マイ態勢だったが、向井を牽制してふところがあいているところに若狭奈美子が突っ込んできて接触し、後退した。この間隙を向井が差して先頭。後半に勝負駆けをつないだ。ピットに上がるとさまざまな選手が向井に笑顔。同地区の角ひとみがねぎらっているところに地区はぜんぜん違う谷川里江もやってきて笑いかけるというシーンもあった。向井も、展開に恵まれた部分があっただけに、いたずらっ子のような笑顔。1マークのツケマイは見事な勝負駆けだったのだから、胸を張っていいとも思うのだが。
2マークでは1マークでは後手の堀之内紀代子が2番手に浮上している。控室に戻る際、向井と堀之内がたまたま肩を並べるかたちになった(同期生!)。そこにたまたまいたテラッチが、二人をからかう。「ふたりとも、よだれかけがいるんじゃないのぉ?」。まあたしかによだれダラダラものの展開ではありましたな(笑)。向井も堀之内もニッコリ! これもまたボートレース。高田ひかるも悔しいだろうが、いったん5番手まで下がりながら3番手を取り返した意地も見事だったぞ。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)