BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――精勤

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 毒島誠が忙しそうだ。1R発売中に試運転を何周か行なって、ボートを引き上げる。素早くギアケースを外して調整。調整を終えると、ふたたび装着して水面へ。そして試運転。1~2周で引き上げて、またギアケースを外して調整。これを終えて装着し、水面へ。これが1R発売中の作業なのだ。最後は試運転タイムが終わったところだったので、係留所にボートをつけただけだったが、それにしても20分ほどの間にギアケースを2度も調整して水面にも2回降りているのだ。で、2R発売中に試運転を行なって、また陸に上がって今度はキャブレターを外して整備室へと向かった。12R1回乗りの男が、早い時間帯からこの精力ぶり。毒島にのんびりという言葉はないのか。

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 対照的にと言ったら怒られるかもしれないが(笑)、守田俊介はのんびりしている姿を本当によく見ますね。ところが今日は、開け放たれたペラ室のドアの隙間から、その姿が見えるではないか。珍しくと言ったら本当に怒られるかもしれないが(笑)、ペラ調整に精を出しているのである。あ、もちろん、いつもまったく何もやっていないというわけではありませんよ。ただ、11R1回乗りだというのに、このタイミングで調整をやっているというのがあまり見られないこと。まあ、このあとはのんびりするのかもしれないが、一味違う雰囲気はあるわけである。

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 そういえば白井英治が走っている姿も見かけたな。ピットでの白井はどちらかといえば泰然としていて、慌てたり焦ったりみたいな様子はあまり見られない。それだけに、駆け足で自艇のもとに向かうというのも、わりと珍しいこと。まあ、大慌てというノリでもなく、ボートが装着場のかなり奥のほうに置かれていたから、というのが理由の大きなところなのかもしれない。

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 あと、忙しそうに見えたのは松本晶恵か。ギアケースを外して整備室に入っていくのを見かけていて、調整して再装着した後もペラ室に駆け込んだり、出てきて自艇へと駆けて行ったりと、あわただしく動いていた。もっとも松本にしてみれば珍しいことではなく、白井とは逆に、走っているところを女子戦でも本当によく見かけるのである。というわけで、これは松本のいつも通り。SGでもいつも通りを貫いて、艇界トップクラスの猛者と対峙しているわけである。

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 さてさて、序盤はイン逃げが続くオールスター3日目。レース後の様子では、1Rの丸野一樹と中田竜太、2Rの篠崎仁志と寺田祥、いずれも2番手を争った者同士が感想戦をしながら控室に戻っていくのが目に留まった。足色の差やお互いの航跡などについて語り合っていたのだろう。そして、競り負けたほうがむしろ表情が穏やかだったのも印象的だった。悔しさはありながらも、その敗因を相手の言葉で感じられることで顔つきが柔らかくなった? その心理はなんともわからない。

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 2Rを逃げ切った濱野谷憲吾は、山崎智也と談笑しながら控室へ。やっぱり華がある二人ですな。関東のツートップを長らく張ってきた濱野谷と智也も、もはやベテラン。二人ともマスターズ世代だもんね。しかしそのライバルストーリーとも言える足跡を見てきただけに、このコンビの横並びにはやっぱりワクワクするものであります。まだまだ若いモンには負けない、の気合を二人には見せてほしいですね。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)