BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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とことん働くピット

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 11R発売中、昨日に時が戻ったかのような光景が見られた。試運転をしていた若手たちが一斉に試運転を切り上げて陸に戻ったのだ。上田紗奈は10Rを走ったので不在だったが……と思ったら、エンジン吊りには参加していたが、他の5000番台は今日もこの時間帯まで試運転。勝浦真帆、薮内瑞希も昨日と同じようにエンジン吊りラッシュの中にあった。

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 それにしても、5000番台の選手たちの瑞々しさといったらもう。たとえば10R発売中、試運転タイムが終わっていったん陸の上へ。3人でキャピキャピしながら控室へと帰っていく。キャピキャピって死語? 20代前半の女の子たちが楽しそうに笑い合っている様子は、オッサンの語彙ではこうなります(笑)。その途上にハゲたオッサンを見つけて、お疲れーっす!と元気いっぱい。若い子に声かけられて、思わず顔が緩むワタシ(笑)。通り過ぎた3人を振り返ったら、来田衣織がなぜかピョンピョン跳ねていた(笑)。うーん、若い!

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 で、今日はこの輪に細川裕子、富樫麗加が加わっている。二人とも初日に事故があったが、やはり調整に苦慮しているということだろうか。富樫は新プロペラにもなっていたから、その調整には時間を要すのは必然ともいえる。細川も転覆前から回り足に不満を抱くコメントが出ていたので、その部分をとにかく煮詰めたいところではある。

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 さらに、10R発売中までは山川美由紀も試運転を行なっていた。今日の山川は1R1回乗り。朝にレースを終えて、この時間帯まで働き続けたのだ。こうしたパワーアップへの執念も、山川をいつまでも強者でいさせる一因と思う。女子として歴史的な実績を残してもなお、飽くなき追及をやめることがない山川は、心から尊敬したい人である。

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 その山川は、11R発売中の1便で帰宿している。この2便で帰ったのは、たったの3名。通常、1便が出発したあとのピットの選手人口密度は下がるものだが、そんなことがまったくないのである。比較的年齢層が若いメンバー構成ということもあるのだろうが、最後まで視界に入ってくる選手の数というか実感できる量みたいなものは変わらないのだ。最後までみなさんご苦労様です!

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 レース後の表情では、長嶋万記が不満げだったのが印象的。混戦の3番手争いをなんとか切り抜けたレースぶりだが、それでは満足とはならないわけだ。スリットではやや後手を踏むかたちになっており、それも響いての3着止まりだが、それこそスタートから反省点は生じるわけだ。長嶋と初めて会ったのは14年前のレディースチャンピオン。当時はそれこそ5000番台若手たちのような初々しさがあったわけだが、時を経て実に逞しくなったな、と思う。ここまではやや不本意な成績になってしまっているだけに、明日はさらに闘志を燃やしてくるはずだ。

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 また、10R4着の大山千広の表情のカタさも、高みを目指す者のあるべき姿と見えた。ドリーム戦は逃げ切ったが、今日は4着2本。これで納得していたらおかしいわけで、その焦燥感にも似た雰囲気の顔色の悪さが、強者らしさとも思えたわけだ。明日の巻き返しに期待しよう。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)