BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――ハグ!

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 1Rの1マーク、ピットでは悲鳴があがった。まくっていった池田浩美が風にあおられたか、キャビって失速したのだ。なんとか立て直して走り出し、一安心。池田は勝負駆けだったが、この大敗で準優進出は厳しくなってしまった。
 それよりも、やはり選手たちは池田の身体を心配。レース後のピットでは、海野ゆかりが「大丈夫!?」と声を張り上げて池田を気遣った。池田は無事であることを伝えて、海野に頭を下げる。そして海野は言った。「カナミがものすごく!」。言葉はさらに続いたが、その先は聞こえなかった。カナミとは松尾夏海。

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 そう、松尾は自分の目の前でキャビった池田を見て減速、さらにハンドルを右に切って衝突を回避したのだ。池田に乗り上げてしまってもおかしくない局面だったが、咄嗟の動きで大事故を回避したのだからこれはファインプレー! エンジン吊りを終えて控室へと走る松尾を、待ち構えていた守屋美穂がキャッチ。そして抱き着いた。松尾の航法を称えたものだろう。本当にあの判断とハンドル捌きは素晴らしかったと思う。勝利と同等、あるいはそれ以上に大事なことはあるし、相手を撃破するハンドル以上に称えられるべきハンドルワークがある。今日は風が安定していないから、選手の皆さん事故には気をつけて!

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 2Rでは新田有理が4カドまくりでGⅠ初勝利。出迎えようと中国勢がリフトに集まり、その後ろで小野生奈が拍手していた。そのとき新田はまだリフトにも辿り着いていなかったのだが……生奈さん、フライング(笑)。まあ、このFはまったく問題なしです! そしてリフトからせり上がってきた新田に対して中国勢が一斉に拍手! 角先輩や海野先輩も嬉しそうだった。

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 そして、エンジン吊り後には西橋奈未が新田に抱き着いた。同世代の活躍はやっぱり嬉しいよね。今節6着6着から始まって、懸命に立て直しての1着。西橋はその過程も見ていただろうから、我がことのように嬉しそう。それを見て新田は泣き真似で感謝をあらわしていたのだった。ほんとにおめでとう!

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 ところで、今日はさすがに整備に必死な選手は見当たらず、小野生奈がキャブレター調整、中川りながリードバルブ調整していたのが目についた程度。小野はかなり落ち着いた様子に見え、試運転からあがってきた平高奈菜と明るい顔で会話を交わしたりしていた。「芦屋のときは……」などがちらりと耳に届いてきたので、前節と今節の調整の違いみたいなものを話し合っていたのだろう(二人とも前節はオーシャンカップです)。中川は4Rで勝負駆けに臨むわけだが、2R発売中にはモーターを装着して、試運転も早めに始める模様。GⅠ初出場で初予選突破に挑む。

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 そして、ゲージ擦りは遠藤エミと守屋美穂。仲良く肩を並べてゲージをコシコシと擦っていた。得点率10.00で並走の二人が、ゲージ擦りでも並走(笑)。最終的にトップに立つのはどっちだ!?(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)

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