BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――一平、逃げる

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 前記事=水神祭記事で書いたように、今日は飛び込めなかった野中一平。それもこれも、11R1号艇に影響を及ぼさないようにというプロ意識! そしてきっちりと逃げ切り! あがってきた野中は、対戦相手に敬意を表してということなのか、淡々とエンジン吊り。まったくはしゃぐことなく、吉田裕平らに声をかけられたとき以外は笑顔を見せることもなく、いたって穏やかなレース後を過ごしたのであった。カメラを向けると、静かに微笑。静かにアロハポーズ。サービスはするけれども、過剰にポーズはとらないという。うーん、一平、お前は男の中の男だ! というわけで、明日は誰かの水神祭とレースがかぶらなければ、気分よく飛び込むことでしょう(笑)。

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 10Rは豊田健士郎の逃げ切り。115期勢が連続で逃げ切った格好だ。やはり115期の仲谷颯仁のまくり差しを押さえ切っての逃走で、レース後は気分良さそうに微笑む健士郎であった。仲谷との交錯も一瞬。控室ではともにレースを振り返り合ったりもしたのだろうが、ピットにいる間にはお互いに一瞥を交わす程度だった。それがまた、同じ釜の飯を食った者同士の信頼感にも見えて、なかなかカッコいいのであった。ドリーム戦、今日の前半とやや消化不良だった健士郎、ホッとした部分も大きかっただろう。

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 このレースで3着となった前田篤哉。ゴンロクを並べた初日から前進したように思えるわけだが、レース後の表情はもうひとつ晴れなかった。まだまだ不満が大きいのだろうか。着替えを終えてピットにあらわれたときにも、どんよりとした雰囲気すら感じられて、選手の気分を左右するものは、着順うんぬんもそうだが、やはりモーターの感触という部分が大きいのだと改めて感じた次第。

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 10R5着の中山将太は、1マークで仲谷の引き波に乗ってズルリと後退。これがやはり敗因ということになるだろう。エンジン吊りに参加した福井支部の後輩である西橋奈未とレースを振り返りながら、終始苦笑いを浮かべているのであった。初戦2着と悪くないスタートだっただけに、やや手痛い大敗だったと言える。明日はスッキリした笑顔が見たいっすね!

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 ところで、今日は吉田凌太朗のバースデー! 28歳です。そうか、誕生日に6号艇、だったのか。なかなかハードなバースデー。6着を獲ってしまった、複雑な誕生日なのであった。それでも、すれ違いざまにおめでとうと祝福すると、アハッと笑みを返した吉田。予選序盤はゴンロクとなってしまったわけだが、ここから巻き返せ! 今日は1便でも帰れるものを、最後まで残って調整作業。反撃の準備は着々と進めていたぞ。

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 終盤の時間帯、レア、なのかどうかはわからんが、なかなか貴重なワンシーンが。遅くまで試運転をしていたのが、中村晃朋と竹田和哉。11R発売中に切り上げると、エンジン吊りに駆け付けたのが中村桃佳。ファミリー! 義兄弟が足合わせをし、そのヘルプを妹であり、奥様でありが出迎える。竹田は納得いかないのか、何度も首を捻っていたけれども、義兄と奥様が支えてくれるでしょう。一家で力を合わせて頑張ろう!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)