BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

平和島ダービーTOPICS4日目後半

THE勝負駆け②激変ラッシュ!

 今日イチ過酷なサバイバルカード=11Rは、大波乱とともにV戦線の行方を大きく揺るがす一戦となった。メンバーを再掲しよう。

f:id:boatrace-g-report:20211029171042j:plain

11R
①桐生順平 4着6・17
②丸野一樹 3着6・17
③久田敏之 4着6・00
④平本真之 完走当確・3着トップ当選
⑤西村拓也 圏外
⑥辻 栄蔵 3着6・20

 いざ実戦、大波乱を演出したのは④平本真之と⑥辻栄蔵だ。それぞれ予選トップ、準優入りのために3着以内を目指す戦いだったが、1マークはズボズボのW差し展開で先頭争いに持ち込んだ。

f:id:boatrace-g-report:20211029171112j:plain

 スリット裏の隊形は平本有利に見えたが、そこから最内の忍者・栄蔵が伸びる伸びる。今節、【ピストン2・リング4・シリンダーケース・キャリアボデー・クランクシャフト・キャブレター】を交換して別物になったワースト50号機、どんだけ機力アップしたんじゃ~~!? この人造マシン『ハカイダー』に舳先を突っ込まれた平本は、2マークで叩き潰すべく頭ごなしにぶん回した。が、あまりに無理筋の攻めで消波装置方向にぶん流れ。「3着でトップ当選」の身の上としては、もっとも危険な戦法を選んでしまった。
 あっという間に4番手に後退した平本は2周1マークで渾身の全速まくり差しを繰り出したが、久田敏之と接触して万事休す。大差の6着でゴールするとともに、予選トップの座を峰竜太に明け渡した。平本自身は暫定4位で準優2号艇ゾーンまで降格。おそらく、レース後の平本はあの2マークの強攻策を大いに反省したことだろう。
 10Rの5コースまくりで1着×バック先頭から攻めすぎが災いして6着。
 この2レースで、今節の主役が完全に入れ替わった。

f:id:boatrace-g-report:20211029171152j:plain

 ってなわけで、予選が終わってみればシリーズリーダーは選考1位=ドリーム1号艇の峰竜太。こうなってしまうと「最強レーサー峰の独壇場、逃げ逃げで優勝確定!」みたいな空気になってしまうわけだが、私はちっともそうは思わない。

f:id:boatrace-g-report:20211029171242j:plain

 節イチの足を誇る深川真二19号機のみならず、暮れの地元GP参戦へもう後がない王者・松井繁、どの枠からでもオラオラ動く艇界随一のインファイター江口晃生、神出鬼没に内枠を揺さぶる前本泰和、白井英治、さらには伸びに特化すれば節イチの怪物になる桐生順平35号機、不気味なピット離れパワーがある山口剛などなど、個性的なレーサー&パワーが鈴なりなのだ。その人機と枠番が絡み合って爆発的な化学反応が起これば、常勝・峰であっても吹き飛ばされる可能性はある、と思っている。

f:id:boatrace-g-report:20211029171308j:plain

 最終12Rは「東都の絶対エース」濱野谷憲吾が堂々の逃げきりで、予選2位=準優1号艇を得た。今節はパワー的にやや物足りない感じがあるのだが、地元水面の利と賞金ランク1位への思いが合体すれば、打倒・峰の実現もありえるだろう。

f:id:boatrace-g-report:20211029171343j:plain

 さてさて、予選トップも準優ボーダーも最後の最後に激変が相次いだ勝負駆けデーが終わり、平和島ダービーの準優18PITが確定した。

準優勝戦

10R
①秦 英悟(大阪)
②平本真之(愛知)
③桐生順平(埼玉)
④前本泰和(広島)
⑤松井 繁(大阪)
⑥丸野一樹(滋賀)

11R
①濱野谷憲吾(東京)
②辻 栄蔵(広島)
③深川真二(佐賀)
④深谷知博(静岡)
⑤江口晃生(群馬)
⑥馬場貴也(滋賀)

12R
①峰 竜太(佐賀)
②白井英治(山口)
③古澤光紀(福岡)
④山口 剛(広島)
⑤松田大志郎(福岡)
⑥上野真之介(佐賀)

f:id:boatrace-g-report:20211029171408j:plain

 うむ、この準優の配列を見る限り、文句なしにゴリゴリ動くのは11Rの江口(抵抗する深川も?)だけか。10Rも12Rも枠なり3対3になりやすい面子が揃った気がするが、ここからどんな人機がファイナルに進出するか。2日がかりの物語を脳内で描きつつ、明日からの大一番を穴舟券とともに楽しみたい。(photos/シギー中尾、text/畠山)