BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――ラストチャレンジャー決定 本日の水神祭付き!

●10R オマケの水神祭!

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 賞金17位の新田雄史がまくり差しで1着! これでグランプリ出場に一気に近づいた。この時点では11R以降の結果も関わってはくるが、ほぼ当確となった一撃である。
 そして! この勝利が通算1000勝! なかなか劇的な場面で区切りの勝利に到達したわけだ。というわけで、水神祭の模様を一気にどうぞ!

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 ピットにあがってきた新田に、原田幸哉をはじめとする選手たちが興奮気味に駆け寄って、肩を揺らしたりしていた。グランプリ行きが決定的となり、さらに通算1000勝というオマケつき、仲間たちが新田をおおいに煽るのもうなずけるというものだ。それに応えて、新田は控えめに両手を掲げたりして、準優勝利とは思えないほどの祝祭空間がそこには出来上がっていた。とにもかくにも、優出&1000勝、おめでとう!

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 差された桐生順平は、優出を決めたことで6位以内でのグランプリ行きをぐっと引き寄せている。しかし、やはり1号艇を落としたことへの悔恨のほうが大きく心を占めているのか、表情は冴えなかった。新田の周囲が弾んでいるのを見ればなおさらだろう。会見では、「自分がヘタです」を何度も繰り返しており、大きなモヤモヤを抱えたのは間違いなさそうだ。桐生は予選でも1号艇で峰竜太のまくり差しを浴び、しかし3号艇でまくり差し1着を獲っている。同様のリベンジを、優勝戦で果たしたい。

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 秦英悟のグランプリ行きチャレンジはここで途絶えた。最高峰の舞台が現実味を帯びて見えたのは今年が初めてだっただろうが、昨日の12R快勝も含めて、素晴らしい戦いぶりだった。これをステップに、来年はさらに飛躍を! レース後はもちろん悔し気に顔を歪めていたが、その思いを明日からにつなげてもらいたい。

●11R 18位19位入れ替わる

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 18位でこのレースを迎えた佐藤翼は、チルトを跳ねて勝負に出た。しかし準優の6コースはさすがに遠かったか。予選初戦の再現はならなかった。

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 19位でこのレースを迎えた瓜生正義は、外の攻めを封じての逃げ切り。優出を決めた。この次点で666円差は当然、ひっくり返る。瓜生は優勝戦でさらに大きく上積みし、佐藤は19位で明日はヒリヒリした一日を送る。佐藤は、顔面蒼白といったら言い過ぎかもしれないが、やはり硬い表情で引き上げてきている。一方の瓜生も、特に歓喜をあらわすことなく、ごくごく自然体のレース後なのであった。その点では、10Rとは好対照。

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 2着の中島孝平も、レース後に感情の発露をあまり見せるタイプではなく、優出を決めた高揚感もあまり伝わってはこなかった。そう、これが中島らしさ。ペナルティで一時SGを離れた時期があり、戦線復帰は今年に入ってから。グランプリ行きを目指すことについてもいろんな思いはあるはずだが、それは胸の内でのみたぎらせて、明日は最後の勝負駆けに臨む。

●12R 広島ワンツー

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 予選トップの辻栄蔵が逃げて、チャレンジ制覇に王手をかけた。そして、山口剛が2着。最後の準優は広島支部のワンツー!
「憧れていた先輩とSGの準優でワンツーを決められて、レーサー人生のなかでもかなり嬉しい。感動しました」
 そう振り返る山口は、2着とはいえかなり表情が明るかった。しかも揃ってグランプリに行くチャンスを得ることになったのだから、さらに気持ちは高ぶっていることだろう。

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 一方の辻は、淡々とはしているものの、柔らかな表情。山口とハイタッチするような場面はついに目撃できなかったが、辻としても最高の結果ではあろう。「広島の方は舟券獲った方、たくさんいたんじゃないかと思います」とおどけるのはまさに辻流で、やはり山口同様、明日の戦いへの大きな後押しになるはずだ。
 今年は、長いブランクを経ての勝利、がトレンドかもしれない。濱野谷憲吾の14年4カ月ぶり、原田幸哉の11年9カ月ぶり。もし辻が優勝すれば15年11カ月ぶり、山口が優勝すれば11年8カ月ぶりのSG制覇! 流れも広島支部に向いている?

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 惜しかったのは池田浩二。2コースから鋭い角度で差しに構えたが、ターンマークに接触して後退してしまった。レース後、瓜生正義に「大丈夫か?」と声をかけられて池田は言った。
「ターンマークがかわいそう!」
 ダハハ、身体は大丈夫ということなのだろうが、池田流の物言いか。ようするに、悔しかった!ということだ。

●4度目のVか!

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 GⅡは今日が予選最終日。9Rでは遠藤エミが逃げ切って、優勝戦1号艇を手にした。なにしろ、レディースチャレンジカップは過去3回優勝。また、クイーンズクライマックスはトライアル初戦1号艇も確定。優勝戦1号艇だからといって、特に沸き立つものはないだろう。それにしても、明日逃げ切ればこの大会8回の歴史のうちの半分を独占してしまう! 本人は「相性がいいですねえ」とアッサリしたものだが、相性の良さだけで片付けていいのかどうか。優勝戦、楽しみだ!

●地元クイクラへの望み残る

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 大山千広は1Rと5Rに出走。2着3着では、その次点では次点に終わる可能性があった。しかし、8Rの結果によって6位に滑り込んだ! 地元クイーンズクライマックスへの勝負駆け、残った!
 先輩の“失敗”による優出だから、さすがにはしゃぐわけにはいかない。というわけで、歓喜の様子を目撃することはできなかったが、明日に向けて決意は強くなったはずだ。6号艇から一発逆転なるか!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)