BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――大一番目前

●試運転真っ盛り!

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 8R発売中。ついに九州勢の姿を見ることができた。彼らに限らず、この時間帯はまさに試運転真っ盛り。8R出走選手、展示ピットにボートを移した9R出走選手以外のすべての選手――すなわち10R以降に出走する18選手――が試運転をしていたと言っていい。つまりこの時間帯は、調整の追い込みの時間帯なのだ。それまでボートを陸にあげてペラ調整をしていた西山貴浩も、ボートを下ろすとそう間を置くことなく、水面を疾駆した。

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 というわけで九州勢だが、篠崎元志ももちろん試運転。ただ、陸に上がったときの様子はどこか不満げに見えた。この時点ではまだ思うような仕上がりになっていないのだろうか。時間はもうあまり残されていない。急ピッチの調整ということになるだろうか。

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 上野真之介は西山らと頻繁に足合わせをしており、係留所では感触を伝えあう会話を交わしているのが聞こえてくる。上野、けっこう声が大きいのね(笑)。もっとも、レースを終えた選手がすでにレース場を後にし始めており、人影が少なくなって声が通りやすくなっているのは確かではある。

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 岡崎恭裕は、調整用の係留所あたりから水面を5分ほど眺めていた。風向き、強さ、波などを確かめていたのだろうか。物静かにたたずむ様子には、かえって迫力を感じさせられた。聡明な岡崎のコンピュータが猛回転を始めているようにも思えた。

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 ちなみに、中島孝平も同じように水面を眺めていたが、岡崎の半分ほどの時間でどこかへ立ち去っている。

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 グランプリ組ではやはり峰竜太。試運転をしているのは見たが、この8R発売中にはペラ調整室には入っていない。緊張感漂う表情であり、もちろんペラ調整はこの後行なうだろうが、むしろ精神の調整段階なのではないかと思われた。とにかく、かなり集中しているようには見えていて、レース直前の峰らしい姿になっている。
 というわけで、調整できる時間が残りわずかになってきて、非常に慌ただしい雰囲気がピットに漂っているし、それが少しばかりのピリピリ感を醸し出していて、大一番の数時間前らしくなっている。こちらも緊張感を憶えるようなこの空気、悪くないです。ピットも確実に、メインイベントに向けてボルテージは上がってきているのだ。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)