鬼将軍、散る。
やはり、この男がいるSGは何かが起こる。西島義則、60歳。6Rで2号艇だった西島は、オレンジブイを回った瞬間にフルダッシュ! 呆気にとられる1号艇・永井彪也を尻目に、くるり2マークを先取りしてイン強奪を決定づけた。
最近のSGでは極めて珍しい「力づくのインコース奪取劇」。でもって、もちろん『安芸の闘将』はインを奪っただけで満足する男ではない。次なる継続手はスタート攻勢で、そのタイミングは泣く子も黙るコンマ00!!!! 他の5人がコンマ13~20止まりだから、まさに唯我独尊のタッチスタートだ。
だがしかし……インを奪ってもコンマ00発進しても、それで1着確定とならないのがボートレースの残酷さ。1マークを回った瞬間、1艇身遅れでスタートした③白井英治、⑤茅原悠紀ら後輩たちがわらわら内フトコロに殺到し、あっという間に4番手まで後退してしまった。昨日のもらい事故でプロペラが破損、新ペラを叩き換えたものの戻しきれなかったのかも知れない。
嗚呼、それにしてもの神出鬼没、奇想天外な60歳であることよ。西島と同い年の私は「もしかしたら、この男はインを奪うのではないかしらん??」などと以心伝心の閃きで(?)、②③⑤ボックスを仕込んでいたため、法外の脳汁を噴き出すことができた。もしも逃げきって②⑤③決着なら480倍のメガ配当……そんな夢をリアルに見せてくれただけでも、「西島、ありがとう」と礼を言うべきだろう。
昨日は不完走~今日も執念が実らず4・5着に敗れた西島は、2日目にして準優へ赤信号が点った。それでも、この鬼将軍が地元のSGで手を抜くことは200%ありえない。明日からも、隙あらばイン強奪などの奇襲・強襲を企てるに違いない。
さてさて、昨日の当欄で「もっと荒れるはず!!??」などと煽り、昨日の『展望BOATBoy』でも「(2日目は)イン5勝、万舟4発」と予言をぶち上げたのだが、いざ現実は……?
インコース9勝、万舟1発。
はい、1Rの倉持莉々からイン選手が逃げるわ逃げるわ、ふと気づけば第7Rで「イン5勝」に到達。いつものことではあるが、とんでもないダメダメ予言になってしまった。唯一の万舟も、11R①守屋美穂のイン逃げ=154倍の“ピンマン”だったし。読者にはひたすら詫びるしかないが、まだまだ心は折れておりませんぞ。
明日こそは、もっともっと荒れるはず!!!!
と強い心を持って、明日の舟券作戦に挑む所存である。ってなわけで、2日目を終えての私なりの勝手なパワー鑑定をアップしておきます。
独断パワー評価
評価 備考
實森美祐 S 全部がSの抜群パワー! 直線で上はいる
平高奈菜 A+(直SS) 直線トップ級、出足系統は中堅レベルか
菊地孝平 A+ 行き足中心に全部の足が強め
西山貴浩 A+ 珍しく直線も強力で弱点のない優秀パワー
茅原悠紀 A パンチ力ないが見事なバランス型
山口 剛 A 行き足主体に自在に立ち回れる軽快パワー
石野貴之 A(行S) 出足やや甘いがスリット足はトップ級
松井 繁 A(行S) 前検より行き足が甘い印象
高田ひかる B+(直S) 選手的にもうひと伸び欲しいか
守田俊介 B+(行A) 今日は回り足がさっぱり
篠崎仁志 B+ 質のいいバランス型
倉持莉々 B+
菅 章哉 B+(直SS) 伸びは節イチ、常に一発警戒
藤山翔大 B+(直S) 足以前にスタート集中あるのみ
濱野谷憲吾 B+
上平真二 B+(回A)
村松修二 B+(出A)
毒島 誠 B+ さすがの整備力でV目指せるレベル
秦 英悟 B+(直A) 伸びは強力もターン回りが滑る
鎌倉 涼 B+ 直線アップで要注意の気配
山崎 郡 B+↓ 今日はズレズレでターン回り×
守屋美穂 B レースごとに違う足、調整途上か
瓜生正義 B 行き足は強めも出足が甘い
白井英治 B(直↑) キャリアボデーで一変も上位までは
平本真之 B しっかり合えば中堅上位ある
秋山直之 B(回A)
前本泰和 B 前検は良さげだったが中堅止まり
徳増秀樹 B↓ 昨日より行き足ダウンか
遠藤エミ B↓ 今日は調整ズレまくり? 回れない
辻 栄蔵 B 悪くはないが威張れるほどでも
大上卓人 B 行き足は上昇中もトータル中堅気配
原田幸哉 B
佐藤 翼 B(伸↑↑)※要注意、菅ゲージで大変身か?
篠崎元志 B(伸↑) 伸びは大幅アップも競ると弱い
平山智加 B
桐生順平 C↑ 最悪は脱したが中堅以下か
田口節子 C 素性も厳しく良いところが……
寺田 祥 C 毒島にズブリ差される非力さ
西島義則 C 新ペラとの折り合い急務?
永井彪也 C
今垣光太郎 C とにかくもうひと伸びが欲しい
深川真二 C 行き足上向いたがまだ全体弱いか
江口晃生 C 回転が合わず出足に繋がらない印象
池田浩二 C 2R差しは決まったが、余裕なく
田頭 実 C
丸野一樹 C
羽野直也 D 全部の足が余裕なさげ
田村隆信 D 大整備で最悪は脱したが……
馬場貴也 D 必勝態勢から突き抜けず、押し足×
磯部 誠 D 引き波超えられない厳しさ
上野真之介 D(直E) とにかく伸びが弱い
新田雄史 D 整備の甲斐なく厳しいままか
※備考欄でも書いたが、11Rの佐藤翼はおそらく同期・菅のアドバイスを活用してストレート足が大幅アップ!(チルトは1度) 今後も外枠ではこの調整をする可能性が高く、6号艇ではチルト3度も想定しておきたい。(photos/シギー中尾、text/畠山)