BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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鳴門マスターズTOPICS 初日

鬼将軍に金棒

 今シリーズは極端に機歴が乏しいまま初日を迎えたので、ざっくりパワー評価も交えつつTOPICを書き留めたい。少しでも明日の舟券作戦のお役に立たれれば嬉しい限りだ。

★西島義則17号機【回S・直B】

 この17号機は初下ろし節で藤田俊祐が鬼レベルの出足・回り足を披露。初日からくるくる回って着を押し上げファイナル1号艇をGET(③小坂尚哉25号機にまくられ4着)したが、今日の3Rの⑥西島もほぼほぼ同じ見え方。前付けで深めの2コースから3カド寺田祥12号機のまくりに抵抗。
 そもそも、あの隊形(西島コンマ17×寺田コンマ11)から抵抗できただけで非凡な出足~行き足を感じたものだが、さすがにブロックしきれず引き波を浴びてバック5、6番手に。大敗必死の流れから、2マーク~2周1マークと最内をくるくる回って4番手⇒3番手と舟券ゾーンに突入してしまった。追い抜いた相手が“スーパー新兵”の吉永則雄だったり、大村のGIを獲ったばかりの元名人・原田幸哉だったりするから恐れ入る。

「今年で63歳。しかし、ただの年寄りじゃありません!」
 開会式の公言どおり、2周1マークの鋭角ターンは初動のタイミングといいスピードの緩急といい、年寄りどころかSG常連まんまの完璧すぎる逆転ターンだった。
 で、ターン出口で幸哉らをグイッと突き放したのは、相棒17号機の抜群パワーに拠るものだろう。うーーん、実になんとも絶妙なカップリング。私は昔から同い年の西島を『安芸の闘将』とか『安芸の鬼軍曹』などと勝手に呼んでいるのだが、今節の17号機は文字どおりの「鬼に金棒」か。

 だとするなら、明日からもグングン前付けしてくるくる回ってガンガン舟券に絡み続けてあれよあれよの14年ぶり名人位復権V、なんてことがあっても私は驚くつもりはない。同い年の私はすっかり年寄りだけど、この鬼軍曹はただの年寄りじゃないのだから。17号機よ、日曜日まで鬼の背中を押しまくれ!

★古結宏10号機【出A・直A+】

 この10号機は初下ろしから皆勤賞で、過去2節は繁野谷圭介~山本隆幸が「スリットでちょい覗き、さらに1マークまでじんわり伸びるけど、ターン回りからはちょい重め」ってな感じの足色で合致していた。まあ地味といえば地味な感じで、三島敬一郎の第十席あたりがぴったりの印象だった。

 そして、今節の相棒が古結だ。3節連続の関西ラインにして、前節からは兵庫支部のバトンリレー。前検時に「同じ支部だからペラは問題ないはず」とアドバンテージを感じたそうだが、今日の5Rの実戦足はまさにドンピシャ。例によって5コースからじんわり出て行ったし、そこから1マークまでの伸び足も秀逸。もっと言うと、そこから引き波を超える出足系統も繁野谷~山本よりも軽快に見えた気がしたのだがどうか。
 5号艇から非凡なパワーで2着を取りきった古結の明日は【3R1号艇・11R3号艇】の書入れゾーン。ここも山本からの引継ぎパワーを生かして20点加算なんてことになれば、46歳での名人戴冠も現実味を帯びてくるだろう。

★石川真二70号機【出A+・直A】

 5Rの古結10号機が抜群レベルとするなら、この石川70号機もほぼ同格の評価をするべきだろう。道中で古結や服部幸男とガンガン叩き合い、大競りで不利な展開になりながらもグイグイ追いすがったレース足は賞賛に値する。
 相棒の70号機は前節の優勝機。安河内将が初日から出足~行き足主体にゴキゲンなレース足でポイントを重ね、私の日々のメモには「全体に強め!」⇒「道中の押し足は鬼の一語!」⇒「出足よし伸びもよし」⇒準優「1M大競りもしっかり2着、節二パワーか」⇒優勝戦「④安河内vs②若林の節二・三争いで安河内V」と高評価。
 昨日の段階で石川が自分スタイルに叩き替えたらしいが、それでも今日のレース足は文句なしの抜群レベルで、ややもすれば古結10号よりパワフルだった可能性も否めない。これだけのハイパワーに伝家の宝刀・鬼のピット離れまで付いたりしたら、さらに恐ろしい存在になることだろう。

 上記の3人の他にも、機力的に良くも悪くも気になった人機も紹介しておこう。

★田中信一郎50号機【出A・直A】=昨日の前検で妙に良さげに見えたらば、今日は5コースまくり差し×イン逃げのロケットスタート! スリット近辺の行き足も引き波を超えるパワーも上々で、昨日の見立てどおりの見え方ではあった。元より格上の古豪が、明日の5R2号艇で無傷の3連勝にアタックだ。

★寺田祥12号機【出?・直?】=前節の若林義人が安河内70号機とVを争った超抜機。三島敬一郎も私も大いに期待したのだが、今日のところは鬼足を発揮できなかった。後半11Rは5コースまくり差しがドン突き失速という展開の不利があり、パワー負けとは思わない。明日からの巻き返しが楽しみではある。

 さらには森高一真50号機、上平真二53号機、井口佳典71号機、中谷朋子25号機、高橋勲22号機なども気になるけれど、それは明日以降に!(photos/シギ―中尾、text/畠山)