BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――妙な感覚

 朝のびわこは扉にも書いたとおり濃霧で、どうなることかと思ったが、それでも選手たちは試運転に励んでいて、レースが始まる頃にはなんとか支障がないくらいに霧は薄くなった。今現在は、対岸のビジョンもハッキリと見えている。ちなみにピットの湿度は約96%だった。そりゃあ霧も出るわ、という湿度の高さである。
 準々決勝戦は9R以降だが、そちらに出走する選手たちも2回乗りで朝からレースに出ているので、当然早くから調整や試運転に飛び回っている。なにしろ1Rから9R出走の原田幸哉が登場。前付けで沸かせている。

 2Rには11R出走の毒島誠が登場。5コースからのまくり差し一閃! 準々決勝戦に勢いをつける勝利だ。もちろん勝ち上がりには関係ない勝利ではあるのだが、展開ズバリの快勝に満足げな表情を見せる。もちろん、その後は11Rに向けての調整に取り掛かっている。

 そんなわけで、ピットで選手たちを見ていても、誰が準々決勝組で誰がそうでないのか、一瞬よくわからなくなってくるわけである。末永和也が早くから試運転を始めていて、出走はどこだったかしらんと出走表を確認すると10R1回乗り。通常の準優日なら、「早い動き出しだなあ」などと感じ入ったりするわけだが、今日は出走表をチェックしてようやくそう感じるといった次第だ。

 石野貴之も9R1回乗りの準々決勝組だが、やはり早くから試運転。1R発売中にはいったん切り上げて、ペラ調整に入っているが、それも出走表をチェックして「今日の石野は早いですなあ」などと感心したのだった。

 逆に、篠崎元志がエンジン吊りでしか姿を見なかったので、勝ち上がったんだっけなあと出走をチェックすると7R1回乗り。3R発売中にはペラ室に入っていったのを見たが、それまではゆったりと過ごしていたようである。なんだか準優組のような動きのようにも見えたりしたわけだが、ようするにそこまで急ぎの調整は必要ないということなのだと思う。元志はエンジン吊りを待つ間、ホッカイロを顔に当ててました。イケメンでも寒いもんは寒いよね。

 そして、関浩哉がかなり熱心に足合わせをしていて、ピットでも駆け足で移動。忙しそうにしていたので出走表チェックすると4Rに登場だ。なるほど、急ぎの調整をしていて不思議はないのだが、でも12Rにも出走する準々決勝組でもあるのですよね。というわけで、ピットで選手の様子を見ながらも普段とはまったく違った感覚になってしまった、霧立ち込める朝なのであった。過去3回もこんな感じだったっけなあ……。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)