BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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個人戦だって熱い!2日目前半のピットから

 今節はもちろん「団体戦」が目玉ではあるが、「個人戦」も行なわれるわけで、こちらの戦いも熱い。しかも、準優勝戦は男女それぞれ得点率上位6人なので、4分の1の狭き門。たとえばSGは52人中18人と、3分の1以上の選手が予選突破するわけだから、実は個人戦の優勝争いはけっこう厳しいのである。
 4R、渡邉優美が3着。後輩の内山七海が2コースから差して粘り、渡邉は猛追したものの、これを捉えられなかった。勝率の差を考えれば、痛恨事に違いない。レース後の渡邉の表情はなかなか険しく、レース後に速攻で着替えを終えると、ボートごと整備室へと運んで行った。何度かお伝えしている通り、整備室は競技棟の裏。ボートごと運ぶには、ぐるりと競技棟を迂回しなければならない。しかも装着場からいったん、ちょっとした勾配を上がらなければならない。なかなかの重労働だと思われるのだが、渡邉はそれを厭わない。整備室の模様は確認できないが、本体整備に取り掛かるのは間違いなかろう。

 2着に入った内山の様子からは、先輩を競り落とした快哉はあまり感じられなかった。むしろ恐縮!? なんとか粘り切ったことは殊勲と言っていいと思うのだが、必死だったであろうことは想像に難くなく、ホッとした部分も大きかったか。

 3Rでは、中亮太が1号艇で5着大敗。これは痛い。ルーキーズの主力であり、優勝候補の一角のはずが、予選序盤で足踏みを強いられた。しかも白カポックで、だ。レース後の様子は当然ながら渋い。そして、やはりレース後はすぐに装着場にあらわれて、調整作業に取り掛かっていた。12Rまで時間はあるが、そんなことは言っていられないのだ。

 2Rは追加参戦の西村美智子が逃げ切り快勝。ただし、なんと西村は(あとルーキーズの追加参戦・西川拓利も)賞典除外。準優には進めないのだ。そういう規定の大会だから致し方ないが、つまり西村としては何としても団体戦優勝に貢献したい一心の、参戦なのである。だからオール女子レースの逃げ切りも勝ち上がりという意味ではあまり関係ないわけだが、それでも勝てば表情は明るいわけである。団体戦勝利と同時に、しっかり勝率上げて帰ってくださいね!

 5R団体戦は倉持莉々が逃げ切り。レース後は淡々とした様子で、あまり高揚感は見えず。団体ポイントは、2~4着に入ったルーキーズが持っていったから、それも頭にあった? まあ、もっともキャリアがあり、SGも経験した格上としては、この1号艇は必勝の一戦だったということもあろう。さすがの女子勝率1位、風格も感じられる。

 初日はルーキーズが優勢だったが、2日目も滑り出しでルーキーがポイントを積み重ねた。レディースとしては巻き返しに転じたいところではある。昨日のYouTube「週刊BOATBoy」では女子の団長である魚谷香織にインタビュー。魚谷はこれまでのこの大会の参戦で、一度も団体優勝を経験していないと言っていた。だから今回は当然、勝ちたいという思いも強い。今日は11R1号艇。しっかりと逃げてポイントゲットするために、2R出走後も変わらず調整を熱心に進めていたぞ。気合のレースに期待しよう。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)