BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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明日の勝負駆け&TOPICS3日目

女傑8人衆の斬り合い

 まず、個人戦は明日4日目が準優・勝負駆け(レディース組とルーキーズ組がそれぞれ6人ずつ戦い、1~3着がファイナルで激突)なのだが、レディース組でおそらく前代未聞の異変が起きている。
 準優ボーダーを8・00点として、それをクリアできる女子はわずか8人のみ!!

 つまり3日目終了時点の暫定8位・渡邉優美が7・60で、同9位の古賀千晶が4・80。あまりの大差で、9位以下が完全に千切れ飛んでしまったのだ。今節は開催前から「女子レーサーの実力差が激しい大会」と予測してはいたものの、まさかこれほど残酷なヒエラルキーが発生するとは……。かくしてレディース組は【8人で6個を奪い合う椅子取りゲーム】となったわけだが、これはこれで大激戦と見ることもできるだろう。8人の女の戦いで、消え去るふたりは誰だ??

 一方、白組ルーキーズは15位の藤原飛翔あたりまで予選突破がありえる混戦模様。V候補と目されたドリーム組がすべて7位以下だけに、これまた紅組とは別の意味で予測不能の大混戦とお伝えしておきたい。紅白それぞれの勝負駆け状況をまとめておこう。

★明日の勝負駆け状況

レディース

1中田夕貴  3・3着
2魚谷香織  4着
3鎌倉 涼  3・3着
4高田ひかる 3着
5倉持莉々  2・2着
6川野芽唯  2・2着
7西橋奈未  1着
8渡邉優美  1・2着
※推定ボーダー8・00

ルーキーズ

1砂長知輝  完走当確
2廣瀬篤哉  4・6着
3井本昌也  完走当確
4中野仁照  1・6着
5梶山涼斗  2・3着
6三村岳人  2・3着
7伊藤尚汰  2着
8竹下大樹  2着
9山本稔太朗 2・2着
10前原大道  1着結果待ち
11山口広樹  1・2着
12中 亮太  1・2着
15篠原飛翔  1・1着
※推定ボーダー6・50

 さてさて、団体戦は……上のランキングだけを見比べると「紅組の方がめっちゃ強力やん!」と思われるだろうが、3日間を終えての団体戦ポイントはさにあらず。今日も【白紅白白紅白白紅】とルーキーズがしっかりとポイントを積み重ね、トータルではソコソコの大差がつきはじめている。

★2日間の団体戦ポイント

 紅組1014白組

 なぜかと言うと、ちょっと口は悪いが「紅組の力量不足の若手たちがチョイチョイ足を引っ張っているから」だと思っている。明日以降もこの傾向が一気に変わるとは思えないが、これはこれで面白い流れではなかろうか。
 昨日も書いたけど、能力的に飛び抜けた【女傑8人衆】が点増しの優勝戦や選抜戦で優位(枠番とかレース展開とか?)を築く可能性が高く、多少のポイント差なら一気にまくりきれるポテンシャルを維持している。ざっくりとして皮算用だが「このまま白組が最終日まで6ポイントほどリードした方が、最終日はよりスリリングになる」と思っているのだが、どうだろうか。

明日のブライトホース

125期の特攻隊長
5112砂長知輝(埼玉・125期)

本日【1R1号艇1着・8R2号艇1着】
明日【12R6号艇】

 今日は1Rがイン逃げ圧勝、8Rで2コース・ズボ差し。あれよあれよの2連勝で、節間成績も8・80=ルーキー組の暫定1位まで浮上した。ドリーム組が苦戦を強いられる今節の白組にあって、押しも押されぬ大将格だ。
 生家がボートレース戸田のごくごく近隣で、産湯に浸かった瞬間からエンジン音が鼓膜を震わせたとか(笑)。幼少時から祖父などに手を引かれて戸田参りも繰り返し、物心がついたときにはボートレーサー以外の選択肢はなかった。

 それから十数年、脇目も振らずに受験し続けた養成所は、4度目のチャレンジで突破。現在でこそ「定松勇樹に次ぐ125期の副大将」みたいな地位と名声を得ているが、養成所リーグの成績は下から数えた方が早い4・92。絶対エース定松の7・81はもちろんのこと、今節の同朋である山本稔太朗の7・42(!)、三村岳人の5・97よりはるかに低い劣等ゾーンだった。

 そんな砂長クンがなぜ125期の№2(デビュー通算勝率、優出数などほとんど断然の2位)に君臨しているかと言えば、非凡なスタート勘と自力で攻めたてる闘魂ではなかろうか。まず、スタートに関してはここ2年の平均がコンマ14でしっかり安定。逆に定松はコンマ17程度だから、ことスタート力に関しては同期の首席を圧倒している。
 さらに、「覗いたら迷わずまくる」の特攻精神も半端ない。特に3・4コースからの猛攻は「まくり怪獣の卵」に認定してもいいだろう。

★砂長クンの特攻精神

      まくり  差し まくり差し
 3コース  7   1   5
 4コース  12   0   4
※デビュー通算データ

 このデータをざっくり翻訳すると「センターからスタート決めてまくる」。極めてシンプルかつ豪快な攻撃スタイルで、125期の副大将まで成り上がったのだな。今節も2日目に3コースまくりで激勝。もちろん、準優や優勝戦でセンター枠に組まれたら、それだけで驚異的なリーサルウェポンになり得るだろう。

……などと、舟券も買わずにシコシコ書いていたらば、同期にして誕生日が1週間しか違わない三村クンが、怒涛の4カドまくり圧勝で147460円!!!??? 砂長クンの特攻精神がまんま乗り移ったような猛攻でありました。(photos/チャーリー池上、text/畠山)